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日本版ステルス機「心神」 装備庁が初公開

自衛隊・ミリタリー

日本版ステルス機「心神」 装備庁が初公開

更新 sty1601280019
報道陣に公開された先進技術実証機=28日、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影) 報道陣に公開された先進技術実証機=28日、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)
公開された先進技術実証機のエンジンノズル付近=28日午後、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)
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公開された先進技術実証機のエンジンノズル付近=28日午後、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)フルスクリーンで見る 閉じる

 赤と白に彩られた機体はライトアップされ輝いていた。防衛装備庁は28日、国産初のステルス戦闘機開発に向け、三菱重工業などが製造している「先進技術実証機」(通称・心神(しんしん))を、愛知県豊山町の同社小牧南工場で報道陣に初公開した。「心神」とは富士山の別称。操縦席直下の日の丸の赤もデザインの一部に溶け込んだ。
 同庁の外園博一防衛技監は28日の会見冒頭「(2月以降の)初飛行に向け最終段階となった」と切り出した。平成7年に研究を始め、30万点もの部品を組み合わせ、国産化率9割超の軍用機を造り上げた高揚感が言葉になったようだ。

公開された先進技術実証機のエアーインテイク付近=28日午後、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)
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 同庁や三菱重工の幹部の説明によると、特徴の第一は、炭素繊維を駆使した敵レーダーに探知されず敵を捕捉できるステルス性。国産成功例は米露中3カ国だけだ。繊維に加え耐熱素材、電子機器、小型燃料装置に象徴されるわが国の得意技術力を生かした点も特筆される。
 強い向かい風を受けても失速せず、旋回半径の著しい短縮を可能にしたエンジンの開発も、担当の重工大手IHIが成功した。結果、軽量化を図り高い運動性を備えた。
 将来、「心神」を基に戦闘機を国産にするか、共同開発に踏み出すかは未定だが、ある関係者は意に介さない。国産力を持たぬと相手にされず、共同開発にも加われない。故に「国産可能段階で防衛技術基盤など国益を勘案し判断すればよい」というのだ。
 ただ、問題は残る。「兵器鎖国」を転換し貿易に乗り出したのに、人材・技術・利益の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。既に、日本メーカーと手を切り、自社と提携するよう誘惑する外国企業も増え始めている。(政治部編集委員 野口裕之)

公開された先進技術実証機 キャノピー周り=28日午後、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)
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事前説明で公開された先進技術実証機のアフターバーナー燃焼実験=28日午後、愛知県豊山町(彦野公太朗撮影)
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