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 甘利明経済再生相の辞任表明を、海外の通信社も速報した。ロイター通信は「安倍政権の政策スタッフの中心である甘利氏は身の潔白を主張する一方で、スキャンダルが政権の経済政策の妨げにならないために辞任すると述べた」と報じた。

 米通信社ブルームバーグは甘利氏を「安倍政権で最も影響力のある閣僚」と紹介。日本の株価下落を引き合いに出し「この辞任は、アベノミクスに対する批判が高まった時期に重なった」と指摘。夏の参院選に向け、政権の頭痛の種になるとの見方を示した。

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 甘利明経済再生相の辞任表明について、英BBCのウェブサイトは28日、「甘利氏が会見で予想外の表明をした」と速報した。甘利氏を「安倍首相がもっとも信頼を寄せる国会議員の一人とされる」として、「安倍首相にとって重大な打撃とみられている」と伝えた。

 英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)も同日、「『アベノミクス担当相』とみなされている甘利氏は、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉責任者であり、首相の側近の一人」と紹介。「スキャンダルは安倍首相にとって深刻な打撃」と指摘した。「甘利氏の辞任は、日本の経済改革計画のいくつかを阻み、安倍首相が今夏の総選挙に踏み切る可能性を下げ得る」と分析した。(ロンドン=渡辺志帆)