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安倍首相の靖国神社参拝、原告側の請求棄却 「法的利益侵害と言えない」最高裁判決踏襲、憲法判断示さず 大阪地裁
安倍晋三首相の平成25年12月の靖国神社参拝は憲法の政教分離原則に反しているとして、戦没者遺族ら765人が首相と国、靖国神社を相手取り、参拝差し止めと1人あたり1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、大阪地裁であった。佐藤哲治裁判長は「首相の参拝によって原告の法的利益が侵害されたとは言えない」として請求を棄却した。参拝の公務性には触れず、憲法判断もしなかった。原告側は控訴する方針。
安倍首相の靖国参拝をめぐる地裁判決は初めて。同種訴訟は東京地裁でも係争中。小泉純一郎元首相の参拝では全国6地裁で8件の訴訟が起こされ、原告側がすべて敗訴した。一連の訴訟では平成16年4月の福岡地裁判決と17年9月の大阪高裁判決が、それぞれ判決理由で「参拝は憲法が禁じた宗教的活動にあたる」と違憲判断を示した。
判決で佐藤裁判長は「人が神社に参拝する行為は他人の信仰生活に圧迫、干渉を加えるものではない。このことは内閣総理大臣の参拝でも異ならない」とした18年6月の最高裁判決を踏襲。「一般人と比べて、首相の参拝が原告らに大きな影響を及ぼすことは認められる」としつつ、法的利益の侵害はなかったとして原告の訴えを退けた。
安倍首相は第2次政権発足から1年となる25年12月26日に靖国神社を参拝。「内閣総理大臣安倍晋三」と記帳し、私費で献花料10万円を支払った。
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