【社説】イランで過当競争、韓国建設業界に共倒れ懸念

 不況に苦しんできた韓国の建設業界は、9年ぶりに国際的な制裁が解除されたイラン市場への進出を急いでいる。現代建設、GS建設、大宇建設、大林建設の各社は一時閉鎖していたイラン事務所を再開したり、駐在員数を増員したりし、イランでの建設受注競争に参入する準備を本格化している。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領も近くイランを訪問し、経済外交を展開する予定だ。

 イランは経済制裁のために中断していたインフラ建設投資に今後数千億ドルをつぎ込む計画だ。今年だけでも発注規模は500億ドルに達すると予想される。昨年の韓国企業による全世界での受注額(461億ドル)に匹敵する規模だ。

 問題は収益性ではなく、規模を争う建設業界の慢性的な過当競争だ。2008年の世界的な金融危機以降、海外の建設現場では韓国企業同士が争い、原価を下回る低価格で工事を受注する例が相次いだ。現在建設各社が数千億ウォンから1兆ウォン台の損失を海外で抱えているのもそうしたダンピング受注のせいだ。イランでも同様に過当競争が再現されれば、イラン特需どころか、新たな損失の原因になりかねない。

 イラン市場ではどうか韓国企業同士の骨身を削るような競争を防ぎ、世界貿易機関(WTO)のルールに違反しない範囲で協力するモデルを構築してもらいたい。コンソーシアムを組み、共同で受注を目指すのもよい。各社が調整に失敗したならば、海外での資金調達を担当する金融機関が強制的に主導権を握り、調整役を務めるべきだ。

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