平成二十八年一月十九日(火曜日)(未定稿)
- 委員長(岸宏一君)
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次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
- 中山恭子君
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日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
昨日、総理から、慰安婦に関する日韓共同記者発表における当時の軍の関与の下にとは、軍が関与したのは、慰安婦狩りなど強制連行や性奴隷化などではなく、慰安所の設置、健康管理及び衛生管理と移送についてのみであるとの御答弁をいただきましたことは、今特段の反応があるわけではありませんが、もちろん日本としてこの点をしっかりと明示していく必要がありますが、さらに、将来、日本の子供たちを救う礎になるであろうと考え、改めて感謝申し上げます。
さて、北朝鮮による拉致問題でございますが、北朝鮮は、先日の核実験に見られますように、相当せっぱ詰まった状況にあると考えています。拉致被害者救出に当たっては、金正恩第一書記に直接接することのできるグループと交渉することが鍵を握ることになると考えています。外交部とのルートが動いている限り、北朝鮮側から新たな交渉のための動きは出てきません。官邸主導の下で、拉致被害者救出に集中して北朝鮮との交渉を進めていただきたいと思います。総理の御決意を伺います。
- 内閣総理大臣(安倍晋三君)
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拉致問題の解決は、安倍政権の最重要課題でございます。全ての拉致被害者の生還を目指して全力を傾けていく決意でございます。
同時に、先般、北朝鮮が核実験を強行いたしました。この核実験に対しましては、日本は安保理非常任理事国の一員として、安保理においてしっかりと対応していきたい、決議を導いていきたいと、こう考えておりますし、また同時に、我が国独自の制裁について更に強化をしていく考えでございます。
しかし、拉致問題の解決に向けては、こうした圧力を掛けていくと同時に、我々は対話も求めていきたいと、こう考えているところでございます。
- 中山恭子君
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是非、今年、ある意味ではチャンスと言えるかもしれませんので、被害者救出に集中した作業を進めていただきたいと思っております。
拉致被害者の救出は、政府のみならず、国として国民を守れるかどうかの問題であります。国会でも超党派で政府を応援し、後押ししている問題でございます。蓮池透さんの本につきまして、これ、私は国会で取り上げる問題ではないと考えておりましたが、先日、衆議院予算委員会で、この本に関連し総理に対し、事実確認もしないまま総理の名誉を傷つける発言がございました。
この本については、事実と異なることがたくさん書かれております。違っている箇所を指摘し、抗議をしようかとの意見もございました。例えば、こんなバツが付くような、文章を変えなければいけないような箇所が各所にございます。抗議するかどうか被害者家族の方々や救う会とも相談しましたが、この本は北朝鮮のある種の工作活動の一端であるとの考えから、まともに取り上げるものではないので無視することといたしました。
緒方議員が取り上げた、安倍、中山両氏は弟たちを一度たりとも止めようとはしなかったといった部分につきまして、当時の安倍官房副長官の部屋で関係省庁のメンバーで開かれていた会議を思い出しました。帰してはならないとの主張に対し、中山参与は、五人の中に北朝鮮に帰りたいという人がいたらひもで縛り付けてでも日本にとどめる、とどめよと言うのかといった議論もございました。そのような中、五人を国家の意思で日本にとどめると決断してくださったのが当時の安倍官房副長官でした。どれほどにうれしかったことでしょう。このようなこと、話し出せば切りがありません。今はその時期ではないと考えております。
透さんは、御自身では気付かれていないかもしれませんが、工作関係者に利用されていると考えています。ある意味では、透さんも拉致問題の被害者とも言えるかもしれません。当時も北朝鮮側から、安倍、中山、齋木が日本の三悪人と指名されておりました。今回は、安倍、中山、横田を三悪人としたいようでございます。思ったように利益が得られなくなると、このような工作活動が動き出します。日本国内に工作活動をする動きが日常的にあることを日本の人々が知っていることが大切です。特に国会議員がそのような動きに乗せられてしまうことはあってはなりません。
総理の御見解を伺います。
- 内閣総理大臣(安倍晋三君)
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当時の議論としては、言わば五人の被害者については再び北朝鮮に戻すべきだとの論調は強くマスコミ等にもあったわけでございます。私と中山参与とで、それぞれ拉致被害者御本人との接触の中において最終的に日本にとどまる意思を確認をしたのでございますが、その際、五人の意思でとどまるということではなくて、国家の意思として残すということを外に出そう、そうしなければ五人の被害者の方々の御家族に累が及ぶ危険性があると、そう判断し、我々は国家の意思としてそれを表に出していく、これは政府でも随分議論があったことでありますが、そう決定をしたところでございます。これは中山参与の強い御意見でもあった。しかし、当時は、個人の考え方を国家が超えていいのかという批判を我々は随分受けたわけでございます。
そこで大切なことは、常に北朝鮮は国論を二分しようと様々な工作を行うわけでございまして、それに乗ってはならないのだろうと、こう思う次第でございます。
当該の本におきましても、拉致被害者の御両親から、この本についてしっかりと批判をしたいという相談を受けたことがございましたが、しかし、被害者の家族の方々の中でこれは分裂をしているかのごとくの印象を与えるのは良くないと、それはやめておいた方がいいのではないかということも申し上げたわけでございまして、そういうことをしっかりと認識した上で議論をするべきではないかと。
いずれにいたしましても、声を一つにして北朝鮮に被害者を返せと日本は強く要求していく必要があるんだろうと、こう考えております。
- 中山恭子君
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明快なお答えをいただきまして、ありがとうございます。
私ども、超党派で動いていく必要がございます。今年、是非、被害者全員が帰国できますように、私どもも一緒になって活動をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
- 委員長(岸宏一君)
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以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
- 委員長(岸宏一君)
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次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
- 中山恭子君
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日本のこころを大切にする党、中山恭子でございます。
今回の補正予算につきましては、我が党が昨年十一月四日、菅官房長官に提出いたしました補正予算案、これは十一兆円規模でございます。これに比べて三兆五千億円という、非常に規模が小さくなっていると考えております。緊急な景気対策として考えましても、これで景気の下振れを支えることができるとお考えでいらっしゃいましょうか。財務大臣、お願いいたします。
- 国務大臣(麻生太郎君)
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中山先生のところから昨年、十一兆の補正予算案の原案が提出をされておりますということは存じ上げております。
私どもは今回、この補正予算に関して言わせていただければ、我々は基本的には最初に規模ということではなくて、まずはこの補正予算はTPPとか、またいわゆるそれに伴います地方創生とかいろいろな関連するものでまず生産性の向上につながりますものとか、またいわゆる今年の前半にかけての経済の下振れというものに関しまして、中国の問題とかいろいろな我々の予想していたものをはるかに超える状況がいろいろ変化しておりますので、それに対応するというようなもの等々を主に思って、経済としては基本的には我々のこの三年間の政策の結果が確実に出てきつつあるという状況にございますので、私どもとしては、今企業を見ましても経常利益過去最高等々、言うまでもないことですが、緩やかな景気回復が続いているという前提に立ちまして、その上で、今我々としては、構造的に少子高齢化等々長期的に取り組まねばならぬ問題の中で、介護の話とか出生率一・八とかいろいろな話が出てきておりますけど、そういった構造的なもの、また今申し上げたようなところ等々を考えてやっておりますので、基本的に経済のいわゆる景気対策というのを主に主眼に置いているわけではないというように御理解いただければと存じます。
- 中山恭子君
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景気対策は主眼ではないとおっしゃいますが、今、この近い時期だけを見ましても景気が停滞してきている、下に落ちる可能性だって見えているわけでございまして、この点についてもよりしっかりした補正予算を組む必要があろうかと考えております。
また、その財源でございますが、私どもの案でもお示ししましたけれども、さほど無理しなくても十分確保できるすべがございます。どうぞ是非御参考にしていただけたらと考えております。
また、補正予算の内容、景気対策が入っていないということからでしょうか、公共事業の規模が小さ過ぎると考えております。次の世代の人々が快適に生活するためにも、また事故を防ぐためにも、現在もう老朽化している、老朽化が急速に進んでいる社会インフラの整備はこれは必要な公共事業であると考えておりますので、是非進めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
- 国務大臣(麻生太郎君)
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中山先生がおっしゃるように、デフレのときにおける対策として、歴史を見ましても、何といってもインフラというものは、大きなインフラというのは、一九三〇年代、世界でいわゆるデフレというものが起きましたときに、アメリカの三大大陸鉄道にいたしましてもドイツのアウトバーンにしましても等々、パナマ運河、スエズ運河は言うまでもなく、いろいろな大きなインフラというものはデフレのときにでき上がっているということは私どももよく頭に入れて対応していかねばならぬものだと思っております。
また、もう一点、デフレのときにはやっぱり生産性というか、技術革新とかイノベーションとか、最近いろんな言葉がありますけれども、そういった新しい付加価値の高いものを創造するということがデフレのときにとっては非常に大きな意味があろうと存じますので、私どもとしては経済産業省に対するいわゆる補助金等々、いろいろな意味で新しい技術革新等々に関しましては私どもとしては積極的にこれを支援する立場でやりたいと思っておりますので。
今言われましたように、公共工事がいろんな形で、あれでアメリカのときは三〇年代にやったものが全部五十年たってわあっと駄目になっていったのと同じように、いわゆる東京オリンピックのときにばたばたやっていったものが今ちょうど年度を迎えてきているというようなものが多々ありますのは私どもよく知っているところでありますので、厳しい情勢の中、経済財政状況の中ではございますけれども、そういったものに十分配慮しながら事を進めてまいりたいと考えております。
- 中山恭子君
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名目GDP六百兆円を目指すというお考えが示されておりまして、このデフレの状況下、デフレから脱却しつつある状況下では六百兆円という名目GDPをめどに置いていただいたことは大変評価したいと思っております。
消費税増税には今は無理だろうと、来年の四月は無理だろうと考えておりまして、更に延期する方向で進めていただきたいと、また、延期することを早い段階でお示しいただくことが大事であろうと思っております。よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
- 委員長(岸宏一君)
以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
平成二十八年一月十八日(月曜日)(未定稿)
- 委員長(岸宏一君)
次に、中山恭子さんの質疑を行います。中山恭子さん。
- 中山恭子君
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日本のこころを大切にする党の中山恭子でございます。
昨年十二月二十一日に党名を日本のこころを大切にする党、略称、日本のこころと改めました。
政治の場では、日本の伝統的な考え方は古くさいものとして切り捨てられています。米国から輸入した自由主義、民主主義、共産主義、保守主義など、何とかイズムで表される考え方がほとんど全てを支配しています。しかし、日本人の精神の基層にあるもの、日本の人々が長い歴史の中で取捨選択してつくり上げてきた風俗や習慣、自然を大切にし、穏やかで、しかも進取の気性に富む文化はすばらしいものであります。日本の人々は、四季折々の美しい風景の中で、争いを嫌い、和をもって貴しとなし、相手を思いやり、美しいものを尊び、細やかな心の営みをしてきました。
今、日本の社会で悲しい問題が多く起きています。これは、私たちが本来持っている日本の心を見失っているからではないでしょうか。政治の場でも、世界で高く評価される日本の心を主義の考え方に加えてもう一本の柱としてしっかり認識し、政策に生かして温かな社会をつくっていくことが求められていると考えています。
日本のこころを大切にする党、とても小さな党ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、党名変更の一週間後、十二月二十八日、日韓外相共同記者発表がありました。発表文を読んでびっくりし、日本のこころを大切にする党代表としての談話を出しました。皆様の机上に配付してございます。
戦時中であっても、女性たちが貧困などのゆえに体を売るなど、人としてむごい状況に置かれることは決してあってはならないことです。日本が率先して国連の場でこの問題を取り上げてもよいと考えています。しかし、今回の共同記者発表は極めて偏ったものであり、大きな問題を残したと考えています。
共同記者発表では、慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感している、全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒やしのための事業を行うとしています。
この共同記者発表では、元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復の代替として、日本のために戦った日本の軍人たちの名誉と尊厳が救いようのないほどに傷つけられています。さらに、日本人全体がけだもののように捉えられ、日本の名誉が取り返しの付かないほど傷つけられています。
外務大臣にお伺いいたします。
今回の共同記者発表が著しく国益を損ねるものであることに思いを致されなかったのでしょうか。
- 国務大臣(岸田文雄君)
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まず、今回の合意ですが、この慰安婦問題が最終的、不可逆的に解決されることを確認し、これを日韓両政府が共同で、そして国際社会に対して明言した、このことが今までなかったことであり、この点においては画期的なことであると認識をしております。
その上で、今様々な御指摘をいただきました。まず、この合意における認識ですが、これは従来から表明してきた歴代の内閣の立場を踏まえたものであります。そして、これも度々申し上げておりますが、日本政府は、従来より、日韓間の請求権の問題は一九六五年の請求権協定によって法的に解決済みであるという立場を取ってきており、この立場は全く変わっておりません。このように、この従来の立場、我が国としてしっかり守るべきこと、確認すべきこと、これはしっかり確認し、変わっていないものであると認識をしております。
こうした点を確認した上で、是非この合意に基づいて日韓関係を前に進めていきたいと考えております。
- 中山恭子君
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今回の日韓外相共同記者発表の直後から海外メディアがどのように報道しているか、今朝、宇都委員の質疑でも取り上げられましたが、紹介いたします。
お手元に配付してある資料、なでしこアクション代表の山本優美子さんが取りまとめた日韓合意直後の主な海外メディアの報道の一覧表です。オーストラリアのザ・ガーディアンは、日本政府は、女性の性奴隷化に軍が関与していたことを認めた。また、ニューヨーク・タイムズでは、戦争犯罪の罪のみならず、幼女誘拐の犯罪でもあるなどと書かれています。BBC、そのほか米国、カナダでも極めて歪曲した報道が行われています。この中から、ザ・サンの報道のコピーをお手元に配付いたしました。両外務大臣の写真が載っているものでございます。このものは、いつでも、誰でもパソコンから引き出せます。
日本が軍の関与があったと認めたことで、この記者発表が行われた直後から、海外メディアでは日本が恐ろしい国であるとの報道が流れています。日本人はにこにこしているが、その本性はけだもののように残虐であるとの曲解された日本人観が定着しつつあります。今回の共同発表後の世界の人々の見方が取り返しの付かない事態になっていることを目をそらさずに受け止める必要があります。
外務大臣は、今回の日韓共同発表が日本人の名誉を著しく傷つけてしまったことについて、どのようにお考えでしょうか。
- 国務大臣(岸田文雄君)
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まず、今回の合意につきまして、海外における評価ですが、この合意直後から、米国、豪州、シンガポール、英国、ドイツ、さらにはカナダ、そして国連からもこうした合意について歓迎する声明が出されております。国際社会からは幅広い支持をいただいていると考えます。
そして一方、海外のマスコミの反応ということで申し上げますならば、海外メディア、欧米主要国等においても、日韓関係の改善については高く評価されていると承知をしています。ただ、その中に不適切な表現あるいは事実に基づかない記述がマスコミの報道等に散見される、これはしっかりと受け止め、そして対応していかなければならないと思います。こうした不適切な記述についてはしっかりと申入れを行い、我が国の立場、そしてこの事実につきましてはしっかりと国際社会に明らかにしていかなければならないと考えます。
今回の合意の内容や意義についてはしっかり説明していかなければならないと思いますが、あわせて、こうした不適切な表現、あるいは事実に基づかない記述に対しましては、しっかりと我が国としての立場を明らかにしていきたいと考えます。
- 中山恭子君
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当時の軍の関与の下にという言葉が入っていて、この言葉が何を意味するのか全く何の説明もないまま使われていることが、世界では、軍の関与は慰安婦の強制連行、慰安婦狩り始め性奴隷化をしたことであるとの解釈が当然のこととして流布されてしまっているということだと思います。
二〇〇七年三月五日、参議院予算委員会、第一次安倍内閣の当時ですが、総理は強制連行について、言わば慰安婦狩りのような強制連行的なものがあったということを証明する証言はないと述べておられます。
まさに現在、そのとおり、吉田証言は虚言であり事実ではないこと、朝日新聞のいわゆる従軍慰安婦なるものも存在しなかったこと、強制連行はなかったことが明らかになっています。にもかかわらず、今回、説明のない、当時の軍の関与の下にと発表してしまいました。当時の軍の関与の下にが何を意味するのか、遅きに失してしまったかもしれませんが、明らかにしておくことが政府の責務であると考えています。
外務大臣にお伺いいたします。
今回の日韓外相共同記者発表で、当時の軍の関与の下にとは、慰安所の設置、健康管理及び衛生管理について軍が関与したとの意味であり、日本軍が慰安婦を強制連行したり惨殺した事実は全くないことを全世界に向けて発言していただきたいと思っております。
各国に向けて不適切な表現について申入れを行っているだけでは、世界の中で日本というものの名誉は傷つけられたままになると考えております。いかがでしょうか。
- 国務大臣(岸田文雄君)
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御指摘の点につきましては、今回の合意において、慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である、このような認識を示しているわけですが、まず、この認識につきましては、従来から我が国政府として表明してきた認識です。当然、歴代内閣の立場を踏まえたものであると考えます。
その上で、これまで政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行は確認できなかったという政府の立場、平成十九年の政府に対する質問書に対する答弁書で閣議決定した我が国の立場ですが、この立場については何ら変更はないと認識をしています。このことにつきましては何度も明らかにしているところであります。
- 中山恭子君
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今の外務大臣のお答えだけでは、今ここで、世界で流布されている日本に対する非常に厳しい評価というのが払拭できるとは考えられません。明快に今回の軍の関与の意味を申し述べていただきたいと思っております。
安倍総理は、私たちの子や孫、その先の世代の子供たちにいつまでも謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかないと発言されています。私も同じ思いでございます。しかし、御覧いただきましたように、この日韓外相共同記者発表の直後から、事実とは異なる曲解された日本人観が拡散しています。日本政府が自ら日本の軍が元慰安婦の名誉と尊厳を深く傷つけたと認めたことで、日本が女性の性奴隷化を行った国であるなどとの見方が世界の中に定着することとなりました。
今後、私たちの子や孫、次世代の子供たちは、謝罪はしないかもしれませんが、女性にひどいことをした先祖の子孫であるとの日本に対する冷たい世界の評価の中で生きていくこととなります。これから生きる子供たちに残酷な宿命を負わせてしまいました。安倍総理には、これらの誤解、事実に反する誹謗中傷などに対して全世界に向けて正しい歴史の事実を発信し、日本及び日本人の名誉を守るために力を尽くしていただきたいと考えます。
総理は、この流れを払拭するにはどうしたらよいとお考えでしょうか。御意見をお聞かせいただけたらと思います。
- 内閣総理大臣(安倍晋三君)
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先ほど外務大臣からも答弁をさせていただきましたように、海外のプレスを含め、正しくない事実による誹謗中傷があるのは事実でございます。
性奴隷あるいは二十万人といった事実はない。この批判を浴びせているのは事実でありまして、それに対しましては、政府としてはそれは事実ではないということはしっかりと示していきたいと思いますが、政府としては、これまでに政府が発見した資料の中には軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったという立場を辻元清美議員の質問主意書に対する答弁書として、平成十九年、これは安倍内閣、第一次安倍内閣のときでありましたが閣議決定をしておりまして、その立場には全く変わりがないということでございまして、改めて申し上げておきたいと思います。
また、当時の軍の関与の下にというのは、慰安所は当時の軍当局の要請により設営されたものであること、慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送について旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与したこと、慰安婦の募集については軍の要請を受けた業者が主にこれに当たったことであると従来から述べてきているとおりであります。
いずれにいたしましても、重要なことは、今回の合意が今までの慰安婦問題についての取組と決定的に異なっておりまして、史上初めて日韓両政府が一緒になって慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認した点にあるわけでありまして、私は、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかないと考えておりまして、今回の合意はその決意を実行に移すために決断したものであります。
- 中山恭子君
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総理の今の御答弁では、この日韓共同記者発表での当時の軍の関与の下にというものは、軍が関与したことについては、慰安所の設置、健康管理、衛生管理、移送について軍が関与したものであると考え、解釈いたしますが、それでよろしゅうございますか。
- 内閣総理大臣(安倍晋三君)
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今申し上げたとおりでございまして、衛生管理も含めて設置、管理に関与したということでございます。
- 中山恭子君
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総理から明確なお答えをいただいて、少しほっとしたところでございます。この後、全世界に向けてこの旨をしっかりと伝えて、日本に対する曲解を解いていくために私たちも努力していきたいと思っておりますし、政府の方々も是非お力を入れて、国を挙げて日本の名誉を守っていただきたいと思っております。
短期的なその場しのぎの日本外交が、真の意味で日本の平和をもたらすとは考えられません。歴史の事実に反して日本人についての曲解された見方が世界中に伝わり、日本に対する信頼が損なわれたことの方が長い目で見ていかに大きな損失になるか、申し上げるまでもないことです。
日本の名誉を守ることは日本人自らしかできません。米国など他の国にとって、日本の名誉などどうでもよいことです。しかし、日本が軍事力で平和を維持するのではなく、日本の心や日本の文化で平和を維持しようとするとき、日本に対する海外の見る目、海外の評価はとても大切です。子供や孫、次の世代の子供たちが、あなたの先祖はむごいことを平気でやった人たちだと事実でもないのに罵られるような事態を私たちが今つくってしまったことを大変情けなく、無念なことと思っています。
曲解を招くような外交、日本をおとしめるような外交は厳に慎むべきと考えます。これを挽回するための対応を私たちは直ちに取らねばなりません。政府にもその旨を要求して、質疑を終わります。
- 委員長(岸宏一君)
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以上で中山恭子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)
3月19日 前橋市で記者会見
群馬県火曜会での講演会の後、前橋市で記者会見し、拉致問題や教育再生など取り組むべき仕事が残っており、引き続きこれらの諸課題に力を尽くしていくため、今夏の参議院議員選挙に出馬する意向であることを表明しました。
記者会見する中山恭子議員
3月11日 東日本大震災追悼式
3月11日 国立劇場で東日本大震災二周年追悼式が開催されました。中山恭子参議院議員も参列し、大震災で亡くなられた方々への鎮魂の意を表すると共に、被災地の復興に向けて更なる取り組みへの思いを新たにしました。
3月7・8日 共生社会・地域活性化に関する調査会視察
3月7・8日 共生社会・地域活性化に関する調査会は、福島県の現地視察を行いました。
東京電力福島第一原子力発電所では、免震重要棟において概要説明を受け、発電所構内を視察しました。収束までには遠い道のりです。
2月27日 参議院予算委員会で安倍総理に拉致問題について質問しました。
まず、日米首脳会談で日本側が国家として拉致被害者を取り戻すという強い意思を示したことで米側の協力を得られたと思う。
2002年拉致被害者が帰国した際、五人を日本に留めることについて、当時官房副長官だった安倍総理が決断されたことは間違っていなかった。
金正恩体制を解決のチャンスとみて被害者の救出に当たって欲しい。
また古屋拉致問題担当大臣には、拉致被害者の認定を拡げることを要望しました。
安倍総理は、対話と圧力によって大きな決断を迫っていくとの決意を示されました。
2月13日 北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟
昨年末の衆議院選の結果を踏まえて、新しい会員による拉致議連が開催され、北朝鮮情勢等の意見交換を行いました。
通常国会開会式
第183回国会(常会)は、1月28日に開会しました。中山恭子参議院議員は、「和装議連」の一員として、着物姿で開会式に臨みました。