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保育士が園児たたき、突き飛ばす 倉敷市が保育園立ち入り調査へ

山陽新聞デジタル 1月29日(金)9時20分配信

 岡山県倉敷市が認可し、社会福祉法人が運営する保育園で、20代の女性保育士が複数の園児の頭を手でたたくなどの行為を昨年春以降、繰り返していたことが28日、分かった。市は2月上旬にも、児童福祉法に基づき園を立ち入り調査する。

 倉敷市保育・幼稚園課は「虐待かどうかは現時点で言及できないが、保育内容で不適切な行為があったのは事実。立ち入り調査で詳細を確認し、厳正に対処する」としている。

 園によると、保育士は2歳児クラス(14人)の担任。受け持っている園児の頭をたたいたり、突き飛ばしたりしていた。このほか、給食で園児が嫌いな食材をもどしそうになっても食べさせる▽発表会などの練習でうまくできなければ「おやつなし」と言い、おやつの数を減らす―といった行為が確認されている。

 この保育士に対して指導的立場にある40代の女性保育士は一連の行為を黙認し、自身も「おやつなし」などの言動を取っていた。

 園は27日夜、園内で保護者説明会を開いて謝罪した。保育士2人は事実を認めており、現在は保育に直接携わっていないという。

 倉敷市は昨年11月末以降、複数の保護者から苦情を受け、園に確認。園は当初、否定していたが、今月に入り、職員への聞き取りなどで「不適切な保育」があったとし、市に報告した。

 園長は「園児や保護者らに心配、不安を抱かせてしまい、申し訳ない。原因や背景を明らかにして改善策を早急に取りまとめ、信頼回復に努めたい」と話している。

 この園は、倉敷市が待機児童対策の一環で行った新園整備の公募で選ばれ、2011年1月に開設。現在の園児は86人。

最終更新:1月29日(金)9時20分

山陽新聞デジタル