天皇、皇后両陛下が24日、15年ぶりに来県した。北陸新幹線で富山駅に到着し、駅前や訪問先で市民らの歓迎を受けた。26日まで滞在し、25日は、射水市で開かれる全国豊かな海づくり大会に出席する。

 両陛下は午後2時前、多くの市民らが待ち構える富山駅前に姿を現した。その後、県立イタイイタイ病資料館(富山市友杉)、ANAクラウンプラザホテル(富山市大手町)の順に訪れ、沿道には「ようこそ富山へ」「御来県ありがとうござます」などと書かれた横断幕が掲げられた。

 イタイイタイ病資料館では、鏡森定信館長から患者と原因企業の裁判の歴史や症状について説明を受けた。床に描かれた県周辺の俯瞰(ふかん)図を見ながら、鏡森館長が資料館やカドミウムを排出した神岡鉱山、神通川の位置を示すと、両陛下はうなずきながら聞いていた。代表的症状の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と健康な骨のレプリカが展示されており、持ち比べてみた天皇陛下は「ずいぶん違いますね」と驚いた様子だった。