「職務怠慢だ!」「NHKは病んでいる」——次々と飛び出すドラマ顔負けの過激な言葉。不適切な土地取引をめぐって追い詰められた籾井会長と造反した理事たちの激しい応酬を実況中継する。
響きわたる怒声
「だいたいNHKはおかしい!(土地購入の件を)役員に話したら、すぐに外部の人から連絡があった。すぐに圧力をかけてくる。しかも、NHKの局内を女性の新聞記者がうろうろ歩き回っている。こういうNHKの体質が問題だ!」
東京都代々木のNHK放送センター21階にある役員会議室に、激昂した男の声が響き渡ったのは昨年12月8日のこと。声の主は、NHKの籾井勝人会長である。
この日の理事会は通常とは様相が異なっていた。それもそのはず、籾井会長と彼を支えてきた側近理事たちのあいだに、埋めがたい大きな亀裂が走った瞬間だったのだ。
会議の冒頭で議題に上がったのが、当日の『毎日新聞』朝刊で報じられたNHK関連会社による土地取引に関する疑惑だった。NHK本体の経営委員会を通さずに350億円の土地購入を進めようとした手順が問題視されたのである。
この取引に関して、「手続き上の問題はなかった」と押し切ろうとする籾井会長に対して、これまで会長に面と向かって異を唱えることのなかった理事たちまでもが反旗を翻し、「コンプライアンス違反だ」という発言が相次いだ。不意をつかれた籾井会長は血相を変えて理事たちをなじり、会議室はかつてない緊張感に包まれた。
役員室で交わされた激しい応酬とは、どのようなものだったのか?公式に発表されているNHK議事録上では、あたりさわりのない短いやりとりが記されているだけだが、本誌はより克明に緊迫感を伝える「ウラ議事録」を入手した。
まずは、問題の土地取引に籾井会長とともに関与してきた井上樹彦理事がこう発言した。
「(土地取引の)優先交渉権の文書には会長の了解をもらってサインしましたが、この話は関連会社の資金計画と事業計画が決まらないうちに進んでいて、手続きが整っていません。コンプライアンス上の疑義があるので、見直したいと思います」
この発言に籾井会長が目の色を変える。井上氏はこれまで一緒に土地買収を進めてきた「身内」のはずだった。その井上氏に突然裏切られたのだから、籾井氏が動揺するのも無理はない。
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