web限定『ゲームと人』井上 Feat.クロダ 前篇
- 2016/01/19
- 10:31
どうも、イツキです。
今回のweb限定記事は、関西のダークヒーロー井上さんと関東の鬼才クロダさんがゲーセン前で繰り広げる井戸端会議にお邪魔して色々とお話を聞いてきました。
どこかファミレスにでも入って話すのかと思いきや、終始ゲーセン前での取材となり、閉店後もゲーセン前でたむろする様子を見て「あぁ、この人たちは本当にキチガ…いや、ゲーセンが好きで純粋に対戦を楽しんでいる純度100%の戦闘民族なんだな」と思ったものです。
僕もよく大宮のゲーセンで閉店まで仲間と遊んで、シャッターが降りたゲーセンの前で朝までゲームの話をしていたもんです、うんうん。
ゲーマーあるあるですね。
ってなわけで、早速レッツラゴー!!!!
井上(写真右)
EVO2003 カプエス2部門優勝、闘劇'08 ストIII3rd部門優勝などカプコン作品を中心に古くより活躍する強豪プレイヤー。
ロジック井上と揶揄される事もある理論派プレイヤーという一面もありながら、大会での本能剥き出しのプレイが特徴的で、なおかつ大舞台に強いと定評がある。
近年はそのプレイスタイルのみならず、言動の方も牙剥き出しの過激さに定評がある模様。
今回、第14回クーペレーションカップに出場するため上京中のところをキャッチ。
クロダ(写真左)
ストリートファイターIII 3rd strikeにてその名を轟かす「3rd神」
異次元の反応速度、入力精度、読み、更には非常に固い防御能力が特徴のプレイヤーである。
闘劇08、10、12と3度の優勝、そして2度のベスト4という3rd神の名に相応しい輝かしい実績を残しており、使用キャラもQ、豪鬼、ケン、オロとその年によって様々で、幅広いキャラのやり込みと人間性能の高さを知らしめている。
◆E-sportsってどうなん??◆

ではでは、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

よろしくお願いします。

最近の格闘ゲームを取り巻く環境や、時代の変化について何か感じることはありますか?

船水さんとか、あきまんさんがいないと終わってんのかなーって感じはするね。
俺なんかはゲームの内容はどうでも良くって、見た目だけ良ければありなんだよ。

あ、確かにクロダは見た目大事にするよね。
特にストVとかはアメリカで売れたらいいだろ的な感じの絵だしな。

力入れてないでしょ。
俺はディズニーが最強だと思ってるから、あれに近いグラフィックを提供してもらいたい。

いきなりよくわからないこと言い出した。

最近のE-sportsとかには興味がわかないよね。
まぁ、興味がないって言っちゃったら話が終わっちゃうからあんまり言えないけど。

俺はとにかく、格下げというか、大事にしてる物をぶち壊されてる感覚なのかな。
E−sportsってことは要は利益を見込んだ興行って事やんね。
ゲームの価値じゃないけどアツさって、プレイヤーも興行主も含めてみんなが、社会的には何も生まない何の役にも立たない物に本気出しちゃってる所に集約されてると思ってるから、そこに意味っていうか金?を後付けしていこうっていうのは、むしろ俺からしたら退化だよね。

お、なかなか興味深い。

いやほら例えば魂のキャラとかあるやんか、負けるけど本田使いますみたいな(笑)
そういうのに付随する価値って何かって話ですよね。
極端な話賞金目的で大会に出る前提やとしたらそんな馬鹿げた本田は一生出てこないわけで、極端な話ね。
大会にしても、小規模でも主催の心のこもった大会はあるわけやけど、じゃあそれと賞金1000万の大会の日程が被ったらどっち行くかって話で。
今まで俺らはアツさとか心意気に惹かれてやってた行動が多々あるわけやけど、金とかいろんな目的が設定されてしまうと、やっぱみんなブレるだろうし、その中でシーン全体からアツさが失われていくんじゃないかなって気はするよね。

良くも悪くもこれが今の時代なんだなって思う。
物事を突き詰めないんだよね。
昔の日本人は頑張りすぎたから、今の日本人は頑張らないんだよ。

そもそも頑張る前にやりこむべきタイトル変わったりするからな(笑)
「べき」っていうのがもうおかしいけどな、ゲームは義務かよ(笑)

たしかに最近は一つのタイトルを長くやりこむというよりは、新作やらバージョンアップやらで忙しいイメージがあります。

世間じゃ1,500万円だ、E-sportsだって囃し立ててるけど、俺なんかは何をやってるのか全く知らない。
後から人に聞いてそうなんだって知るくらい。

お前ほんまに知らんもんな(笑)

昔に比べてゲームをする目的も多様化してるなって印象はありますね。

おかしな話ですよね。
そのゲームで遊びたいから遊ぶ、それ以外に目的があるっていうのがもう(笑)
◆ロジック井上の咆哮◆


井上さんといえば「ロジック井上」なんて言われたりすることもありますが、その内に秘めた凶暴さとは相反する感じがしておもしろいです。

いやあれは仕事ですよ(笑)
金を得るための手段という意味ではなくて、役割というか。
俺の本来の対戦のスタイルって今こいつに何が当たるかだけを常に考えて当たる技を出すそれだけなんですよ、ロジックもクソもない。
でも対戦が好きすぎて、対戦ゲームのゲームとしての環境というか対戦レベルっていうんかな?それがあまりにも低迷しているなって昔から思っていて。
その低迷の理由が誰も対戦の仕組みを言葉にして説明しない、そこにもあると思うんですよね。
昔ならカメラ屋様とか居たのにね。

足立区のプロ(※)はだんまりだからな。
(※ウメハラ氏と思われます)

おう。
募金する前に攻略出せよって思うわ(笑)
まあ、そのためにわざわざキャラ付けじゃないですけど、自分はめんどくさくてもキャラじゃなくてもひとつひとつの攻略を言葉にしてWEBに残そうと。
ほんまにそういうプレイヤーじゃないんですけどね。
あと、そもそも怒ってるんですよね。
昔あったカメラ屋さんの「感謝で昇龍拳」がみたいな、大足の打ち方1つにしても技として捉えて、一つ一つ名前をつけて定義をつけていくっていう作業をこの時代に誰もやってないってことに怒ってる。

なるほど。

俺結構ちょくちょくゲーム静かにやめるんですけど、7年前にやめた時ってスト4の通信対戦ができて、誰でもウメハラの対戦がリアルタイムで家から見れたり、sakoさんのプレイをキーディスプレイ付きで見れる時代が到来したあたりなんですよ。
あぁ、これでイケると思って。
この中足は?みたいなくだらない話を俺がしなくても、絶対多数の目による解析の結果ウメハラの波動の謎が解明される時代、そういうムーブメントが来るんやろうなと思ってやめた部分が多々あるんですよ。
それが7年経ってふと見てみたら何も変わってない、むしろ退化してる。
一つ一つの技を解析していこうっていう流れがどこにも無い、激おこ。

あんまり自分の手の内を明かす人っていないね。
もともとそういう人たちの集まりだから、人に教えたがらないよね。

むしろ本人もよくわかってないケースのほうが多いのかもね。
こいつにはこんな感じで当たる、程度であって、誰にでも教えられる形の翻訳ができないというか。
自分の打ってる技が当たってる理由とか、打ち方にどういう種類があってとか、そういうことを言葉にできるところまで作れてる人も少ないのかなって。
それをしたいっていうのは今尚あります。

井上さんがたまにツイッターでそういった類の分析しているの読んでますよ。

ストVにしても投げ抜けのフレームがいくつで、これとこれが択になって、みたいなことを気付き次第ツイッターに書いてるけど、自分がストVで勝つためにはあんなこと一切するべきではなくて、もっと隠しなよって身内には言われるんですよ。
それでも自分が大会でプロ連中を倒したいっていう思い以上に、そろそろみんなで言葉にしていこうぜって思いが強いですね。

命かけてる奴なんていないでしょ。
自分が楽して生きれる道があるんだったらみんな言わないもん。

対戦ゲームがそういう対象じゃなくなっていってるよね、新しいゲームはすぐに出るしみんなそっちに流れていくし。
このゲームにかけるぞって体勢を整えるのに時間かかるやん。
時間かけてるうちにみんな次のゲームに行ってるからね。
まぁ、それこそE-sports化の影響って話かもしれんけどね。
命と人生かけたらもうスポーツちゃうからな(笑)

今って一つのタイトルに対しての愛情みたいなものが無いですよね。

持ちようがないですよね。
攻略していく立場からするとアプデもあるし、ゲームタイトルも変わるし。
あとはアレンジコスチュームとかが実装されて、せっかく覚えた技の挙動が変わってしまうとか。
このゲームを真剣に自分に取り込んでいくぞっていうのを邪魔してくるゲーム内外の要素がスゴい増えてきてるから、自分は一生スパ2Xでいいねんって言ってるような素晴らしいオッサンみたいなのは生まれにくくなってると思うね。

それはあるでしょうね。
新作が出るのは嬉しいけど、使い捨てになっちゃってる現状は少し寂しい気もする。

ある日突然追加されたアレコスのせいで、それまで見えてた中足が見えなくなるとか平気であるからな。
俺は他人よりも中足の挙動に1F早く気付けるから、他人にはできない刺し返しが成功した!みたいな、週に一回あるかないかの楽しみを追求していくことができない。
でもそれこそがe-sports化であり近代化であり、自分らが今やってる対戦の現実なんすよね。

俺の場合はサード以外のゲームは全く興味がないからね。

月華の剣士あるやん。

見た目だけね。
今のゲームはわかんないね。
見たくもない。

ちょっとは今のゲームも見ようよ…。
◆3rd神クロダの対戦観とか◆


クロダのサードは日々進化してるとして、完成はしそうなん?

最終的には人それぞれになるんじゃない?
一つの理論を突き詰めていくのも強いかもしれないけど、人間である以上ミスもあって、そのミスに付け込むプレイヤーもいるわけじゃん。
今日いたユンみたいな散らかすスタイルもそうだし、いろんなプレイがないと成り立たないわけだからさ。

クロダの凄いところってここよね。
自分はスゴい狭い隙間に執着して甘えを許さずに潜り込もうとしているのに、他人の甘えを許せるっていうのは人間としてスゴい。
なかなかできへんよ。

実際そういうのとはやりたいとは思わないけど、攻略のしがいがあるよね。
目の前にいる人と俺が対戦したときに意外と他には無い戦いになるんだなって、最近気付いたんだよ。
そりゃ厳密に言えばフレーム単位でみんな違うわけだから同じ戦いになるわけないんだけど、その戦いの内容が俺自身も納得できるラインになってきたかなって。
だから目の前の対戦に没頭できる。
もっと強い奴がいるからそこに行かなきゃいけないとかじゃなくてね。

おっ、また一個、越えてきたんだね。

人間、歳をとると殺したいって思う人間も増えるけど、おもしろいなって気付くものも多いよ。
昔、自分がなりたかった格ゲープレイヤーにはなれてるなって思う。

じゃあこれから先は何を目指してるんですか?

別にリターンが無いから、今は今でゲームはもうわりと満足。

クロダは大会に興味ないよね。

ないない。
大会っていう縛りが嫌いなんだよ。
大会のために俺は生きてるんじゃねーよって。
相手がいて自分がいてやってれば手抜きなしの勝負じゃん?
大会が本気で、野試合は本気じゃないってのは違うじゃん。
生きている以上は有限なわけだから、金が入んなくても削ってやってるんだよね。
大会だろうが野試合だろうが「対戦」は平等。
むしろ大会じゃないほうが素晴らしいよね。
大会ってのはまともな精神状態じゃない奴と戦う可能性が高くて、ほとんど一発勝負だからスゴい楽。

井上さんの対戦観はどうですか?

真逆ですね。
大会、というか賭けた一戦を勝てるかどうか、それだけ。

要するにこの人は、相手が一番負けたくないって場所で土を付けるのが好きなんですよね。
足立区(※)にもそういう人いるけど。
(※ウメハラ氏と思われます)

ああ、奴も足立区らしい性格やな(笑)

西成と足立は治安悪いから人の嫌がることが楽しいっていう歪んだ性格が生まれやすい。
こればっかりは生まれた場所としか言いようがない。
ちなみに俺は豊島区なんで足立区民じゃありませんけど。

まぁ、そもそも俺の場合相手を信用してないからな。
お前今の技外したら妹が死ぬっていうルールでも撃てたか?!って、どうしても思う。
次の50円持ってなくてもできたんか?って。
究極、負けたら死ぬルールでやりたい、それに今のところ一番近いのが大会だから、大会に行く。

アカギみたいな人だな。

本気の一撃が欲しいんでしょ?
でも案外、気楽な一撃のほうが強いんだよ。

そうそう、強い強い!
でも命かかってても同じ気楽な技撃ってくる奴はもっと強い。

大会の命かけた一撃って読みやすいんだよね。
でもまぁ、一般的には大会で目立ちたいとかあるから、俺がおかしいだけなんだと思う。
最近、友達の女の子にゲームしてるんだって話になって。

それはセックスフレンドか何かかな?

違う違う!(笑)
ゲームしてるって恥ずかしく言えなかったんだけど、ゲームの話をしてみたら「大会とか出たほうが楽しいじゃん」って言われて、普通の人も大会出たら楽しいんじゃないかって思うんだっていうのを最近知ったね。

それ斬新やな(笑)
まぁ、俺の場合は対戦を真剣に始めた理由がまず大会やしな。
ただただウメヌキっていう憧れと嫉妬の対象をぶち壊したかった。
それが今なおある初期衝動。

なるべくしてなったという感じもしますね。

昔はひどかったですよ。
横並びの台で全国大会やるって聞いて最初にやったのは蹴りと肘入れる練習だし。
まぁ、予選は勝って決勝まで行ったもののベスト8らへんで大貫に肘入れて負けたんですけど。

ただのヤンキーじゃねーか。

当時は本当に自分の中で何をしてもいい事になってて。
もちろん自分も食らう前提でね。
NAOMI基板の電源落とす方法用意してたり、対戦相手の携帯に電話する用意させてあったり、ボタン故障しましたっていうための器具を仕込んでたり。

そのボタン故障しましたっていうための器具ってなんすか?

あ、ボタンの隙間に挟むプラスチックですね、持ってたり。

(敵に回したくないタイプの人だな…)

勝利至上主義、プロゲーマーの走りだよ。
勝つためには手段を選ばない。

おう、プロやでプロ(笑)
まぁ、当時最大の敵はもちろんウメハラだったんだけど、最悪、本当に最悪勝てそうに無かったらどうやってカタつけようかって悩んだ結果、モアから尾行して家突き止めたからな。
最悪ここやな…ってことで安心感を得ていた。

本当に?!
途中、※※※※から自転車乗らなかった?

いやぁ、走ったよね。
マジで必死だったし狂ってたからあんま覚えてないけど。

今の梅原大吾がいるのは井上さんのおかげかもしれない。

命まではとらんさ(笑)

犯罪者予備軍。

まあまあ、そんなこんなでウメハラを決勝で倒して優勝するっていう目的が達成されたのが5年後?くらいのEVOの舞台になるわけで。
ベスト8くらいでウメハラをルーザーズに落として、上がってきたところをグランドファイナルで迎え撃って倒すっていう最高の展開で。
ここで自分はもう卒業というか終わるのかなと思ってたんですけど、全然でしたね。
もう俺が対戦してきて背中に背負ってきたものがウメハラの重みを超えていた。
B5判 フルカラー60ページ
価格 1,000円
※吉原基貴先生、表紙描き下ろし!!
収録内容
「ゲームと人」 Vol.01 ヴァンパイアセイヴァー さかもと氏
「ゲームと人」 Vol.02 AC北斗の拳 K.I氏
「ゲームと人」 Vol.03 餓狼MOW わた氏
「ゲームと人」 Vol.04 BLAZBLUE かきゅん氏
「ゲームと人」 Vol.05 ぷよぷよ通 ALF氏
「ゲームと人」 Vol.06 実況者 アール氏
「ゲームと人」 Vol.07 バーチャ/STG ホームステイアキラ氏
「ゲームと人」 Vol.08 KOF/電撃FC 大御所氏
「ゲームと人」 Vol.09 スト3サードストライク 力丸氏
「ゲームと人」 Vol.10 恋姫演武 伝説のオタク
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今回のweb限定記事は、関西のダークヒーロー井上さんと関東の鬼才クロダさんがゲーセン前で繰り広げる井戸端会議にお邪魔して色々とお話を聞いてきました。
どこかファミレスにでも入って話すのかと思いきや、終始ゲーセン前での取材となり、閉店後もゲーセン前でたむろする様子を見て「あぁ、この人たちは本当にキチガ…いや、ゲーセンが好きで純粋に対戦を楽しんでいる純度100%の戦闘民族なんだな」と思ったものです。
僕もよく大宮のゲーセンで閉店まで仲間と遊んで、シャッターが降りたゲーセンの前で朝までゲームの話をしていたもんです、うんうん。
ゲーマーあるあるですね。
ってなわけで、早速レッツラゴー!!!!
井上(写真右)
EVO2003 カプエス2部門優勝、闘劇'08 ストIII3rd部門優勝などカプコン作品を中心に古くより活躍する強豪プレイヤー。
ロジック井上と揶揄される事もある理論派プレイヤーという一面もありながら、大会での本能剥き出しのプレイが特徴的で、なおかつ大舞台に強いと定評がある。
近年はそのプレイスタイルのみならず、言動の方も牙剥き出しの過激さに定評がある模様。
今回、第14回クーペレーションカップに出場するため上京中のところをキャッチ。
クロダ(写真左)
ストリートファイターIII 3rd strikeにてその名を轟かす「3rd神」
異次元の反応速度、入力精度、読み、更には非常に固い防御能力が特徴のプレイヤーである。
闘劇08、10、12と3度の優勝、そして2度のベスト4という3rd神の名に相応しい輝かしい実績を残しており、使用キャラもQ、豪鬼、ケン、オロとその年によって様々で、幅広いキャラのやり込みと人間性能の高さを知らしめている。
◆E-sportsってどうなん??◆
ではでは、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
最近の格闘ゲームを取り巻く環境や、時代の変化について何か感じることはありますか?
船水さんとか、あきまんさんがいないと終わってんのかなーって感じはするね。
俺なんかはゲームの内容はどうでも良くって、見た目だけ良ければありなんだよ。
あ、確かにクロダは見た目大事にするよね。
特にストVとかはアメリカで売れたらいいだろ的な感じの絵だしな。
力入れてないでしょ。
俺はディズニーが最強だと思ってるから、あれに近いグラフィックを提供してもらいたい。
いきなりよくわからないこと言い出した。
最近のE-sportsとかには興味がわかないよね。
まぁ、興味がないって言っちゃったら話が終わっちゃうからあんまり言えないけど。
俺はとにかく、格下げというか、大事にしてる物をぶち壊されてる感覚なのかな。
E−sportsってことは要は利益を見込んだ興行って事やんね。
ゲームの価値じゃないけどアツさって、プレイヤーも興行主も含めてみんなが、社会的には何も生まない何の役にも立たない物に本気出しちゃってる所に集約されてると思ってるから、そこに意味っていうか金?を後付けしていこうっていうのは、むしろ俺からしたら退化だよね。
お、なかなか興味深い。
いやほら例えば魂のキャラとかあるやんか、負けるけど本田使いますみたいな(笑)
そういうのに付随する価値って何かって話ですよね。
極端な話賞金目的で大会に出る前提やとしたらそんな馬鹿げた本田は一生出てこないわけで、極端な話ね。
大会にしても、小規模でも主催の心のこもった大会はあるわけやけど、じゃあそれと賞金1000万の大会の日程が被ったらどっち行くかって話で。
今まで俺らはアツさとか心意気に惹かれてやってた行動が多々あるわけやけど、金とかいろんな目的が設定されてしまうと、やっぱみんなブレるだろうし、その中でシーン全体からアツさが失われていくんじゃないかなって気はするよね。
良くも悪くもこれが今の時代なんだなって思う。
物事を突き詰めないんだよね。
昔の日本人は頑張りすぎたから、今の日本人は頑張らないんだよ。
そもそも頑張る前にやりこむべきタイトル変わったりするからな(笑)
「べき」っていうのがもうおかしいけどな、ゲームは義務かよ(笑)
たしかに最近は一つのタイトルを長くやりこむというよりは、新作やらバージョンアップやらで忙しいイメージがあります。
世間じゃ1,500万円だ、E-sportsだって囃し立ててるけど、俺なんかは何をやってるのか全く知らない。
後から人に聞いてそうなんだって知るくらい。
お前ほんまに知らんもんな(笑)
昔に比べてゲームをする目的も多様化してるなって印象はありますね。
おかしな話ですよね。
そのゲームで遊びたいから遊ぶ、それ以外に目的があるっていうのがもう(笑)
◆ロジック井上の咆哮◆
井上さんといえば「ロジック井上」なんて言われたりすることもありますが、その内に秘めた凶暴さとは相反する感じがしておもしろいです。
いやあれは仕事ですよ(笑)
金を得るための手段という意味ではなくて、役割というか。
俺の本来の対戦のスタイルって今こいつに何が当たるかだけを常に考えて当たる技を出すそれだけなんですよ、ロジックもクソもない。
でも対戦が好きすぎて、対戦ゲームのゲームとしての環境というか対戦レベルっていうんかな?それがあまりにも低迷しているなって昔から思っていて。
その低迷の理由が誰も対戦の仕組みを言葉にして説明しない、そこにもあると思うんですよね。
昔ならカメラ屋様とか居たのにね。
足立区のプロ(※)はだんまりだからな。
(※ウメハラ氏と思われます)
おう。
募金する前に攻略出せよって思うわ(笑)
まあ、そのためにわざわざキャラ付けじゃないですけど、自分はめんどくさくてもキャラじゃなくてもひとつひとつの攻略を言葉にしてWEBに残そうと。
ほんまにそういうプレイヤーじゃないんですけどね。
あと、そもそも怒ってるんですよね。
昔あったカメラ屋さんの「感謝で昇龍拳」がみたいな、大足の打ち方1つにしても技として捉えて、一つ一つ名前をつけて定義をつけていくっていう作業をこの時代に誰もやってないってことに怒ってる。
なるほど。
俺結構ちょくちょくゲーム静かにやめるんですけど、7年前にやめた時ってスト4の通信対戦ができて、誰でもウメハラの対戦がリアルタイムで家から見れたり、sakoさんのプレイをキーディスプレイ付きで見れる時代が到来したあたりなんですよ。
あぁ、これでイケると思って。
この中足は?みたいなくだらない話を俺がしなくても、絶対多数の目による解析の結果ウメハラの波動の謎が解明される時代、そういうムーブメントが来るんやろうなと思ってやめた部分が多々あるんですよ。
それが7年経ってふと見てみたら何も変わってない、むしろ退化してる。
一つ一つの技を解析していこうっていう流れがどこにも無い、激おこ。
あんまり自分の手の内を明かす人っていないね。
もともとそういう人たちの集まりだから、人に教えたがらないよね。
むしろ本人もよくわかってないケースのほうが多いのかもね。
こいつにはこんな感じで当たる、程度であって、誰にでも教えられる形の翻訳ができないというか。
自分の打ってる技が当たってる理由とか、打ち方にどういう種類があってとか、そういうことを言葉にできるところまで作れてる人も少ないのかなって。
それをしたいっていうのは今尚あります。
井上さんがたまにツイッターでそういった類の分析しているの読んでますよ。
ストVにしても投げ抜けのフレームがいくつで、これとこれが択になって、みたいなことを気付き次第ツイッターに書いてるけど、自分がストVで勝つためにはあんなこと一切するべきではなくて、もっと隠しなよって身内には言われるんですよ。
それでも自分が大会でプロ連中を倒したいっていう思い以上に、そろそろみんなで言葉にしていこうぜって思いが強いですね。
命かけてる奴なんていないでしょ。
自分が楽して生きれる道があるんだったらみんな言わないもん。
対戦ゲームがそういう対象じゃなくなっていってるよね、新しいゲームはすぐに出るしみんなそっちに流れていくし。
このゲームにかけるぞって体勢を整えるのに時間かかるやん。
時間かけてるうちにみんな次のゲームに行ってるからね。
まぁ、それこそE-sports化の影響って話かもしれんけどね。
命と人生かけたらもうスポーツちゃうからな(笑)
今って一つのタイトルに対しての愛情みたいなものが無いですよね。
持ちようがないですよね。
攻略していく立場からするとアプデもあるし、ゲームタイトルも変わるし。
あとはアレンジコスチュームとかが実装されて、せっかく覚えた技の挙動が変わってしまうとか。
このゲームを真剣に自分に取り込んでいくぞっていうのを邪魔してくるゲーム内外の要素がスゴい増えてきてるから、自分は一生スパ2Xでいいねんって言ってるような素晴らしいオッサンみたいなのは生まれにくくなってると思うね。
それはあるでしょうね。
新作が出るのは嬉しいけど、使い捨てになっちゃってる現状は少し寂しい気もする。
ある日突然追加されたアレコスのせいで、それまで見えてた中足が見えなくなるとか平気であるからな。
俺は他人よりも中足の挙動に1F早く気付けるから、他人にはできない刺し返しが成功した!みたいな、週に一回あるかないかの楽しみを追求していくことができない。
でもそれこそがe-sports化であり近代化であり、自分らが今やってる対戦の現実なんすよね。
俺の場合はサード以外のゲームは全く興味がないからね。
月華の剣士あるやん。
見た目だけね。
今のゲームはわかんないね。
見たくもない。
ちょっとは今のゲームも見ようよ…。
◆3rd神クロダの対戦観とか◆
クロダのサードは日々進化してるとして、完成はしそうなん?
最終的には人それぞれになるんじゃない?
一つの理論を突き詰めていくのも強いかもしれないけど、人間である以上ミスもあって、そのミスに付け込むプレイヤーもいるわけじゃん。
今日いたユンみたいな散らかすスタイルもそうだし、いろんなプレイがないと成り立たないわけだからさ。
クロダの凄いところってここよね。
自分はスゴい狭い隙間に執着して甘えを許さずに潜り込もうとしているのに、他人の甘えを許せるっていうのは人間としてスゴい。
なかなかできへんよ。
実際そういうのとはやりたいとは思わないけど、攻略のしがいがあるよね。
目の前にいる人と俺が対戦したときに意外と他には無い戦いになるんだなって、最近気付いたんだよ。
そりゃ厳密に言えばフレーム単位でみんな違うわけだから同じ戦いになるわけないんだけど、その戦いの内容が俺自身も納得できるラインになってきたかなって。
だから目の前の対戦に没頭できる。
もっと強い奴がいるからそこに行かなきゃいけないとかじゃなくてね。
おっ、また一個、越えてきたんだね。
人間、歳をとると殺したいって思う人間も増えるけど、おもしろいなって気付くものも多いよ。
昔、自分がなりたかった格ゲープレイヤーにはなれてるなって思う。
じゃあこれから先は何を目指してるんですか?
別にリターンが無いから、今は今でゲームはもうわりと満足。
クロダは大会に興味ないよね。
ないない。
大会っていう縛りが嫌いなんだよ。
大会のために俺は生きてるんじゃねーよって。
相手がいて自分がいてやってれば手抜きなしの勝負じゃん?
大会が本気で、野試合は本気じゃないってのは違うじゃん。
生きている以上は有限なわけだから、金が入んなくても削ってやってるんだよね。
大会だろうが野試合だろうが「対戦」は平等。
むしろ大会じゃないほうが素晴らしいよね。
大会ってのはまともな精神状態じゃない奴と戦う可能性が高くて、ほとんど一発勝負だからスゴい楽。
井上さんの対戦観はどうですか?
真逆ですね。
大会、というか賭けた一戦を勝てるかどうか、それだけ。
要するにこの人は、相手が一番負けたくないって場所で土を付けるのが好きなんですよね。
足立区(※)にもそういう人いるけど。
(※ウメハラ氏と思われます)
ああ、奴も足立区らしい性格やな(笑)
西成と足立は治安悪いから人の嫌がることが楽しいっていう歪んだ性格が生まれやすい。
こればっかりは生まれた場所としか言いようがない。
ちなみに俺は豊島区なんで足立区民じゃありませんけど。
まぁ、そもそも俺の場合相手を信用してないからな。
お前今の技外したら妹が死ぬっていうルールでも撃てたか?!って、どうしても思う。
次の50円持ってなくてもできたんか?って。
究極、負けたら死ぬルールでやりたい、それに今のところ一番近いのが大会だから、大会に行く。
アカギみたいな人だな。
本気の一撃が欲しいんでしょ?
でも案外、気楽な一撃のほうが強いんだよ。
そうそう、強い強い!
でも命かかってても同じ気楽な技撃ってくる奴はもっと強い。
大会の命かけた一撃って読みやすいんだよね。
でもまぁ、一般的には大会で目立ちたいとかあるから、俺がおかしいだけなんだと思う。
最近、友達の女の子にゲームしてるんだって話になって。
それはセックスフレンドか何かかな?
違う違う!(笑)
ゲームしてるって恥ずかしく言えなかったんだけど、ゲームの話をしてみたら「大会とか出たほうが楽しいじゃん」って言われて、普通の人も大会出たら楽しいんじゃないかって思うんだっていうのを最近知ったね。
それ斬新やな(笑)
まぁ、俺の場合は対戦を真剣に始めた理由がまず大会やしな。
ただただウメヌキっていう憧れと嫉妬の対象をぶち壊したかった。
それが今なおある初期衝動。
なるべくしてなったという感じもしますね。
昔はひどかったですよ。
横並びの台で全国大会やるって聞いて最初にやったのは蹴りと肘入れる練習だし。
まぁ、予選は勝って決勝まで行ったもののベスト8らへんで大貫に肘入れて負けたんですけど。
ただのヤンキーじゃねーか。
当時は本当に自分の中で何をしてもいい事になってて。
もちろん自分も食らう前提でね。
NAOMI基板の電源落とす方法用意してたり、対戦相手の携帯に電話する用意させてあったり、ボタン故障しましたっていうための器具を仕込んでたり。
そのボタン故障しましたっていうための器具ってなんすか?
あ、ボタンの隙間に挟むプラスチックですね、持ってたり。
(敵に回したくないタイプの人だな…)
勝利至上主義、プロゲーマーの走りだよ。
勝つためには手段を選ばない。
おう、プロやでプロ(笑)
まぁ、当時最大の敵はもちろんウメハラだったんだけど、最悪、本当に最悪勝てそうに無かったらどうやってカタつけようかって悩んだ結果、モアから尾行して家突き止めたからな。
最悪ここやな…ってことで安心感を得ていた。
本当に?!
途中、※※※※から自転車乗らなかった?
いやぁ、走ったよね。
マジで必死だったし狂ってたからあんま覚えてないけど。
今の梅原大吾がいるのは井上さんのおかげかもしれない。
命まではとらんさ(笑)
犯罪者予備軍。
まあまあ、そんなこんなでウメハラを決勝で倒して優勝するっていう目的が達成されたのが5年後?くらいのEVOの舞台になるわけで。
ベスト8くらいでウメハラをルーザーズに落として、上がってきたところをグランドファイナルで迎え撃って倒すっていう最高の展開で。
ここで自分はもう卒業というか終わるのかなと思ってたんですけど、全然でしたね。
もう俺が対戦してきて背中に背負ってきたものがウメハラの重みを超えていた。
ー後篇へ続く
B5判 フルカラー60ページ
価格 1,000円
※吉原基貴先生、表紙描き下ろし!!
収録内容
「ゲームと人」 Vol.01 ヴァンパイアセイヴァー さかもと氏
「ゲームと人」 Vol.02 AC北斗の拳 K.I氏
「ゲームと人」 Vol.03 餓狼MOW わた氏
「ゲームと人」 Vol.04 BLAZBLUE かきゅん氏
「ゲームと人」 Vol.05 ぷよぷよ通 ALF氏
「ゲームと人」 Vol.06 実況者 アール氏
「ゲームと人」 Vol.07 バーチャ/STG ホームステイアキラ氏
「ゲームと人」 Vol.08 KOF/電撃FC 大御所氏
「ゲームと人」 Vol.09 スト3サードストライク 力丸氏
「ゲームと人」 Vol.10 恋姫演武 伝説のオタク
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