2016年1月29日07時38分
甘利明・経済再生相をめぐる現金授受問題で、甘利氏は自身が建設業者から100万円を受け取ったことを認めた。秘書が300万円を私的に使っていたことも分かり、この点について政治資金規正法などに抵触する恐れがある。口利きや飲食接待の実態は不明のままで、甘利氏が依頼した弁護士らが調査している。
甘利氏は会見で、13年11月14日に大臣室で50万円を受け取り、14年2月1日に神奈川県大和市の地元事務所で50万円を渡されたことを認めた。
甘利氏によると、大臣室では、菓子折りの入った紙袋を渡され、後に秘書からのし袋が入っていたと報告された。政治資金としてきちんと処理するように指示したという。
事務所で受け取った現金については、建設会社の総務担当者が帰り際、菓子折りの入った紙袋と封筒を差し出したという。「大臣室訪問のお礼と政治活動への応援の趣旨と思って受け取り、秘書に適正な処理を指示した」と話した。
甘利氏が代表の自民党支部の14年分の政治資金収支報告書には、実際とは異なり、建設会社から14年2月4日付で100万円を一度に寄付されたと記載されている。同日付で100万円の領収書をつくり、建設会社に送ったという。
この期日の「ずれ」について、秘書らは弁護士に対し、甘利氏が舌がんの手術を受けて治療をしていた時期で「余裕がなかったからではないかと思う」と説明したという。
甘利氏の説明通りであれば、政治資金の処理としては法令違反とまでは問われないとの見方が多い。甘利氏は会見で、このずれについて、実態に合うよう収支報告書を訂正する意向を示した。
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