厚生労働省は28日、すべての死亡事例を院内の医療安全管理部門に報告するよう義務付けることなどを柱とする、高度な医療を提供する特定機能病院の新たな承認要件をまとめた。第三者が過半数を占める監査委員会の設置も求めた。
東京女子医大病院や群馬大病院で深刻な医療事故が相次いだことを受けた措置で、厚労省は4月にも省令や通知を改正。現在大学病院など84ある特定機能病院に対し、2年後までに新要件を順守していくよう求める。
国は年1回の定期検査などで守られているかをチェックし、不備がある場合、承認を取り消す可能性もある。今後、新たに承認を申請する病院は新要件を満たすことが必要になる。
新要件では、(1)患者の全死亡事例を安全管理部門に報告し、必要に応じて検証して病院長に伝える(2)同管理部門に原則として就業時間の8割以上を安全業務に従事する専従の医師と薬剤師、看護師を配置する――ことなどを義務化する。
医療安全の専門家や法律家ら利害関係のない第三者が過半数を占める監査委員会を設けることや、難易度の高い新たな医療技術を導入する際に適否を確認する部門を設けることも求めた。
特定機能病院は医療法に基づき、集中治療室(ICU)を整備するなど高度医療を提供する能力があるとして厚労相の承認を受けた病院。診療報酬が加算される優遇措置がある。
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