中国インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が、米フェイスブックの「ワッツアップ」に対抗する対話アプリでアフリカ市場への攻勢を強めている。
テンセントはアフリカ最大のメディア企業ナスパーズと組み、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」をアフリカ全域に広めようとしている。ウィーチャットは中国国内の月間アクティブユーザー数が6億5000万人を超えるが、南アフリカでの登録者数は推計約600万人。これに対しワッツアップは約1400万人が利用している。
テンセントとナスパーズは、若者への急速なスマートフォンの普及に賭けている。アフリカでも携帯電話で買い物や銀行取引、仕事探し、ラジオ聴取、タクシーの配車、宅配注文などをする若者がますます増えている。
■テンセント株で南ア最大企業に
ナスパーズはテンセントの株式34%を保有しており、南ア・中国間の企業提携によるアフリカ全土への事業展開として最も注目される事例の一つになっている。テンセントに対する3400万ドルの初期投資は劇的な見返りを生み、ナスパーズは時価総額で南ア最大の企業に、会長のクース・ベッカー氏は資産10億ドル超の大富豪になるまでに至った。
ウィーチャット・アフリカを率いるブレット・ローブサー氏は、一般的なアフリカ人は携帯機器でインターネットを初体験すると語る。
「デスクトップとかパソコンとかラップトップとか、とにかく彼らは全く触れずにきている。そのためにアフリカでは、地球上のどこよりも早くモバイルの視点から技術革新が生まれているように思う」と、ローブサー氏は話す。
By Andrew England
(2016年1月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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