大臣室での現金授受疑惑が報じられた甘利経済再生相が、辞任した。 甘利…
フィリピン最大の都市マニラ。ここで日米による1カ月間もの市街戦があり、…[続きを読む]
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大臣室での現金授受疑惑が報じられた甘利経済再生相が、辞任した。
甘利氏はきのうの記者会見で、大臣室と地元事務所で50万円ずつ2回、計100万円を受け取ったことは認めたが、政治資金として適切に処理したと説明した。
一方で、地元秘書が寄付として受け取った500万円のうち、300万円を個人で使い込んでいたことを明らかにし、「国会議員としての監督責任や閣僚としての責務」などに鑑み、辞任を決意したという。
安倍首相が続投させる考えを繰り返す中での突然の、そして釈然としない辞任劇である。
疑惑の発端は、千葉県の建設会社の総務担当者が、独立行政法人都市再生機構(UR)との補償交渉にからむ「口利き」を甘利事務所に依頼、見返りとして現金や接待で1200万円を渡したとする証言を、週刊文春が掲載したことである。
甘利氏や秘書に「口利き」の意図がなかったのかどうか、実際にURにどんな働きかけをしたのかなど、きのうの甘利氏の説明では、多くの部分がなお未解明のままだ。
告発者の言い分との食い違いは、なお大きい。甘利氏にはさらに調査を進め、結果を速やかに公表する責任がある。
国会の役割も大きい。
甘利氏側と告発者の双方を招致して、それぞれの言い分を精査すべきだ。URや、URを所管する国土交通省とのかかわりも調べる必要がある。
疑惑のさなかに、自民党の中から気になる声が聞こえた。
党幹部から「わなを仕掛けられた感がある」といった発言が続いたのだ。現金を受け取った甘利氏の側が、あたかも被害者であるかの言い分である。
趣旨のはっきりしない多額のカネが、いとも簡単に政治家に提供される。そして、政治家の側はよく知らない相手からでも当然のように受け取る――。
党幹部の発言は、一部の政治家の間では、こうした現金のやりとりが日常的に行われている実態をうかがわせたとも言えるのではないか。
甘利氏には、難航を重ねた環太平洋経済連携協定(TPP)を、粘り強い交渉で合意に導いた功績があるのは間違いない。安倍内閣にとっても、大きな痛手であろう。
だからといって、閣僚を辞することで疑惑に幕を引くことは許されない。真相解明とともに、「政治とカネ」の問題にどう襟を正していくか、国会にも安倍首相にも問われている。
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