ニュース詳細
高浜原発3号機 きょう検査経て再稼働へ1月29日 4時31分
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福井県にある高浜原子力発電所3号機について、関西電力は、29日の検査で問題がなければ、午後5時ごろから原子炉を起動し、再稼働させることにしています。
高浜原発3号機では、29日午前から核分裂反応を抑える制御棒の検査が行われ、問題がなければ、関西電力は午後5時ごろから、制御棒を順次引き抜いて原子炉を起動し、再稼働させることにしています。
そして、およそ13時間後の30日午前6時ごろ、核分裂反応が連続する「臨界」の状態になり、来月1日には発電と送電を始め、来月下旬に営業運転に入る計画です。
新しい規制基準の下で再稼働するのは、去年2基が再稼働した鹿児島県にある川内原発に次いで2か所目で、合わせて3基になります。
また、高浜原発3号機では、使用済み核燃料を再処理して取り出した、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使うプルサーマルが行われる予定で、国内でプルサーマルが行われるのはおよそ3年11か月ぶりになります。
高浜原発を巡っては、去年4月、福井地方裁判所が3号機と4号機の再稼働を認めない仮処分を決定し、その後、関西電力の異議申し立てを受けた審理を経て、決定を取り消すという経緯をたどりました。
関西電力は、4号機についても、今月31日に原子炉に燃料を入れ、来月下旬にも再稼働させるとしています。
そして、およそ13時間後の30日午前6時ごろ、核分裂反応が連続する「臨界」の状態になり、来月1日には発電と送電を始め、来月下旬に営業運転に入る計画です。
新しい規制基準の下で再稼働するのは、去年2基が再稼働した鹿児島県にある川内原発に次いで2か所目で、合わせて3基になります。
また、高浜原発3号機では、使用済み核燃料を再処理して取り出した、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使うプルサーマルが行われる予定で、国内でプルサーマルが行われるのはおよそ3年11か月ぶりになります。
高浜原発を巡っては、去年4月、福井地方裁判所が3号機と4号機の再稼働を認めない仮処分を決定し、その後、関西電力の異議申し立てを受けた審理を経て、決定を取り消すという経緯をたどりました。
関西電力は、4号機についても、今月31日に原子炉に燃料を入れ、来月下旬にも再稼働させるとしています。
来月下旬に営業運転の計画
関西電力は、午後5時ごろから原子炉の核燃料の間に入っている32本の制御棒を順次引き抜いて、原子炉を起動させることにしています。
関西電力によりますと、その後、およそ13時間後の30日午前6時ごろ、核分裂反応が連続して起こる「臨界」の状態になりますが、このあとも引き抜いた制御棒の一部を核燃料の間に挿入するなどして、核分裂反応を十分に制御できるか確認するということです。
そして、来月1日には原子炉の出力を5%まで高めたうえで、タービンに蒸気を送り、発電と送電を始めるとしています。
その後は段階的に原子炉の出力を上げ、来月4日には出力100%のフル稼働とし、設備の機能を全体的に確認する検査を経て、来月下旬に営業運転に入る計画です。
関西電力によりますと、その後、およそ13時間後の30日午前6時ごろ、核分裂反応が連続して起こる「臨界」の状態になりますが、このあとも引き抜いた制御棒の一部を核燃料の間に挿入するなどして、核分裂反応を十分に制御できるか確認するということです。
そして、来月1日には原子炉の出力を5%まで高めたうえで、タービンに蒸気を送り、発電と送電を始めるとしています。
その後は段階的に原子炉の出力を上げ、来月4日には出力100%のフル稼働とし、設備の機能を全体的に確認する検査を経て、来月下旬に営業運転に入る計画です。
地震・津波や複数同時事故への対策は
高浜原発3号機は、4号機とともに去年2月、新しい規制基準の審査に合格しました。
3年前から始まった高浜原発3号機と4号機の審査では、原発で想定される最大規模の地震の揺れや津波の高さが大きな焦点となりました。
このうち、地震の揺れの想定を、関西電力は当初、550ガルで申請しましたが、規制委員会から想定が甘いと指摘され、若狭湾や東側の陸域にある3つの活断層が連動した場合を考慮して、700ガルに引き上げました。これに伴って関西電力は合わせて800か所で耐震補強工事を行い、安全性を向上させたとしています。
また、最大規模の津波の高さについても、当初は2メートル60センチで申請しましたが、審査を経て6メートル20センチまで引き上げ、それに伴い、海抜6メートルとしていた津波対策の防潮堤を8メートルに引き上げるなど対策を見直しました。
1号機から4号機まである高浜原発では、複数同時に事故が起きた際の対応も焦点になっています。
高浜原発3号機と4号機は、新たな規制基準に適合したことを示す「審査書」で、緊急時の活動拠点となる「緊急時対策所」を1号機と2号機に近い建物に設置するとしていることから、1号機と2号機の原子炉に核燃料が入っていないことが審査合格の前提条件になっています。
ただ、関西電力は、1号機と2号機について、原則40年に制限された運転期間の延長を目指して審査を申請していることから、別の新しい緊急時対策所を2号機からおよそ150メートル離れた場所に建設することにしています。新しい対策所は1号機と2号機の原子炉に燃料を入れる前に完成している必要がありますが、まだ完成時期は示されていません。
1号機から4号機が同時に事故を起こした際の対応については、号機ごとに対応者や資機材を確保したうえで、車両や資機材の移動ルートや原子炉を冷やすための海水を取り込む場所などが「取り合い」にならないよう、多重化する対策をとるとしています。作業は休日や夜間を問わず170人で対応するとしていて、指示が混乱しないよう、それぞれの原子炉の責任者どうしを調整する担当者も配置するとしています。
しかし、1号機から4号機で同時に事故が起きたことを想定した訓練は、まだ1度しか実施していません。事故対応を巡っては、危機的な状況で指示を出したり、情報を共有したりする対応力が求められます。
福島第一原発のように想定外の事態が複数の号機で起きた場合、大きな混乱が予想され、対応力をより高められるかが課題になります。
3年前から始まった高浜原発3号機と4号機の審査では、原発で想定される最大規模の地震の揺れや津波の高さが大きな焦点となりました。
このうち、地震の揺れの想定を、関西電力は当初、550ガルで申請しましたが、規制委員会から想定が甘いと指摘され、若狭湾や東側の陸域にある3つの活断層が連動した場合を考慮して、700ガルに引き上げました。これに伴って関西電力は合わせて800か所で耐震補強工事を行い、安全性を向上させたとしています。
また、最大規模の津波の高さについても、当初は2メートル60センチで申請しましたが、審査を経て6メートル20センチまで引き上げ、それに伴い、海抜6メートルとしていた津波対策の防潮堤を8メートルに引き上げるなど対策を見直しました。
1号機から4号機まである高浜原発では、複数同時に事故が起きた際の対応も焦点になっています。
高浜原発3号機と4号機は、新たな規制基準に適合したことを示す「審査書」で、緊急時の活動拠点となる「緊急時対策所」を1号機と2号機に近い建物に設置するとしていることから、1号機と2号機の原子炉に核燃料が入っていないことが審査合格の前提条件になっています。
ただ、関西電力は、1号機と2号機について、原則40年に制限された運転期間の延長を目指して審査を申請していることから、別の新しい緊急時対策所を2号機からおよそ150メートル離れた場所に建設することにしています。新しい対策所は1号機と2号機の原子炉に燃料を入れる前に完成している必要がありますが、まだ完成時期は示されていません。
1号機から4号機が同時に事故を起こした際の対応については、号機ごとに対応者や資機材を確保したうえで、車両や資機材の移動ルートや原子炉を冷やすための海水を取り込む場所などが「取り合い」にならないよう、多重化する対策をとるとしています。作業は休日や夜間を問わず170人で対応するとしていて、指示が混乱しないよう、それぞれの原子炉の責任者どうしを調整する担当者も配置するとしています。
しかし、1号機から4号機で同時に事故が起きたことを想定した訓練は、まだ1度しか実施していません。事故対応を巡っては、危機的な状況で指示を出したり、情報を共有したりする対応力が求められます。
福島第一原発のように想定外の事態が複数の号機で起きた場合、大きな混乱が予想され、対応力をより高められるかが課題になります。
関西電力 電力需給改善と経営安定見込む
高浜原子力発電所3号機の再稼働で、関西電力は、管内の電力需給が大きく改善するとしています。
関西電力は、原子力発電の依存度が40%以上と、ほかの電力会社に比べて高く、原発の運転停止の影響を大きく受けています。この冬の電力需給は、火力発電をフル稼働させたうえで、ほかの電力会社からの融通や市場からの調達によって、安定供給に最低限必要とされる3%の余力が確保できる状況だとしています。
高浜原発3号機の出力はピーク時の使用電力の3%程度に当たる87万キロワットに上り、関西電力は、3号機がフル稼働することで電力の需給状況が大きく改善するとしています。
また、関西電力単体の決算は、原発の停止以降、火力発電の燃料費が負担となり、昨年度まで4年連続で最終赤字になっています。
関西電力は、原発の停止で経営が悪化したとして、3年前に家庭向けなどの電気料金を平均で9.75%値上げしました。しかし、それでも黒字に転換することができず、平成23年度以降の4年間の赤字は総額で8000億円を超えました。
このため去年6月、再び家庭向けなどの電気料金を平均で8.36%値上げしました。その結果、去年4月から9月までの中間決算では最終的な損益が1000億円を超える黒字となりましたが、会社は経営の安定のため、原発の再稼働が欠かせないとしています。
関西電力は、高浜原発3号機に続いて4号機も再稼働すれば、1か月当たり120億円の収支の改善が見込まれ、経営の安定につながるとしています。
関西電力は、原子力発電の依存度が40%以上と、ほかの電力会社に比べて高く、原発の運転停止の影響を大きく受けています。この冬の電力需給は、火力発電をフル稼働させたうえで、ほかの電力会社からの融通や市場からの調達によって、安定供給に最低限必要とされる3%の余力が確保できる状況だとしています。
高浜原発3号機の出力はピーク時の使用電力の3%程度に当たる87万キロワットに上り、関西電力は、3号機がフル稼働することで電力の需給状況が大きく改善するとしています。
また、関西電力単体の決算は、原発の停止以降、火力発電の燃料費が負担となり、昨年度まで4年連続で最終赤字になっています。
関西電力は、原発の停止で経営が悪化したとして、3年前に家庭向けなどの電気料金を平均で9.75%値上げしました。しかし、それでも黒字に転換することができず、平成23年度以降の4年間の赤字は総額で8000億円を超えました。
このため去年6月、再び家庭向けなどの電気料金を平均で8.36%値上げしました。その結果、去年4月から9月までの中間決算では最終的な損益が1000億円を超える黒字となりましたが、会社は経営の安定のため、原発の再稼働が欠かせないとしています。
関西電力は、高浜原発3号機に続いて4号機も再稼働すれば、1か月当たり120億円の収支の改善が見込まれ、経営の安定につながるとしています。