寺田倉庫の音楽スタジオ付き楽器保管庫「Studio GVIDO」
- 特集
- 2016/01/28
楽器保管庫/Studio GVIDO
国内有数の倉庫会社として知られる寺田倉庫。保管物の厳密な取り扱いはもちろんのこと、空間を巧みに生かす斬新なアイディアやデザイン性にもこだわった保管サービスを商品とし、幅広い分野の嗜好家、収集家を顧客に持つ企業である。そんな同社が昨年より音楽スタジオ付き楽器保管庫“Studio GVIDO(スタジオ・グイド)”をオープン。単なる物置としてではなく、楽器や音楽の魅力をより一層味わうことのできる保管場所として、音楽業界で早くも注目を集めている。ここでは同スタジオ、及び保管庫への取材を敢行。その概要を紹介していきたい。
寺田倉庫は東京都品川区の天王洲アイルに拠点を置く1950年創業の倉庫会社。絵画や映像作品のマスター・テープ、長期熟成のビンテージ・ワインなど、稀少価値の高いものや所有者の想いが詰まった品など、替えのきかない「一点物」の保管を多く請け負ってきた歴史があり、国内市場で唯一無二の地位を確立している。保管物にとって理想的な環境を完備しながら、加えてその空間を使う楽しみ、喜びなどの付加価値も提供するベンチャー精神溢れるサービス展開も特徴的で、ここに紹介する音楽スタジオ付き楽器保管庫「Studio GVIDO(スタジオ・グイド)」にもそんな同社が培ってきたノウハウが存分に詰め込まれている。以下ではまず、寺田倉庫が展開する各種保管サービスを紹介していこう。
寺田倉庫が昨年から開始した楽器保管庫は有名楽器店からの助言を得ながら施工された。楽器にとってベストな環境はもちろん、リペア・ルームまで設置されている。
保管庫はS(2坪/月額80,000円)、M(3坪/月額120,000円)、L(4坪/月額160,000円)の3サイズがあり、預けたい楽器の種類や量によって自由に選ぶことができる。室内のフリー・ボードにはビス打ち、釘打ち、それにギター・ハンガーなどの取り付けも許可されており、ユーザーは自分の用途や好みに合わせて楽器をディスプレイしていくことが可能。また、希望者にはコーディネーターによるレイアウトの提案もオプションされているとのことだ。
保管サービスのスペースには保管庫の他に、リペア・ルームが設置されているのも特筆すべき点。リペア工具も常備されているので、ちょっとした調整がすぐに行なえる。リペアマンを招いて作業してもらうことも可能で、寺田倉庫からリペアマンの紹介も行なってくれるという。
五線譜の礎を考案した「Guido d'Arezzo(グイード・ダレッツォ)」の名を冠したこのスタジオは、62.8㎡の広々としたスペースにスタインウェイのピアノを始めとする楽器群が置かれ、ミキシング・コンソールやキッチンも併設される充実した設備が魅力だ。
スタジオ全景。左からピアノ(Steinway B-211)、チェンバロなどの鍵盤楽器、中央奥のアンプはマーシャルのJCM2000、 Vintage Modern、アンペグのSVT-3proなどが置かれている。ドラムはパールのMasters Premium MRP(10"HT+12"LT+14"FT+20"BD)だ。この他にキーボードやマイクも常備されている。
設備の中には移動式バー・カウンターも用意されており、パーティーなどを主催することも可能とのこと。その際は同スタジオと提携しているミュージシャンを招いた生演奏提供もオプションに含まれている。
友人を招いてラグジュアリーなスタジオで優雅に音楽を楽しんだり、バンドのリハーサルやデモ作りで活用したり、さまざまな使い道が考えられるこのサービス。保管庫の数には限りがあるので、興味のある人は早めに寺田倉庫へ問い合わせをしてほしい。