テクノロジー界隈における「ユニコーン」という言葉の意味をご存知でしょうか?元々の意味は一角獣という伝説の動物のことを指しますが、その「誰もが一度は聞くけど、その姿を見た者はいない」動物の例えで、10億ドル(約1200億円)以上の評価額を得ている未上場企業のことをいいます。
少し前までは「その姿を見た者はいない」伝説のユニコーンと同じく、その数は微々たるものでした。エバーノート、ドロップボックス、ピンタレストなど日本でも有名なサービスをはじめとして、2013年11月までの10年間でユニコーン企業の仲間入りを果たした企業はシリコンバレーを拠点する企業を中心として39社のみ。
ところが、そこからわずか2年、2015年11月の時点で評価額10億ドルを超える企業は世界で141社までに急増しています。その企業価値の総額は5000億ドル(約60兆円)にまで達する規模に。
なぜこんなにもユニコーン企業が増えたのか?
もはや”伝説の生き物”とは呼べなくなっているユニコーン企業、見方によればベンチャーバブルとも捉えかねられない状況が続いていますが、なぜこんなにも急増したのでしょうか?
Facebookの株式公開と相次ぐ企業買収
その要因としていくつかありますが、その一つがやはりFacebookやTwitterに代表される大手インターネット企業の株式公開、そしてGoogleやFacebookなど巨人たちによる企業買収の増加でしょう。2012年に上場をしたFacebookは2015年11月の時点で3000億ドル(36兆円)の価値を超える企業となっています。
上場前にその可能性に気づけず、2億5000万ドル、5億ドルの評価額でも高いと投資をしなかった人たち、そしてその悔しさを近くで見ていた人たちの心境を想像すると「その二の舞いになるか」と一心不乱にスタートアップ企業に投資をするのも理解できるのではないでしょうか。仮に5億ドルの1%で500万ドルを上場前に投資していれば、今や30億ドルものキャピタルゲインを得ることができたのですから。
またApple,Google,Facebookなどのインターネット界の巨人たちがその潤沢な資金を元に可能性や事業シナジーのあるスタートアップの買収を繰り返していますので、有望な企業へ積極的に投資を行なうことでその売却益を得ることができる可能性も格段に高まっている状況です。32億ドルにおよぶGoogleのNestの買収や、190億ドル(2兆円!)に及ぶFacebookのWhatsApp買収など大型ディールに代表されるよう、2,3年前に比べるとその買収の数も額も格段に増えています。
スタートアップの社会的地位の上昇
そのような実績をうけ、非上場企業(スタートアップ)の社会的信用が上がったというのもユニコーン企業が増えた2つ目の理由です。これまでは事業を拡大していくための大きな資金を得る手段がIPO、つまり「株式公開」でした。
しかし、FacebookやTwitterの大成功案件でスタートアップブームに火がつき、世の中におけるベンチャー企業の社会的信用力が向上したことで株式公開ではない資金調達の手段が増えるに至りました。
上場をし、株式公開すればその名のとおり会社は公のものとなりますので株主への利益配分が経営責任として出てきます。市場から潤沢な資金を得ることができるのが株式公開ですが、Facebook、またGoogleなどのキャピタルゲインで投資家やベンチャーキャピタル側に投資するお金があり余っている今、上場はただの1つの手段にしか過ぎなくなっているのでしょう。
株式公開をすることが目的ではなく、会社のビジョンを達成し「世の中をよりよく変える」ことがスタートアップの存在意義ですので、お金に困らない以上、株式公開を急ぐ意味はありませんよね。その流れが進む一方、資金を集めすぎて企業価値だけが実質に反して膨らんできているのではないか?という懸念が2016年に入りシリコンバレーを中心に広がりを見せています。
バブルの予感も?懸念を呼ぶユニコーン企業
グローバルをターゲットにしたその市場規模、そして将来性あるビジョンと、インターネットに適したコンセプトで上場せずとも、多額の資金を調達し急成長を遂げてきたユニコーン企業ですが、2015年後半あたりからその一部の不振が垣間みえる状況が続き、活況をみせていた米国のベンチャー投資に大きな落ち込みをみせています。(去年の同時期7~9月に比べて32%減少とのことで、08年の金融危機以降2番目に大きな落ち込み)
潤沢な資金があり、いつでも上場できるはずなのになかなか上場しないスタートアップも少なくありませんが、上場をするとその名のとおり全ての財務状況を公開する必要があるため不都合があるのでしょうか。例えば昔からのユニコーンの代表格、エバーノートとドロップボックスはコアビジネスの他に様々な事業を立ち上げていましたが、そのほとんどの開発を打ち切ると2015年末に発表しました。エバーノートに関しては副社長など数名幹部が辞任したり海外オフィスを複数閉鎖するなど、投資家を不安にさせるニュースが飛び交っています。
TwitterのCEOに就任したばかりのジャック・ドーシー率いるスクエアも2015年11月に上場を果たしましたが、IPO時の企業価値は1年前のそれよりも約3割切り下がった42億ドル(約5200億円)となっています。ユニコーン企業のトップをひた走るUberも年2300億円の赤字を出しながら成長を続けています。これまでに総額90億ドル(約1兆500億円)以上の資金を獲得しているUberですが、あまりにも経費を使うスピードとその額が大きいのではないかと不安に感じている投資家も多いそうです。
ここまで多額の資金調達をしているUberが破産すれば、それこそスタートアップバブルがはじけ飛ぶ時でしょう。このように世界中のインターネット市場の命運をわけるユニコーン企業ですが、あなたはどれだけその数をご存知でしょうか?今回の記事では押さえておくべき巨大ベンチャー企業をまとめてご紹介。こちら基本的には評価額順ですが、あまり日本では名前が知られていない企業を中心にご紹介したいと思います。※おなじみのスナップチャット、ピンタレスト、ドロップボックスなども上位にありますが、このような名の知れた企業は割愛させて頂きます。
10億ドル以上の価値を持つユニコーン企業15社
1.ウーバー(Uber)
拠点:アメリカ 評価額:510億ドル 業種:シェアリングエコノミー
言わずとしれたユニコーン企業の代表格がCEOのトラビス・カラニック氏が率いるウーバー・テクノロジーズです。一般人が自分の空き時間と自家用車を使って他人を運ぶ仕組みを構築しているサービスで、Uberのスマホアプリから目的地を選ぶだけで近くのUberドライバーが駆け付けてくれます。料金はアプリ内で自動的に決済されます。
日本とは違いタクシーの使い勝手が良くない外国ではそのシンプルで便利な点が受け、2015年半期の売り上げはグローバル規模で500億ドルに及ぶほどの規模になっています。車両オーナーに対しても「簡単な小遣い稼ぎ」ができる価値を提供しているUber、タクシーという切り口だけではなく”物流”という大きな市場における可能性も含んでおり、圧倒的な評価額を得ている注目の企業です。
2.シャオミ(Xiaomi)
拠点:中国 評価額:460億ドル 業種:ハードウエア
格安ながらもおしゃれで高機能なスマートフォンを製造販売することで、急成長した中国を代表するスタートアップ企業です。世界最速1兆円企業とも評されており、わずか4年でスマートフォンメーカーとして世界3位の売り上げを記録するなどそのファンを大切にするマーケティング戦略含め圧倒的な存在感をもつベンチャー企業です。
スマホ以外にもおしゃれで安価な様々な家電製品を生産、販売をしており、ユーザー中心を貫いているシャオミですが、2015年の1億台の販売目標が未達に終わっており、今後の成長に疑問符が打たれ始めている厳しい状況です。
3.エアビーアンドビー(Airbnb)
拠点:アメリカ 評価額:225億ドル 業種:シェアリングエコノミー
日本でも訪日観光客の受け入れ体制として民泊が認められつつありますが、その大きな流れを創りだしたのがこのAirbnbです。空いている部屋を旅行者に貸すことができるこのサービス、ご存知の方も多いでしょう。Uberに並ぶユニコーンのユニコーン、そしてシェアリングエコノミーサービスの代表格、今では192カ国の34,000の都市で80万以上の宿が提供されており、2015年11月現在6,000万人以上の旅行者に活用されています。※シェアリングエコノミーについてはこちらの記事をご覧ください。
「暮らすように旅しよう」がコンセプト。ホテルよりも安く、そしてユニークな宿が探せるだけでなく、旅行者や地元の人とのコミュニケーションがとれるのも魅力です。
4.パランティア・テクノロジーズ(Palantir Technologies)
拠点:アメリカ 評価額:200億ドル 業種:ビッグデータ分析
Facebookの最初の投資家でもあり、Paypalの共同設立者でもあるピーター・ティール氏が会長を務めるのがこのパランティア、顧客にはFBI、CIA、ニューヨーク市警などの行政機関から、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン、IBMなどの民間の超有名企業などをもつユニーク企業です。
そのサービスはデータマイニングを行うソフトウェアの販売やコンサルティングサービスの提供です。世の中にあるありとあらゆる情報を収集して分析し、顧客に役立つビジュアルマップやチャートを作り上げます。例えばあのウサマ・ビンラディンの居場所を突き止めるのにもパランティアが一役買ったと言われており、ビッグデータソリューションを代表する企業の一つです。なんと導入コストは約1億円!その提供するテクノロジーのクオリティ対価としては決して安くないとのこと… 今後より緊張していく世の中、同社はさらに多くの引き合いを得ることになるでしょう。
5.美団ー大衆点評(Meituan-Dianping)
拠点:中国 評価額:180億ドル 業種:Eコマース
2つの中国を代表するO2O企業が合併してできた超巨大企業がこちらです。グルーポンと似た中国のクーポン共同購入サイトの美団、そして中国版Yelpと言われる飲食店の口コミサイトの大衆点評、この2社が2015年10月に合併してできたのが、この美団ー大衆点評という企業です。
それぞれアリババ、テンセントの傘下となっており、ライバルでもあり中国を代表する2大企業が手を組んだ珍しい案件といえるでしょう。この美団ー大衆点評、2016年1月には33億ドルもの資金調達も行っており、その圧倒的な地位をさらに独走していく姿勢が伺えます。この33億ドル、未上場企業の資金調達額としては最高額だとか!やはり中国は規模がちがいますね、、
6.フリップカート(Flipkart)
拠点:インド 評価額:150億ドル 業種:Eコマース
中国に続き、スタートアップ投資の盛り上がりが本格化しつつあるインターネット利用者数は世界3位インド。同国を代表するスタートアップ企業のフリップカートは、インド最大級のEコマースサイトです。
まだまだ米国のAmazon、中国のアリババには及びませんが、世界でこの2つに最も近い位置にいる大きな成長の余地あるスタートアップといえるでしょう。2015年のセールでは5日で350億円もの売上を上げるなど、インターネットが普及していくインドの成長とあわせて伸びしろが期待できるフリップカート、ライバルのスナップディール(Snapdeal)と合わせて注目です。
7.ディディ・クアイディ(滴滴快的:Didi Kuaidi)
拠点:中国 評価額:150億ドル 業種:シェアリングエコノミー
中国のタクシー配車サービス大手2社「ディディダーチャ」と「クァイディダーチャ」がUberを迎え撃つために統合してできた企業がこのディディ・クアイディです。アリババ出身の創業者によるこの中国のユニコーンはグローバルにおけるUberの最大のライバル企業といえるでしょう。
米国ではLyftという競合サービスがいますが、なんとこのリフトにディディ・クアイディが出資を行い協力関係を結ぶなど、中国、米国ともに熾烈な争いを繰り広げています。中国でもタクシー問題は深刻ですからね…
8.スペースX(SpaceX)
拠点:アメリカ 評価額:120億ドル 業種:ロケット製造
こちらもご存知の方が多いでしょう。次のスティーブ・ジョブズとも評されるスーパー起業家「イーロン・マスク」により2002年に設立されたロケット・宇宙船の開発・打ち上げといった宇宙輸送(商業軌道輸送サービス)を業務とする企業です。スペースX一度打ち上げたロケットを再度着陸させ、回収しそれを再利用できるようにすることで「打ち上げコスト」を削減(従来の100分の1まで!)することを目的としており、これにより宇宙産業におけるイノベーションを狙っています。
世界中の宇宙機関が半ば諦めた構想を、なんと2015年12月22日の打ち上げ実験で成功させています。何度も失敗を重ねての成功、ここから今後さらなる宇宙産業の発展が期待できるでしょう。イーロン・マスクは他にも電気自動車のテスラモーターズのCEOのも務めるIT業界の超人です。
9.ウィワーク(WeWork)
拠点:アメリカ 評価額:100億ドル 業種:オフィススペース運営
個人的に最も気になっているスタートアップがこのウィワーク、起業家やフリーランサーにフィススペースを時間制で提供しているニューヨークを拠点とする企業です。いわゆるコワーキングスペースと呼ばれるクリエイティブなオフィス空間を提供しており、場所を提供するだけでなく独自のソーシャルネットワークサービスも運営するなど、事業の初期段階の人々に焦点を当て入居者のコミュニティ作りにフォーカスしている点がウィワークをユニコーンにまで押し上げた理由でしょう。
世界中で毎月3〜5ヶ所のペースでウィワークのオフィススペースはオープンしているといいます。入居するには決して安くはない家賃を払わなければそれをもってしても得る対価のある空間を提供しているといいます。
10.DJI(DJI Innovations)
拠点:中国 評価額:100億ドル 業種:ドローン
世界規模で大変な盛り上がりと成長を見せているドローン市場、その個人向け市場において約6割ものシェアを誇るのが中国、深センに拠点を置くDJIです。ハイクオリティの空撮が簡単にできる「ファントム」と呼ばれる機種により圧倒的な存在となりました。ドローンのソフトウェアからハードまで全て自社内で開発をし、完成された作品を作り上げるその姿勢はまるでAppleを彷彿とさせます。
さまざまな用途に使われ、より私達の生活に密接なものになってくるドローン、それをもっと安全に、そして身近なものにする存在として世界中から大きな期待をされているドローン業界のリーディングカンパニーといえるでしょう。
11.ルファックス(Lufax)
拠点:中国 評価額:100億ドル 業種:フィンテック
「お金を借りたい人」と「お金を投資したい人」をインターネット上で結びつけるサービスをソーシャル・レンディングと言い表されますが、このルファックスは中国を代表とするソーシャルレンディング(融資仲介サービス)です。
米国では同様のサービスで、レンディング・クラブ(Lending Club)やプロスパー(Prosper)などの企業が急成長しておりますが、人口の多い中国におけるこのルファックスがより高い評価額を得ています。(中国には1500社以上のソーシャルレンディングがサービスがあるとのこと!)その最大手が2011年9月に設立されたこの陸金所(Lufax)で、1000万人以上のユーザー数を持っています。
12.ゼネフィッツ(Zenefits)
拠点:アメリカ 評価額:100億ドル 業種:フィンテック
2013年に設立されたばかりのゼネフィッツは、給与から保険に至るまでを中小企業の人事が、簡単に業務管理ができるソフトウェアを提供してる急成長中の企業です。面白いのがそのビジネスモデル、利用者へサービスを無料で提供する代わりに同サービス上でオススメされる保険や福利厚生などのサービス提供会社から紹介手数料を徴収するという仕組みになっています。
競合にはないそのユニークなビジネスモデルでサービス開始から2年で、同社の従業員数は1,000人超え。全米48州の10,000以上の企業が導入しており、1兆円に及ぶ評価額を得ています。日本でも同様の注目サービスとしてSmartHRというものがありますね。
13.セラノス(Theranos)
拠点:アメリカ 評価額:90億ドル 業種:ヘルスケア
血液検査を「安く、痛みなく、手軽に速く」にし、かつあらゆる臨床検査を行える画期的な医療機器を開発して注目を浴びている企業がこのセラノスです。医療業界に革命をおこしうるこのデバイスもそうですが、その代表であるエリザベス・ホームズ氏もアメリカで大変な注目を集めている若手起業家の1人です。19歳のときにスタンフォード大学を中退して同社を設立した彼女は弱冠31歳にして個人資産45億ドル(約5500億円、推計)と、世界でもっとも若い叩きあげの女性ビリオネアです。(スティーブ・ジョブズを意識してか黒いタートルネックをトレードマークとしている点もメディアが面白がってとりあげる理由の一つです。)
大きな注目を集めていた同社でしたが、2015年10月に米食品医薬品局(FDA)から未承認の医療機器を使用しているとの指摘をうけたり、この新しい医療機器による検査は信頼性にかけ、実際の検査では他社の機器を使用ているなどの報告があり、不正疑惑を一切に浴びている状態となっています。ユニコーン企業への不安を大きく醸成させた要因の一つとも言われており、同社の今後の展開が注視されます。
14.クーパン(Coupang)
拠点:韓国 評価額:50億ドル 業種:Eコマース
これまでアメリカ、中国、インドと大国ばかりでしたが、お隣韓国にもユニコーン企業は存在します。それがこのクーパンという韓国で最大規模のEコマースサイトを運営するForward Venturesです。2010年8月に設立された企業であり、共同購入型クーポンモデルでサービスを開始し、アプリのダウンロード数は2015年の段階で2,500万を突破しており、韓国内で最大規模のアクティブユーザーを誇ります。
またアリババにおける投資実績があるソフトバンクが10億ドル(約1,240億円)を出資するなど、次なるアリババ、次なるAmazonとして期待が高まる新興企業です。シリコンバレー、シアトル、上海などにも拠点をもち、海外展開も積極的に行なう姿勢とのこと。
15.デリバリーヒーロー(Delivery Hero)
拠点:ドイツ 評価額:31億ドル 業種:フードデリバリー
最後にご紹介するのはドイツを拠点とするデリバリーヒーローです。その名のとおり、近年シリコンバレーで注目を集めるフードデリバリーのスタートアップです。Doordash、Deliveroo、さらにはUberやAmazonなど巨人も参入しつつある手強い競合がひしめくレッドオーシャンとも言える市場で1位のシェアをもっており、ヨーロッパ、中東、南米を中心として今や34カ国に展開しています。2015年に上場を予定していたといいますが、2016年に延期をしたというニュースも、
日本でも出前館、ごちクル、bento.jpと注目を集めるこの分野、アメリカでも2014年ごろからベンチャーキャピタルの注目を浴びているホットな分野として知られます。
ユニコーン企業の成功がスタートアップの未来を担う
今後のテクノロジースタートアップの明暗をわけるかもしれない代表的な10億ドル企業をご紹介しました。
今回は15社のみのご紹介ですが、全部で141社に及ぶ行くユニコーン企業を国別にみると首位が米国(3,100億ドル)、2位が中国(1,130億ドル)、3位がインド(250億ドル)と続きます。またその中でもEコマースが31社と多く、上記リストにもある通り中国、インド、韓国でEコマースを軸としたユニコーンが増えているのを実感できるでしょう。日本ではスマートニュース、フリー、メルカリなどが上場が期待できるスタートアップですが、残念ながらユニコーンと呼べる規模までには至っていません。
今回ご紹介をした15社を筆頭とする141社ものユニコーン企業は、セラノス、エバーノート、ドロップボックス等のように不都合な真実があるから上場を先延ばしにしているのか、それとも上場に伴う公からの制約をよしとしていないだけなのか、その真実は中の人しかわかりません。
ベンチャー投資は近年増える一方、上場数は減少しており、その結果企業価値だけが膨れあがってユニコーンがこれまでになく増えている状況です。サービスを急速にスケールさせFacebookやGoogleなどへの売却をゴールとしているスタートアップが増えているといいますが、いつのまにか評価額が高くなりすぎてその”売りどき”を見誤ってしまい、さらに上場をしようにもできないという状態になっていないことを祈るばかりです。見方によっては少し異様なこの状況をみると、スタートアップのバブルがすぐそこまできていることを感じずにはいられません。