はぐれ刑事純情派15 2016.01.27


(安浦刑事)ロールキャベツうまいな。
ユカの味付けだろ?だんだんお母さんの味に似てきたな。
(安浦ユカ)ほんと?おいしい?うまい。
おい!それはそうと朝刊の折り込み広告見たか?駅前の薬局新装開店セールトイレットペーパー大特価。
(安浦エリ)ウソッ?見てない!ちゃんとチェックしなさいよ。
(ユカ)ウッソーッ!?
(エリ)安〜い!見て!口紅98円だって!マニキュア50円?お父さんトイレットペーパーのこと言ってんだよ!エリ!会社に行く前に薬局に寄って買ってきなさい。
なに言ってるのよお父さん!トイレットペーパー持って会社に行けるはずないでしょ!ユカ行ってよ!いやよ!私だってそんな物持って電車に乗れないもの!なに言ってんだ。
こういうことは気がついた者が率先してやる!うん!それは正しいかもね。
お互い気がついたらやらないとね。
それでその広告誰が気がついたんだっけ?それはお父さんじゃないか。
(エリ・ユカ)そうよねぇ〜!じゃあお父さんが買ってきて!えっ?誰かが行くだろうと思わずに…。
(エリ)まず自分が率先して動く!なんだか悪い予感がしたんだよ…。

(悲鳴)
(婦警)失礼します。
課長。
片島さんという方がお話が…。
(片島直輝)なに言ってんだ!いったいどうなってんだっ!あんた方は警察官という義務をなんで果たしてくれないんだ!
(川辺課長)あの…どういうお話でしょう?痴漢ですよ!痴漢!
(里見刑事)痴漢ですか?最近ねぇ山手町界隈に痴漢が頻繁に出るんで警備を強化してくれと頼んだでしょう!!あれほど頼んだのになんにもしてくれないじゃないですか!昨日の夜もねうちの近所の女性が自転車に乗った男にすれ違いざまですよ…胸を触られたんですから!胸を!!でしたら早速交番に連絡しまして巡回の強化を指示します。
なにが交番だ!とぼけたこと言っちゃ困りますよ!そのへんの役所みたいにぐるぐるたらい回しにするつもりでしょ!
(川辺)いやいやとぼけちゃいませんよ。
(田崎婦警)あの…失礼ですけどあなたは?山手町町内会会長の片島直輝です!あぁ町内会長さんね…。
(片島)そうです!あの…交番やないとしたらどこに頼みはったんですか?最近ね痴漢が頻繁に出るんで町内を見回ってたんですよ。
ここの刑事さんにばったり会ったんですよ!山手中央署の刑事さんですよ!うちの刑事にですか?
(片島)そうです!
(川辺)誰が報告を怠ったんだ?おい里見!お前か?いや違います!勇作お前か?僕じゃありません!
(三波主任)誰かさぁ今川焼き食べてくんない?買いすぎた!あっ!刑事さん!ああ…!食べます?
(高木刑事)昨夜痴漢が出たのはこの辺りですねぇ。
まいったなぁ!痴漢のために刑事課全員が残業か。
(林刑事)でも実際に痴漢が出没してるし巡回は当然です。
(今井刑事)しかしお前は警察官の鑑だな!犯人はシルバーの16インチの小型自転車に乗ってると…。
ところで今井さん16インチのタイヤってこれくらいですか?直径が50センチぐらいだから…これぐらいじゃないのか?
(三波)安さん…怒ってる?当たり前だ!俺にも娘が2人いるんだ。
痴漢は絶対に許さん。
あ…痴漢に対して怒ってたのか。
三波。
俺はお前にも怒ってるんだ。
いや…一応交番にも「巡回を強化しろ」って指示だしたんだよ。
指示すりゃ済むってもんじゃないだろう。
お前が頼まれたんだったら率先してお前が巡回しろよ。
そりゃそうだ。
…すみません。
…出た。
4丁目だ。
大丈夫ですか?
(高木)現在地氷川神社参道前!大丈夫ですか!?
(内山雅美)大丈夫です…。
林!あいつだっ!里見…!今井さん…。
お嬢さんっ!?今井さん救急車!どうした?
(里見)痴漢です!あと頼みます!しっかり!三波…。

(林)待てっ!オイッ!おい下りろ!
(里見)このやろうっ!!刑事さん!何すんですか!
(救急車のサイレン)
(今井)安浦さん。
うん?
(三波)安さん。
この白いつぶつぶはこれなんだろな?安浦さん!逃げた男どうした?
(里見)いやそれがですね…。
だからねえ何度言ったらわかるんですか!
(片島)私は町内会の会長としてあの辺を見回ってただけですよ。
女性の悲鳴が聞こえたんで駆けつけたんですよ。
本当です!〔おい待てっ!!〕〔大丈夫ですか?…あ雅美ちゃん!?〕〔店長…〕〔大丈夫か?〕
(片島)彼女は私の店のアルバイトだったんですよ。
〔あの野郎っ!〕まさか…雅美ちゃんが死ぬなんてね…。
(川辺)妙な話ですな。
自分の店のアルバイトの娘さんが頭をケガして倒れてるのにそれを放ったらかして犯人を追いかけたっていうんですか?いや…ケガには気がつかなかったんですよ。
そりゃ気がついてたら急いで病院に運んでますよ!じゃあ逃げていった男ですがどんな男でした?いやそれが…暗くてはっきり見えなかったんですよねぇ。
それでどんな服着てたんや?たしかね黒…いや…茶色っぽい感じの…いや…。
(片島)だいたいね!あんたが悪いんだよっ!だからね!私が頼んだときにきちっとやってくれてれば痴漢も出なかったんだよ!えっ!?雅美ちゃんだってあんなことにならなくて済んだし!…すみません。
刑事さんに怒ることじゃなかったですね。
雅美ちゃん…悪かった…!
(片島)すぐに病院に運ぶべきだった…。

(片島美樹子)おかえりなさい。
(片島)ただいま…。
やっぱり犯人痴漢なんだって?ああたぶんな。
やだもう…!…大貴は?さっきアルバイトから帰って雅美ちゃんのこと聞いたけど…。
大貴…。
あいつ泣いてんのか?だって雅美ちゃん中学のときから大貴の友達だったし…。
それにあの子雅美ちゃんのこと好きだったのよ。
ずっと片思いだったけど…。
(片島)はい中華丼あがり!
(美樹子)おまたせしました!いらっしゃいませ!空いてるお席どうぞ!いらっしゃいませーっ!!すみませんちょっと…。
あのねあなた方私をまだ犯人扱いするんですか?あなた犯人扱いされてるの?
(片島)そうだよ。
(美樹子)どうしてですか?この人痴漢を捕まえるために一人で見回りしてたんですよ!奥さん。
念のために事情を伺ってるだけですので。
なにが事情だ…。
雅美ちゃんはね私の息子の中学時代からの友達なんですよ!息子さんのお友達?そうですよ!家だってご近所だしご両親だって顔見知りなんです。
そんな息子の女友達をどうこうしようなんて父親がいったいどこにいるんですか?
(美樹子)そうですよ。
この人を疑う暇があったら痴漢をさっさと見つけてくださいよ!痴漢のことはもちろん全力を挙げて捜査しています。
しかし内山さんは何者かに殺害された疑いもありますんで。
…なんだ橋本?あの…雅美さんのことですけど犯人本当に痴漢なんですか?最近男にしつこく付きまとわれて彼女困ってたみたいなんです。
(美樹子)私も聞いたわ。
ときどき無言電話がかかってくるって。
(安浦)無言電話?
(林)その相手に心当たりありそうでしたか?いえ僕は…。
詳しくは雅美さんの彼氏に訊けばわかると思います。
相談してたみたいだから。
(美樹子)雅美ちゃん彼氏いたの?ええ。
たしか新海さんていう名前だったと思います。
新海さん…。
(新海裕司)やっぱりその男が犯人なんですか?内山雅美さんからその男のことなにか聞いてませんかね?ええ…無言電話がかかってきたり家に白いバラの花が届いたりして気味が悪いって。
無言電話と花…。
おい今井!内山雅美さんの自宅と携帯電話の通話記録調べろ。
高木!付近の花屋を当たって白いバラの花を買った人間がいないかどうか調べてくれ。
里見はガイシャの自宅周辺の聞き込みだ。
そうだ安さん。
鑑識の報告だと現場に落ちていた白い粉はパン粉だったそうだ。
…その男町内会長の片島さんじゃないか?丼屋だってパン粉を使うだろ?だいたいさぁ町内会長が毎晩一人で痴漢の見回りやってること自体がおかしいんじゃないか?しかしですね課長…。
内山雅美さんは片島さんの息子さんの友人だというんです。
今さぁこの世の中何が起こったっておかしくないよ。
課長。
亡くなった内山雅美さんのお母さんに会ってきましたがお嬢さん片島さんのこと「気味が悪い」って言ってたそうです。
どういうことなんだ?通勤のバスの中でね片島さんが彼女のほうを見てニヤニヤしてたっていうんです。
(川辺)ニヤニヤ…?やっぱりだ…!何してるんですかね?うん…。
安浦さん…!えっ?どうしました?あっ…安浦さん。
あの雅美ちゃんとこに花を供えに…。

(片島)息子の大貴です。
内山雅美さんとはお友達だったそうですな。
じゃあ僕先に署に戻ります。
おとなしそうなお子さんですな。
一人息子で…かわいがり過ぎたせいかどっか引っ込み思案なところありましてね。
ニヤニヤ…?私がですか?なんか思い当たりませんか?そうですね…。
ああ!それバスの中ですね。
はい。
私ねいつも通勤バスの中では楽しいことを想像してそうやって自分の中のテンションをグーッと高めて「今日も頑張るぞ」って気にさせるんですよ。
テンションを…?私こう見えてもね暗くなるとどこまでも暗くなっちゃう性格なんですよ。
そうは見えないがなぁ。
ええ。
そうやって毎朝自分の中で元気つけてそれからお店に出るようにしてるんです。
ですからそれ…思い出し笑いですね。
思い出し笑い?それでニヤニヤねぇ…。
ご苦労さん。
おい三波どうした?ああ安さん。
例の無言電話だけどね内山さんの電話の受信記録からこの電話ボックスからかけられたことがわかった。
ここからですか…?どうかしましたか?いいえ別に…。
じゃあ私店がありますんで失礼します。
どうもご苦労さま。
あ片島さん!はい?犯人は絶対逮捕します。
この安浦刑事が。
はい…。

(雅美)〔フフッ…!飲まない?〕なあ…犯人に心当たりないのか?彼女友達だったんだろ?相手は卑劣な痴漢かもしれないんだからさそんな奴に大事な友達殺されたら普通怒るだろ?…なんか言えよ。
なに言っても…。
なんだよ?死んだ人は戻ってこない…。
だから「はいそうですか」ってあきらめて悲しんでるだけか?世の中黙ってばかりいたら好意的に理解してくれるようなそんないい人ばっかりじゃないんだからさ。
黙ってばかりいたら「こいつなにか隠してるな」って悪く解釈する奴もいるってこと。
黙ってたってなにも解決しないんだぞ。
(美樹子)ただいま…。
おい今日は大貴どうしたんだ?今日はアルバイトの日。
(片島)ふーん。
何やってるんですか!報告書まとめてから帰ってください!硬いこと言うなよ…。
明日でもいいじゃないかよ。
ダメです!今日中に済ませてください。
ワァ〜オ!三波主任…。
これ指紋とってもらえますか?
(三波)誰の花束だ?片島さんの息子さんが被害者が亡くなった現場に添えた物です。
ふーん急ぐんだろ?
(林)はい!よし。
おい指紋とるぞ!
(片桐由美)ほんとに痴漢て頭にくるわよね。
ママも被害に遭ったことある?高校生のときだけどね。
なみちゃん…。
(なみ)はい!でもバスや電車で通勤する女性はほとんど遭ってるんじゃない?ねえ?
(なみ)ええ!経験ない人探すほうが大変ですよ。
そうかそんなにか…。
(岡田)でも誤解も多いですよね?そう誤解も多いよなぁ!だから俺なんか満員電車では両手でつり革を持ってるんだ。
朝から肩こってしょうがないよ。
そうよね。
それぐらいしたほうが疑われなくて済むわよねぇ。
(三波)安さん!例の電話ボックスから検出された指紋の中に片島の息子の指紋があった。
息子?指紋どこで手に入れた?林。
彼が持っていた花束を昨夜三波主任に渡したんです。
もし彼が犯人だったら気になるんじゃないかと思って独断で内山雅美さんの家の前で張り込みました。
うん。
で…来たのか?はい。
バイト帰りに内山雅美さんの家の前に自転車を止めてじっと家の方を見つめてました…。
(川辺)勇作。
問題はあるがよくやった。
安さん。
片島大貴は内山雅美に一方的に惚れてたんじゃないか?だからストーカーまがいに無言電話をかけたり白いバラの花を勝手に贈ったりさ。
問題は動機だな。
(川辺)とにかく片島大貴事情聴取だ。
大貴。
ちょっと話があるんだ。
(大貴)話?うん…まさかお前じゃないだろうな?…なにが?お父さんだけには本当のこと話してくれないか。
んっ?お父さんはお前のこと信じてるぞ。
なに言ってんだよ。
いやただなもし…もしそうならお父さんとお母さんだけはいつでもお前の味方だからな!お前がなまじめでいい子だってことはお父さんとお母さんが一番よく知ってるんだ。
だけどなどんな立派な人間でも魔が差すってことはあるからな。
いざとなったらお父さんがお前の身代わりになってやる!
(大貴)お父さん!失礼します。
片島大貴さん。
内山雅美さんの件で伺いたいことがあります。
署までご同行願えますか。
あんたたちなに言ってるんだ!大貴は何もしてませんよ!帰ってください!
(大貴)いいんだよお父さん。
俺…行くよ。
お願いします。
黙ってたら…疑われるだけだし。
(大貴)何も解決しない。
バイトの行き帰りは自転車を使ってるのね?
(大貴)そうです…。
いつも道は決まってる?それともいろんな道を通ってるの?いろいろですけど…。
僕は痴漢じゃありません。
…そんなことしません。
(晴子)じゃあ内山雅美さんのことだけど君は彼女のことを友達以上の気持ちで見てましたね?…はい。
内山さんに無言電話かけた?無言電話をかけたと思われる公衆電話からねあなたの指紋が出てきたの。
かけたの?…はい。
どうしてそんなことしたんだい?今日こそは「つきあってくれ」って言おうと思って…決意して電話するんですけど…彼女が出ると言い出せなくて…。
(晴子)切っちゃった?…はい。
何度も?…はい。
(晴子)じゃあ白いバラの花束もあなただったのね?白いバラ…?そう。
内山さんのお宅の前に置いたでしょう?そんなの知りませんけど…。
知らない…?ええ…。
事件当夜の片島大貴のアリバイなんですが午後9時半に駅前のバイト先を出ております。
(横溝署長)内山雅美が殺害されたのが午後10時。
はい。
犯行は可能であります。
しかもそれが毎晩同じ時間だとすると…。
(横溝)痴漢か?多発した痴漢事件の時間とも一致しますし痴漢と殺し両方とも全面的に一気に解決いたします。
ご安心ください署長。

(ノックの音)はい。
失礼します。
どうだ安さん。
自供したか?ええ…。
無言電話をかけたことは認めたんですがね…。
おおそうか。
(横溝)…でどうした?その…片島大貴くんなんですが痴漢行為を行うような青年には見えんのですがねえ。
別に犯人がいると思うのか?それと今度の事件なんですがね痴漢と殺人を同一犯と決めつけるのはちょっと無理があるんじゃないかと思いまして。
安さんがそう思うなら…課長もうちょっと調べたらどうだ。
はい。
署長がそうおっしゃるんでしたら。
ごちそうさまでした。
また怒ったか…。
あとでしかっておきますから。
頼むよ。
田崎くんお茶だ!ちょっとちょっと刑事さん!大貴の無実わかりましたか?うちの子は痴漢なんかする子じゃないんですから!気持ちはわかりますがどちらの親御さんもそうおっしゃります。
それはあなたの家でしょうが。
(川辺)いやですから父親なんていうのは子どものことわかってるようで本当はほとんどわかってないんです。
(片島)なに言ってんですか。
それはあなたの家でうちは別なんですよ!あなたにうちのこととやかく言われる筋合いはないんだよ!
(晴子)課長!お茶です。
(川辺)はいどうも…。
それじゃちょっと訊きますけどねあなたは自分の子どもを「日本一」だと言えるんですか?日本一?そんなこと…。
言えないでしょ?私は言えるんですよ!そりゃあなたねただの親バカとしか言いようがない!「バカ」って言いましたねあなた!バカとはなんだ!失礼だな!!片島さん。
なんですかっ!!あ…!実は電話ボックスから息子さんの指紋が検出されたんです。
息子さんも内山雅美さんに電話をしたことを認めました。
大貴は本当はそんなことするような子じゃないんですよ。
こんなときよく言いますよね。
「子どもの育て方間違えたのかな」なんて。
片島さん。
あなた大貴くんが内山雅美さんに電話してたこと知ってましたね?2週間ぐらい前ですか…大貴があの電話ボックスから出てくるの見てしまったんです。
携帯電話を持ってるのに変だなぁと思ったんですがそのうち雅美ちゃんのほうから「無言電話がかかってきて困ってる」っていう話を聞きましてね…。
もしかしたら…と思ったその矢先だったんですよ。
痴漢騒ぎですか?ええ…。
たしか…犯人も自転車に乗ってましたよね?また時間を考えると大貴がアルバイトから帰ってくる時間とピッタリなんですよ。
そうか。
それであなた町内会の会長に立候補したわけですか。
ええ。
私が率先して痴漢の取り締まりをすれば大貴も妙なことにならないんじゃないかと思いましてね。
どんな痴漢にも…親はいますからね。
その親がたまたま…私じゃないかなと思いましてね。
いや親父は…つらいですよな。
近ごろはすっかり父親の値打ちもなくなってしまって親を信じない子どもがいっぱいいるとしてもだ…。
ねえ片島さん。
もう一度大貴くんを信じてみませんか?それが親父の務めだと思うんだ。

(林)安浦さん!どうした?片島大貴がバイト帰りに自転車のカゴに白いバラを乗せた男を見たって言ってるんです。
その男なんですが近所のクリーニング屋じゃないかと…。
出かけますかね?
(高木)もし村野って店長が痴漢だとしたら我慢しきれなくなって必ず出かけるよ。
そうすると村野が内山雅美さんを殺害した犯人ってことに?その可能性高いだろうな。
…あれ?片島さん…!まずいなぁ…!片島さん…。
あっ刑事さん!シーッ!こんなとこで何やってんですか。

(片島)ちょっと話が…!・
(高木)ダメです!片島さん!大貴はね私の息子なんですよ!息子の無実は私が証明しますから!世界中の人間が大貴を疑ったとしても私だけは…とことんあいつを信じてやりたいんですよ。
あっ…出てきた。
安浦さん…。
(安浦)間違いない村野だ。
高木…。
片島さん。
あとは我々に任せてください。
えっ!?アアーッ!!村野孝夫!痴漢の現行犯で逮捕する!
(村野のうめき声)お前か!えっ!?お前のおかげでうちの息子は…!この卑怯者!恥ずかしいと思わないか!?息子はお前なんかと一緒にされて…!どんなに悔しい思いしたかわかってるのか!コノヤロッ!片島さん…!わかってるのかーっ!!片島さん!林!安浦さん…。
晴ちゃんご苦労さん。
痴漢してくれなかったらどうしようと思いましたよ。
私もそれが一番心配だったんだ。
…いやいや。
私は殺してなんかいませんよ。
そりゃ内山さんって女の子かわいかったんで白いバラの花も届けましたし…確かにそりゃ痴漢もしましたよ!だけど人を殺すなんてそんな悪いことしてませんよ!じゃあなに?人殺しは悪くて痴漢は悪くないっていうの?ヘヘッ…痴漢ってあの瞬間なんか空を飛んでるみたいで気持ちよくってやめられないんですよね。
やられた方も気持ちいいんだと思うんですけどねえ?ヘヘッ!うれしくないわよ!あんた!勝手に決めつけないでよ!!あんたみたいな男に触られたら鳥肌たつほど気持ち悪くて八つ裂きにしてやりたくなるわ!それを「気持ちいい」だと!?冗談じゃないわよ!ふざけんじゃないっ!!田崎さん…。
村野…お前本当にやってないんだな?痴漢はしましたけど人は殺してません!本当だな?はいっ!三波。
例の現場から採取したパン粉の分析できてるか?ああ。
科捜研からファクスがきてた。
現場に落ちていたパン粉と片島が使っていたパン粉とぜんぜん違うらしいな。
そうか…。
ガイシャの衣服に付着してた物と別の物ってことになるのか…。
まてよ…。
そうだパン粉を使ってる奴がもう一人いたんだ…。
すみませんお客さんまだなんですが…あっ。
新海さんちょっと話を訊きたいことがあるんだけど。
はい…。
内山雅美さんのことなんだがね。

(今井)新海裕司!殺人容疑で署まで同行してもらおう!刑事さん!新海が何かやったんですか?内山雅美さんはお前の恋人やったかもしれん。
けどな命まではお前のもんやないんや!なんで殺したんやっ!?
(新海)「別れたい」って言い出したんですよ雅美が。
俺は別れたくなかったんで家へ帰るって言うあいつをずっと説得して付いていったんです。
そしたら…。
〔ごめんなさい。
もうダメなのよ…〕〔だからどうしてだ?んっ…?〕〔本当に好きな人に気がついたのよ〕〔本当に好きな人…?〕〔中学のときからずっと友達だった人〕〔最近になってやっとその人のこと友達じゃなくて好きなんだって気がついたの〕〔だからごめん…〕〔もうあなたとは会えない〕〔おいちょっと待て!〕〔やめて!離してよ!〕〔アッ…!痛っ…!〕〔雅美…?雅美?〕・
(片島)〔何やってんだ!〕〔おい!待てっ!〕〔大丈夫ですか?〕カーッとなって…力の加減ができなかったんです。
力の加減…?力の加減もなにもあるかい!女性に暴力を振るうこと自体お前どうかしとるんじゃっ!!すみません…。
犯人捕まったぞ。
よかった…!もっと自分のことを人に伝えなくちゃ。
雅美さん本当に好きな人がいることに最近になってやっと気づいたって。
本当に好きな人…?大貴…お前のことだよ。
(泣き声)あ…安浦さん。
大貴は?大貴。
大貴!
(大貴)お父さん…迷惑かけてごめん!何を言ってるんだ。
謝るのは俺のほうだ。
お前のことを痴漢じゃないかなと思ったりなんかしてな…。
お父さん…大バカ者だったよ。
でも「いつでも俺の味方だ」って言ってくれたじゃないか。
…うれしかったよ。
そうか…大貴。
安浦さん。
あなたのおかげです。
今思えば…私よりあなたのほうが大貴の無実を信じて一心に捜査してくださった。
私はね…あなたのそんな姿を見て最後の一人になっても大貴を信じてやろうと思ったんです!ありがとうございました!大貴…美樹子…お前たちも安浦さんにお礼いいなさい。
ありがとうございました!安浦さんありがとうございました。
ありがとうございました!皆さん!ありがとうございました!ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
(三波)どもども…。
山手中央署ばんざーい!ばんざーい!ばんざーい!サンキューッ!!私ね最近思うのよ。
なにを?このところ誰とも本気でケンカしなくなったなって…。
…ケンカ?うん。
昔は母とか友達とか本気でケンカしたんだけど…。
それはママが丸くなったせいだよ。
そういうんじゃなくて本気でケンカする相手がいなくなったのかなぁ…?うーん…なるほどなぁ。
そりゃ真紀子さんみたいにポンポン本音でものを言う人も少なくなったしね。
そうなのよ。
この相手だったらまあいいやとか話してもわからないだろうとか自分で納得しておしまいにしちゃう感じ?う〜んわかる。
例えば父や母みたいにこの人なら思いきりぶつけられるって思う人あんまりいなくなった。
うん…本気でケンカができる相手ねぇ。
そういういいケンカ…してみたいわまた。
じゃやってみますか?ほんと?ああ受けて立ちますよ。
でも私本気で怒ると怖いのよ…。
ホントに…?そうなの。
じゃまたにするわ。
どうしたの震えて…?いやなんでもない。

おしゃべりあるき目です今日は「海をつくった男たち」を訪ねます!
どういうことか?
2016/01/27(水) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
はぐれ刑事純情派15[再][字]

「息子が痴漢!?親バカ殺人事件」

詳細情報
◇出演者
藤田まこと、眞野あずさ、梅宮辰夫 ほか

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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