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1990年調査開始以来初めて増加84分

 ベネッセ教育総合研究所は28日、小中高校生を対象に昨年実施した学習習慣などに関する調査で、高校生の学校外での勉強時間(塾などを含む)が1990年の調査開始以来初めて増加に転じたと発表した。小中学生は前回(2006年)に続いて増えた。国の「脱ゆとり」政策に合わせ、学校が宿題の量を増やすなど家庭学習の指導を強化したことなどが理由とみられる。

     調査はほぼ5年置きで昨年が5回目。原則的に毎回同じ公立校に依頼し、昨年は小学校33校(5年生)、中学校20校(2年生)、高校18校(2年生)の児童・生徒計9726人を対象に実施した。

     平日の学校外での勉強時間(1日の平均)は、高校生が84.4分で06年より約14分増えた。01年を境に増加に転じた小中学生も、小学生で約14分、中学生で3分増えた。小学生は95.8分で、これまでで最も長かった。

     子どもの意識の変化を見ると、これまでほぼ横ばいだった「いい大学を卒業すると将来、幸せになれる」という考えを肯定する割合が今回は小中高校生とも10ポイント以上上昇した。「将来、一流の会社に入ったり、一流の仕事についたりしたい」と考える割合も、小中高校生とも10ポイント前後増加した。

     調査を監修したお茶の水女子大の耳塚寛明教授(教育社会学)は「(国の)ゆとり教育などを背景にした90年代以降の学習時間の減少には、完全に歯止めがかかったといえる。学校の勉強が将来の生活や社会での成功に役立つという考えも広がっており、学びへの回帰がうかがえる」と分析している。【佐々木洋】

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