(森井)
あなたはどちらの医師にかかりたいですか?
腕はいいが患者の気持ちにまったく寄り添わない医師かそれとも腕はそこそこだが患者の気持ちに寄り添える医師か
(宮崎)おはようございます。
(岸)ふざけんな。
あんたどこまでバカなんだよ。
(宮崎)怖っ。
もう一度ちゃんと報告書読め。
病理の見解はB細胞性リンパ腫だって言ってんだろ。
FCMするから針生検じゃなくてさっさとリンパ節を未固定で出し直せ。
分かったか?
(細木)ハァ〜。
また朝から大暴れ?
(森井)おはようございます。
おはようございます。
(細木)おはよう。
私にはわざと敵をつくってるようにしか思えません。
(細木)森井君コーヒーお願い。
(森井)はいはい。
もう少し人と仲良くしようって思わないんですかね?
(森井)思わないんじゃないですか?
(細木)この病院で友達は私だけ。
そうですよね。
今日から診断受け持ってもらうから。
えっ?ああ…あっはい。
じゃあ私の診断チェックはどんな段取りで…。
はっ?チェックなんかしないよ。
えっ?しないって…私の指導医ですよね?めんどくさいから。
はい?あっちょっとあの森井さん今のって冗談ですよね?うちの評判落とすなよ?うちは100%の診断を出さなきゃならないんだからな。
んっ?
(森井)本気みたいですよ。
えっ?いやあのほら私ってまだ合格点じゃないっていうかまだ60点ぐらいだと思うんです。
うん30点だよ。
だったら絶対岸先生のチェックなしで診断なんてあり得ません。
(細木)初めは不安だよね。
私もそうだった初めての患者にメス入れたとき。
そうですよね細木先生。
(細木)私は最初っから100点だったけどね。
えっ?ちゃんと診るんだな患者を殺したくないんだったら。
あっいやちょっと待ってください。
あの…。
あ痛っ!あ痛〜!
(細木)あ〜ホントおいしい。
森井君が入れてくれたコーヒー。
だからそれ作ってるのコーヒーメーカーですから。
あの…病理専門医資格のないぺえぺえにチェックなし分担なんてあり得ませんよね?まあポジティブにとりましょうよ。
信用されたんだとか。
(細木)いいこと言うね森井君。
絶対あり得ません。
だってああいう人は自分しか信用しないじゃないですか。
困ります。
もう指導医代えてください!無駄な抵抗って分かってますよね?
(医師)中西先生。
(中西)うん。
(医師)カルチノイドを腺腫と鑑別するポイントはありますか?
(中西)う〜ん…まずは半球状で正常粘膜に覆われていること。
あとは黄色調で血管が目立つことなどです。
患者さんのためにも慎重にね?
(医師たち)はい。
(由希子)ごめんね送ってもらっちゃって。
(智文)あっいいって。
(智文のせき)
(由希子)あっ…。
(智文)痛むか?
(由希子)うん…。
(智文)あ〜きついか。
どうされました?
(智文)これから大腸の内視鏡の検査なんです。
動けないようでしたら消化器内科のドクター呼んできましょうか?
(由希子)あっいえ大丈夫です。
歩けます。
あなたもう会社行って。
(智文)いやでも…。
ホントに大丈夫。
あっ私ご案内しますので診察券お預かりします。
(智文)あっありがとうございます。
白根由希子さんですね?はい。
(智文)帰り電話しろよ?迎えに来るから。
大丈夫だって。
いってらっしゃい。
(智文)うん。
じゃあよろしくお願いします。
はい。
こちらです。
(智文のせき)すみません。
いえ。
優しい旦那さんですね。
あっ…フフ。
(医師)久保慎二さん41歳。
潰瘍性大腸炎の疑い。
え〜身体症状も軽いですし実際不便ないレベルで生活できてますからあとは内視鏡で潰瘍の分布と形態をチェックして基本は外来で投薬ですかね。
意見しても?内視鏡は結構ですがねこれまだ何も分かってない段階ですよね?岸先生そうは言ってもですね…。
いくら何でも患者の見た目にとらわれ過ぎなんじゃないですかね?
(中西)そのとおり。
(中西)今の段階で潰瘍性大腸炎と決め付けるのはどうでしょう?もちろん皆さんの疑いは否定しません。
しかし他の疾患の可能性も広く見ていくべきです。
そうですよね?岸先生。
典型的なラベリングです。
まあ医者が陥りがちなミスなんですけどね。
一度レッテルを貼ると他の鑑別が見えなくなる。
症状が軽いイコール軽症なわけではないですから。
そのくせいざ何かあれば誰がやったんだ。
何であれをしなかったんだ。
いつだってすぐ責任転嫁ですから困ったものです。
どなたさまですか?あっ消化器内科の中西先生です。
優秀な先生らしくてけさのカンファで岸先生と気が合ったんです。
岸先生と?岸先生が発言したのに荒れないカンファなんて初めて見ました。
(中西)それでこの患者さん…白根由希子さん今日内視鏡検査をするんです。
白根?あっ。
(中西)腹痛発熱倦怠感便に潜血CRPの上昇と血沈の亢進。
岸先生なら鑑別最初にどの辺りまで入れます?さあこの目で見てみないとねえ。
僕だったらそうですね…細菌性腸炎アメーバ症潰瘍性大腸炎クローン病憩室炎リンパ腫大腸がん。
このくらいでしょうか。
ほう。
(中西)他に何か考えられますか?いやいや私からは何も。
さすが消化器の専門医。
病理は広く浅くばっかりで。
そんなこと絶対思ってませんよね?
(中西)そんなご謙遜なさらずに。
先生の逸話は色々と伺ってます。
悪評でしょう?不徳の致すかぎりで。
(中西)白根さん回盲部に何かある気がしています。
フォワードは僕が務めますから先生には岸流をご指導いただけませんか?たとえ病院ルールをはみ出すことでも帳尻は僕が合わせますから。
ほう。
それは心強い。
仲良くさせてください。
仕事のできるドクター少ないですから。
(戸の開く音)よかったですね。
岸先生に2人目の友達できそうじゃないですか?中西先生は消化器内科のエースで人格者らしいですからね。
仲良くなればうちの立場も少しは良くなるんでしょうけど。
おい診断進んでんのか?あっここまで終わりました。
たったこれだけか。
あっはい。
1つにどれだけ時間かけるんですか?慎重の上に慎重を重ねてるんです。
患者さんに何かあったら大変ですから。
今日も残業か。
残業ですよ。
森井君コーヒー。
自分で入れてください。
では腸の中を見ていって組織採りますね。
はい。
お願いします。
つらかったら言ってください。
(由希子)はい。
バイオプシーするよ。
(女性)はい。
開いて。
(女性)はい。
つまんで。
(女性)はい。
(森井)どうです?ん〜。
白根さんですよね?見てみていいですか?いや自分の担当まだこんなにありますよ。
絶対残業だな。
どうだ?びらんと好中球の上皮内浸潤がありますが診断を確定するにはちょっと…。
ああ。
まだ検査が必要だ。
なるほど。
何も出ませんでしたか。
はい。
僕はクローン病が濃厚だと思っていたんですが。
今の段階では診断を確定できません。
(中西)そうですね。
慎重にいかなくちゃいけませんよね。
こういうときは。
実は僕にとって今回はいいチャンスなんです。
岸先生とじかに仕事をするのはやはり違います。
いくらでもお付き合いしますよ中西先生。
(中西)じゃあもう1回内視鏡やりましょう。
次は何か出るはずです。
実は今回は途中に狭窄があってスコープが奥まで入らなかったんです。
もうちょっと患者さんには頑張ってもらいましょう。
はい。
大腸の組織を調べてみたんですが診断を特定するものが出ませんでした。
それは何の病気か分からないってことですか?
(中西)ええ。
それでもう一度内視鏡を受けていただきたいんです。
えっ待ってください。
検査ホントに楽じゃないし費用だって…。
(中西)ああ…。
おっしゃるとおり大変ですが今度はもう少し奥の方の組織を採って調べてみます。
(由希子)あっ…。
バイオプシー。
(女性)はい。
また確定できなかったんですか?ええ。
そんなはず…。
なるほど。
そうですか。
はい。
でどうしますか?
(中西)そうですね…。
これは提案ですが全身検索してみませんか?えっ?担当医の先生にお言葉ですが予想外の部位に大本の疾患がある可能性をつぶしておきたいんです。
病理としては。
ちょっと待ってください。
大腸に炎症があるのは確かです。
全身を検査するとなると患者さんの負担になりますし大腸疾患の可能性が高い以上無駄な検査になりかねません。
無駄…ですか。
じゃあどうしましょうか?分かりました。
患者さんには負担をかけますが早く診断をつけて患者さんの不安を取り除くためにももう一度内視鏡をやってみます。
まあ何もやらないよりましでしょう。
お噂どおり岸流はなかなか厳しいですね。
ではこれで。
(戸の開閉音)岸先生あんな言い方しなくたって…。
はっ?どんな言い方だ?中西先生は患者さんを思ってるだけで何も間違ってないと思います。
相変わらず患者が好きだな。
標本の方がよっぽどいいぞ。
嘘はつかないし感情をむき出しにもしない。
つまり面倒くさくない。
岸先生ってプライベートでも友達いないんじゃないですか?彼女とかも絶対いませんよね。
宮崎先生も彼氏いないんですよね?えっ?いや私友達はいますから。
友達…。
(智文)えっ?また分からないって…。
(中西)はい。
大変ですがもう一度内視鏡検査を行いたいと思います。
(由希子)えっ…。
(智文)あのこういうことってよくあるんですか?ご心配ですよね。
でも確実な診断の下で治療に入るために必要な検査なんです。
いっ…。
(智文)大丈夫か?
(せき)あの先生ホントに大丈夫なんでしょうか?次の検査でホントに分かるんですか?原因を突き止めるために早急に検査をしましょう。
あっ白根さん。
あっ先生。
この前はありがとうございました。
いえいえ。
その後いかがですか?あっ…。
あの…病理の先生に聞くのもあれなんですけど何回も内視鏡やるのってどういうことなんでしょうか?ああ…。
(由希子)あっすみません。
あの原因が分からなくて3回目の内視鏡をやることになったんですけど不安だし色々負担で…。
そうですよね。
(由希子)主人も会社が大変なときなのに無理して来てもらってて…。
・
(智文)由希子会計終わったから。
(由希子)あっ。
あっどうも。
(せき)じゃあ失礼します。
お大事に。
お金大丈夫だった?
(智文)うん。
大丈夫だって。
先生よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では始めますね。
岸先生どうです?何かあります?うるさい。
(森井)やっぱり確定できませんか?ああ。
本当に何も出なかったんですか?岸先生。
はい。
病理的に何もないとしても明確な敷石像と非連続性の不整形潰瘍があるんです。
クローン病としても特異性の高い所見です。
必ずしもではありませんから。
(中西)上行から横行にかけて壁の浮腫狭窄部の存在それに潰瘍辺縁の赤み。
状況証拠は揃ってると思われませんか?例えば非乾酪性の肉芽腫でもあれば…。
(中西)それは検出率5割程度でしょ。
岸先生のおっしゃりたいことは分かります。
でも患者さんの症状は刻一刻と悪化の一途をたどっています。
どうか状況を考えてほしいんです。
状況証拠だけでは確定診断は出せませんから。
(中西)じゃあどうすればいいんですか?病理としてすでにお伝えしたとおり全身検索をお願いします。
(中西)これ以上患者さんに負担はかけられません。
クローン病は内視鏡の病理では出ないこともありますしほぼ間違いなくクローン病だと思うんです。
ほぼ?99%クローン病だとしても1%は他の疾患の可能性ということになりますよね?その1%の可能性をつぶすための検査に医者なら心を折らないでいただきたい。
分かりました。
もう一度だけ内視鏡をやります。
ですが患者さんは入院させて管理を始めます。
不安がっている患者さんとご家族のために。
すみませんね頭が固くて。
ありゃ駄目だな。
状況証拠はちゃんとあるんですよね?状況証拠は証拠とは言えない。
分かってるよな?うちは10割の診断を出すってこと。
分かってます。
ただ患者さんの気持ちを考えると原因がなかなか分からないままってすごく不安だと思うんです。
内視鏡は体に負担がかかるし費用だって内視鏡代プラス生検組織代も毎回掛かります。
さすが元臨床医。
ちゃかさないでください。
中西先生は患者さんのことを考えてらっしゃるからああやって…。
だから駄目なんだよ。
そんな…。
(森井)確かにクローン病って決め付けてる感じですよね。
森井君僕たちだけで勝手に検査を進めよう。
血清感染症がんのマーカーそれから培養も勝手に全部出しちゃって。
あの…一応決まりでは担当医の指示が必要ですしそんなに検査したら高くついてレセプト的にも大問題で大目玉食らっちゃうんじゃ…。
平気だろ。
中西先生言ってたもん。
岸流でやっていい。
帳尻は合わせてくれるって。
あ〜あ駄目だこの人と関わっちゃ。
岸流っていうのはもともとの性格によるものなんですか?それとも誰かの影響なんですかね?
(中熊)申し訳ない。
(医師)中熊教授やめてください。
私の判断ミスでした。
単純CTは飛ばすべきではありませんでした。
(中熊)いやいや僕が心配性なだけだから。
(医師)いえ。
もし出血を見逃すようなことがあったら訴訟沙汰ですからCTは撮るべきです。
(中熊)そうそう。
レアケースってのは逆に言えばいつか必ず起きるということだからね。
その1%の可能性をつぶすための検査に医者が心を折らないこと。
分かりました。
失礼します。
(中熊)またね〜。
(ドアの開閉音)
(佐田)何度も何度も何度も何度も内視鏡検査させてるそうですね。
さすがお耳が早いですね。
過剰な検査は控えるようにって言ってるじゃないですか。
短期間にこんなに内視鏡検査した例なんてありませんよ。
患者にどれだけ負担かけてると思ってるんですか。
僕は他の検査をした方がいいって言ったんですけどね。
(佐田)とにかくこれ以上はやめてください。
いいですね?はい。
(佐田)分かってると思いますがこのままだとこの病理…。
この病理がなくなっ…誰だ?あっ。
はい佐田でございます。
中熊教授からですね。
俺だ。
(佐田)あっ中熊教授お疲れさまでございます。
お先に〜。
(森井・宮崎)お疲れさまでした。
(佐田)えっ?あ〜ちょっちょっ…。
何だ?
(佐田)あっいえ。
何でもございません。
明日例の病理の件で話したいことがある。
(佐田)えっあしたですか?あした…。
あっいえいえ…あの承知いたしました。
はい。
ではお待ちしております。
はい。
失礼いたします。
ったくも〜あっちもこっちも自己中なんだから。
チッ。
おはよう。
(森井)おはようございます。
(森井)ありがとうございます。
あれ?まだ来てないのか?さっきまでいましたよ。
(智文)また分からなかったんですか?すいません。
(由希子)3回も検査して分からないなんて私どうしよう…。
いっ…。
(智文)大丈夫か?
(智文)検査ばかりで妻の症状は悪くなってます。
これ以上分からないなら他の病院で診てもらうことも考えますから。
(中西)もちろん疾患の見当はついていますが念には念を入れる意味で決定的な病変の確認をするために検査を行っています。
妻は苦しんでるんです。
何とかしてください。
(中西)分かりました。
ではこのまま入院していただいて状態の管理を行います。
それで最後にもう一度だけ検査をさせてください。
(智文)大丈夫か?白根さんかなりつらそうでした。
僕もつらいですよ。
診断が確定するまでは何もできませんから。
すみません。
(中西)宮崎先生を責めてるわけじゃありません。
岸先生は100%の診断を求めてるだけなんです。
分かってます。
次はクローン病の確定診断が出るはずです。
はい。
(中熊)ザッキー。
あれ?元気ないね。
かわい子ちゃん台無しだ。
よし行こう。
えっ?分かってるつもりなんです。
病理は徹底的にデータと向き合って冷静に判断し診断を確定しなきゃいけないってこと。
(中熊)うん。
でもどうしても患者さんのこと考えてしまって。
ザッキーは優しいからね。
岸先生はどうしてあんなふうに冷静に診断することができるんでしょう?ちょっと異常なんじゃないかって思っちゃうぐらい。
(中熊)異常ねえ。
あっ。
中西先生を困らせるためだけにやってるんじゃ…。
(中熊)フフ。
そんなわけないですよね。
いやあいつは良くも悪くも執着心が強いからね。
すまないなザッキー。
俺はあんなふうに育てた覚えないんだけどね。
あっいえそんな教授は関係ないです。
岸先生はどなたが指導医でも変わらないと思います。
そうだよね。
俺のせいじゃねえなありゃ。
ハハ…はい。
フフフフ。
(中熊)フフ。
やっぱりザッキーは笑顔だよ。
フフフフ。
あっこんな時間。
ちょっと急ぎます。
んっ。
お先に。
(宮崎・森井)お疲れさまでした。
宮崎先生あの…。
はい?やっぱりいいです。
えっ何です?あっいやホントに。
えっ?ホントに何でも言ってください。
何ですか?今夜空いてます?えっ?あっ…あっ。
(火箱)あ〜よかった。
やっと一緒に飲んでくれるんですね。
森井さん。
13回お誘いしたかいがありました。
あの私お邪魔なんじゃ…。
いえいてください。
(火箱)森井さん私に冷たいのかな〜?ただシャイなだけなのかな?私やっぱり帰ります。
いいんです。
いてください。
ただの営業なんですから。
営業?あっご挨拶が遅くなりました。
アミノ製薬の火箱直美です。
病理科の宮崎先生です。
どうも。
何度も言ってますが病理に取り入っても無駄です。
患者に薬を処方しないんだから。
別に目先の売り上げだけで生きてるわけじゃありません。
とはいえ今日は営業なんでホントはごちそうして恩を着せたいところなんですけど以前と違って今は接待を規制されてるんで割り勘で何とぞよろしくです。
あっ…はい。
まあ私は接待なんてない方がいいと思いますけどね。
だってお金で落ちる医者はお金で裏切るじゃないですか。
私もそう思います!ですよね!はい!今日は飲み明かしましょう。
(火箱)はい。
じゃあビールでいいですか?
(火箱・宮崎)はい。
あっ私焼き鳥も食べたい。
(森井)すいません。
(店員)はい。
(森井)瓶ビールの大2つとグラスを3つ下さい。
(店員)はい。
かしこまりました。
(男性)清水さん!清水さん!
(森井)大丈夫ですか?どうなされたんですか?
(男性)飲んでたら急に倒れて。
(森井)大丈夫ですか?
(森井)救急車呼んでください。
あっはい!すいません!横にしますよ。
大丈夫ですか?分かりますか?大丈夫ですか?
(男性)お願いします。
(森井)患者さんの名前は清水芳樹さん41歳。
既往歴服薬してる薬は不明です。
意識レベルはJCSで200以上。
顔面蒼白瞳孔正常外傷なし。
橈骨動脈は触れますが低体温。
かなり悪いです。
酒量は30分で酎ハイ2杯程度。
口腔内に吐しゃ物はほとんどありませんでした。
いや〜助かりました。
どちらのドクターですか?いや僕は違います。
ドクターはこちらです。
あっはい。
ありがとうございます。
(火箱)いいえ。
いや〜びっくりしましたね。
何か森井さん私より医者みたいでしたよ。
何なんですか?それ。
たまたま救命の講習受けたことがあるからですよ。
(火箱)ホントにそれだけですか?他に何があるんですか?私も救命の講習受けた方がいいですかね?
(戸の開く音)
(細木)あれ?
(細木)定時で帰ったんじゃなかったの?
(細木)宮崎先生のせいで残業なんだ。
ハァ…。
ねえあんたさ実は結構気に入ってんでしょ?宮崎先生の青臭いところ。
何のことだ?それともあんたと同じで専門変えて病理入ったから?うわ〜!あっあっ…。
あっいやあの…あの傘です傘。
あの…急に雨が降ってきちゃって。
あれ?岸先生もうお帰りなんじゃ…。
あっごめんなさい。
失礼します。
(戸の閉まる音)ホント面白いねあの子。
おい重いよ。
そういえば理事長あんたのこと疎ましく思ってるよ。
中熊教授の動きも怪しいし。
行くとこないのかよいい年こいて。
あんたこそ私以外友達いんの?だから重いよ。
あ痛〜!バイオプシー。
(女性)はい。
先生由希子は大丈夫なんですか?何の病気か分かりましたか?はい。
クローン病という炎症性の腸疾患です。
(智文)クローン病?
(中西)はい。
慢性的な腹痛や下痢発熱体重減少。
症状が進めば腸に穴が開くこともあります。
(由希子)えっ?
(中西)ですがご安心ください。
きちんと治療を進めればまず命の危険はありませんので。
(由希子)はっ…はい。
(智文)先生よろしくお願いします。
(中西)治療は免疫の働きを抑える薬が中心となります。
早速投薬の準備をしましょう。
(森井)どうですか?何か出ました?いや。
あの…。
んっ?やっぱり病理じゃクローン病の診断は出せないってことですよね?当たり前だろ。
何か不満か?あっいえ。
ようやく何の病気か分かりました。
大変な病気ですけど原因が分かって主人も私もほっとしてます。
治療を始められてよかった。
よかったです。
これで安心ですね。
はい。
中西先生組織診の結果が出たのでご報告をと。
わざわざありがとうございます。
どうぞ。
4回目の組織診からも決定的なものは何も出ませんでした。
つまり診断がつかないということです。
そんな…。
そこでお願いがあって参りました。
これだけ内視鏡やって何も出ない以上大腸以外の原因にも目を向け中西先生が無駄だとおっしゃった全身の検査を考えていただけないかなと思いまして。
岸先生は噂以上の人でした。
それはどうも。
これではいつまでたっても患者さんの治療なんてできません。
必要な検査をしていただかないといつまでたっても診断なんてできませんから。
差し出がましいとは思いましたが検査技師が感染症を前提に違うアプローチを試してます。
そんな指示僕は出してない!最後の検体のチールネルセンでごくわずかだが陽性所見あり。
それと明日の夜に培養の中間報告が出たところでもう少し見えてくるものがあるでしょう。
もうクローン病の治療を始めましたから。
それが見切り発車だということを患者には伝えたんですか?僕はクローン病だと信じています。
信じてる?患者には真実ではなく自分が信じてることを伝えたってことか?そういうの何て言うか分かるか?嘘っていうんだよ。
岸先生あの…中西先生は患者さんを不安にさせないようにしてるだけじゃないですか。
白根さん痛みも続くしずっと不安だったんです。
だから…。
お前知ってたのか?あっ…。
もちろん病理の診断報告書に絶対に嘘は書けません。
確実な証拠がなければ診断できないことは分かってます。
でも実際白根さんだって治療が始まってすごく安心してましたし…。
だからって見切り発車したことを黙ってたのか?ですからそれは…。
お前は嘘をつきたくなくて病理に来たんじゃないのか?もう議論は必要ありません。
患者さんとの話はもうついてるので。
まだ俺との話がついてないだろうが。
はい。
(看護師)白根さん急変です!激しい腹痛で呼び掛けにも答えられない状態です!急変?白根さんが?
(看護師)大丈夫ですか?先生喀血です!
(中西)喀血?ちょっと待て。
何で喀血…。
吐血じゃなくて喀血なんだな?血液の状態から喀血だと思われます。
肺…。
患者はせきをしてなかったか?いや僕が診ている間は特に。
じゃあ患者の家族は?家族?あっご主人がせきをしていました。
(せき)・
(呼び出し音)森井君IGRAすぐ頼めるか?はい。
でもそれって…。
結核疑いだ。
えっ?えっ?結核…。
すぐ頼む。
あっはい。
分かりました!結核なら飛沫感染するぞ。
個室に移して入室管理。
感染元になったやつがいるはずだ。
近親者で2週間以上風邪症状を示す者も同様に。
何してるすぐ行け!私行きます!
(戸の開く音)そんな…。
喀血?がんや真菌感染は検査で否定的。
となれば他に何がある?せきもしてなかったのにいきなり喀血だなんて。
お前がそうさせたんだよ。
えっ?おそらく最初の疾患は肺結核。
感染しても発症するとは限らない。
実際多くは発症にまで至らない。
だから自分が結核患者だと知らないやつは山ほどいて彼女もそのうちの一人だった。
発症しなければ外に菌をまき散らしもしない。
でも体内は別だ。
唾液や血液が結核菌を運び運悪く腸で発症してしまった。
それをお前がクローン病だと決め付けて免疫抑制剤を患者に投与した。
それが腸結核を進行させ発症していなかった肺結核まで開花させちまったんだよ。
違う!はっ?患者の腕にはBCGの痕があった。
予防接種済みだ。
だから結核じゃない。
乳児期のBCGなんてこの患者の年まで持つわけないだろ。
おいおい専門外のことは何も知らないのかよ。
そんな…。
この僕がそんなミスをするわけがない。
(看護師)白根さん。
白根さん大丈夫ですか?えっと救急カートと吸引準備!
(看護師)はい!先生お願いします。
はい。
白根さん大丈夫ですか?巻きますね。
患者のためを思って早く治療してあげたかった。
そうなのか?違うよね?自分のプライドが許さなかったんだ。
消化器内科のエースが患者に不信感を持たれるわけにはいかない。
病理に検査の指図をされるなんてとんでもない。
自分が見立てたとおりクローン病でなければならない。
フッ。
どれだけ高いプライドだか知らないけどさそんなんじゃそのうち人殺すよ?いいかい?君が医者でいるかぎり僕の言葉は絶対だ。
緊急の気管支鏡準備してもらってください。
(看護師)はい。
感染対策室にも連絡お願いします。
白根さんマスク着けますね。
失礼します。
白根さん大丈夫ですよ。
(看護師)お願いします。
はい。
吸引しますね。
お口開けられますか?失礼します。
いや〜穏やかなカンファだったな。
中西先生がフォローしてくれるとは。
さすがわが友。
患者も落ち着いて手厚い治療を受けてるようだし。
よかったな。
あの岸先生…。
すいませんでした。
目の前の患者さんの気持ちにとらわれて大切なことを見失ってました。
患者が好きだろうとそんなことは関係ない。
100%の診断をする。
それだけだ。
ありがとうございました。
(由希子)夫婦で結核だなんて時代劇だけの病気じゃないんですね。
フフ…今は治療すれば治りますよ。
入院は少し長くなってしまいますけど。
治るんですよね?はい。
正確な診断がつきましたから。
宮崎先生ありがとうございました。
あっいえ私は…。
あっお疲れさまです。
(中熊)ザッキー聞いたよ。
消化器内科で大活躍だったんだって?やめてください。
そんなんじゃないです。
(細木)やっぱり臨床の方が向いてんじゃない?そんな…何言ってるんですか。
(森井)さあ仕事こんなにたまってますからね〜。
はい。
・はい病理です。
はい。
ああ…それはですねまず脳の出血の疑いを100%否定するために必要な検査をしていただきたくて。
えっ?無駄な検査?いや万が一ってことがある以上必要な検査です。
はい。
はい。
あっ…いやですからそこは医者が心折っちゃいけないと思います!いやですから病理としては…。
・
(通話の切れる音)はあ?ちょっと私行ってきます。
ちょっと…頭にくる。
どっからどう見ても殴り込みですよね?
(細木)誰かさんみたいね。
おい岸。
何ですか?たまには俺と一緒に飲みに行っちゃう?行きませんよ。
いいじゃねえかよ。
行きませんって。
お前だってその気分なんだろ?どうしよっかな〜。
行こう。
行きませんよ。
(中熊)けっ。
このドラマの原作コミックをセットでプレゼント
うちは10名出しますよ。
僕の言葉は絶対だ
2016/01/27(水) 22:00〜22:54
関西テレビ1
フラジャイル #03[字][デ]【長瀬智也主演!嘘の診断は許さない!!】
仲間!?敵!?岸に歩み寄ってくる、医者が登場。病気の原因が出せなくて繰り返される内視鏡検査、患者の負担は増すばかり・・・岸は正しい診断が出せるのか!?
詳細情報
番組内容
岸京一郎(長瀬智也)が電話口で相手を怒鳴りつける病理診断科の朝。細木まどか(小雪)も顔を出す。電話を終えた岸は、宮崎智尋(武井咲)に診断を受け持つように指示。診断のチェック方法を尋ねる宮崎だが、岸は確認しないと言う。戸惑う宮崎に、細木や森井久志(野村周平)は何の助け舟も出さない。
宮崎が岸に意見しようと追うと、ロビーで白根由希子(原田佳奈)、智文(清水伸)夫婦に会った。大腸の内視鏡検査を受ける
番組内容2
という由希子を宮崎が案内する。
岸は消化器内科のカンファレンスに出席。宮崎が遅れて会議室に入ると、いつものように医師の報告に文句をつける岸。しかし今回は岸の意見に最初から同意する中西篤也(中村俊介)が現れた。
その中西が病理診断科に現れ、内視鏡検査を行う由希子の最初の疾患鑑別を岸に求める。中西自身は回盲部(小腸と大腸のつなぎ目付近)に何かあると見ているが、岸は答えない。それでも岸に診断を任せる
番組内容3
と言う中西。
由希子の内視鏡検査が行われ、組織片が病理診断部に送られてきた。クローン病を疑う中西だが、岸は確定できないと答える。その後も中西は何度も由希子の内視鏡検査を行うが、岸は病気の確定をしない。
そんな時、宮崎は中熊薫(北大路欣也)と昼食。岸と中西の話をする宮崎に、中熊は苦笑い。その夜、宮崎は森井に誘われる。少しドキドキの宮崎だが、居酒屋で火箱直美(松井玲奈)という女性を紹介されて…。
出演者
長瀬智也
武井咲
野村周平
松井玲奈
・
小雪
・
津田寛治
北大路欣也
他
スタッフ
【原作】
「フラジャイル」原作・草水敏 漫画・恵 三朗(講談社「アフタヌーン」連載)
【脚本】
橋部敦子
【音楽】
林ゆうき
橘麻美
【主題歌】
TOKIO「fragile」(ジェイ・ストーム)
【編成企画】
成河広明
池田拓也
【プロデュース】
小林宙
【演出】
石川淳一
城宝秀則
池辺安智
【制作】
フジテレビ
【制作著作】
共同テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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