天皇、皇后両陛下が訪問中のフィリピン。戦後間もないころ、当時のエルピディオ・キリノ大統領(1890~1956)は、収容していた日本人のBC級戦犯全員を特赦した。両陛下は28日、キリノ大統領の孫娘ルビーさん(62)らと懇談する。この対面を特別な思いで見守る人がいる。

 特赦の4年前から戦犯の釈放を求める200通超の手紙をキリノ氏らに送り続けた島根の画家、加納莞蕾(かんらい)(1904~77)。娘の佳世子さん(71)=島根県安来市=は「フィリピンでの戦争に対する陛下の真摯(しんし)な思いを感じます」と話す。

 莞蕾は戦犯を許すことが「日本人が過去を反省し、懺悔(ざんげ)し、軍国主義を拒否することになる」と訴えた。佳世子さんは昨年からルビーさんとメールをやりとりするようになり、昨年11月にはキリノ氏の出身地ビガンで開かれた生誕125周年の式典に招かれた。