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出勤してもいい?ノロウイルスの感染期間と完治の判断基準

更新日:2015/08/13

ノロウイルスの基礎知識

ノロウイルスに感染してしまった場合、回復していつから出勤してもよいのか、疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。ここでは、ノロウイルスについて、出勤停止期間は定められていないものの、他人に迷惑をかけてしまう可能性があることを医師の監修のもと、詳しく説明します。

女性

毎年冬になると猛威をふるい、子ども達の集団感染が問題となるノロウイルス。感染力が非常に強いことに加えて、感染経路も多岐にわたり、大人の感染も多いのが特徴です。ノロウイルスに感染してしまった場合、いつから出勤してもよいのか疑問に思いながらも、休めないからといって出勤されている方も多いと思いますが、自分でよいと判断しても、周りに感染してしまうリスクはゼロではありません。そこで今回は、ノロウイルスに感染した場合、いつから出勤しても良いのかを、感染期間と完治の判断基準と合わせてご説明します。

感染時の出勤停止期間は定められていない

実はノロウイルスに感染した場合、法律による出勤停止期間は一般的に定められていません。また、同様のことは学校に通う子ども達にもあてはまります。その理由として、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は、学校保健安全法により指定される学校感染症に含まれていないからです。

ただし会社(および学校)によっては、ノロウイルスに感染した場合の出勤(出席)停止期間が定められていることもあるので、一度きちんと確認してみることが大切です。

ノロウイルスの体内保有期間

ノロウイルスの潜伏期間および発症期間は一般的に短く、体力のある大人の場合は数日で症状がなくなる、もしくは、風邪のような症状のみでおさまることもあります。

しかし、ノロウイルスの感染力は発症から1週間程度と長く続きます。特に発症後3日間に関しては、感染力が非常に強く残っているため、注意が必要です。

また現状、腸管で感染したノロウイルスに対する抗ウイルス薬やワクチンなどはないため、免疫の力で体内から排泄されるのを安静に待つことが大切になります。嘔吐や下痢などの症状がおさまったとしても、体内にノロウイルスは残っており、便として排泄され続けているのです。

体内におけるノロウイルスの保有期間を短縮するためには、ヨーグルトなどの乳酸菌飲料を摂取し、腸管の細菌の働きで免疫力を高める方法などがあります。

いつから出社すべきか

万全を期すためにも、ノロウイルス感染後5日から1週間程度は、自宅で安静にすることが望まれます。前述したように、体調が回復してもノロウイルスは便内に排泄され、他の人を感染させてしまう可能性が完全にはなくならないからです。目安としては嘔吐、下痢の症状消失後48時間以降がよいでしょう。ただし、慎重に考えるケースでは日数だけで自己判断することは避け、医療機関にて検便などの検査を行い、治癒の証明書を発行してもらってから出社するようにしましょう。

ノロウイルスの感染力は非常に強いため、集団感染を防ぐためにも、自分だけの問題ではないという意識を持つことが重要です。仕事を休めないからと無理をせず、嘔吐や下痢などの症状があるうちは自主的に出勤を控え、しっかり身体を休めましょう。

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