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アカデミー賞注目作の主演女優に聞く1月28日 11時56分
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来月発表されるアカデミー賞で、注目を集めている映画『キャロル』。ハリウッドの大女優、ケイト・ブランシェットさんと若手女優のルーニー・マーラさんが共演。2人はこの映画で主演女優賞と助演女優賞にノミネートされています。
60年前の同性愛のかっとうを描いたこの作品への思いを来日したケイト・ブランシェットさんに聞きました。
60年前の同性愛のかっとうを描いたこの作品への思いを来日したケイト・ブランシェットさんに聞きました。
アカデミー賞注目作『キャロル』
物語の舞台は、1950年代のアメリカ・ニューヨーク。高級百貨店のおもちゃ売り場でアルバイトとして働く、ルーニー・マーラさん演じるテレ―ズの前に現れるのが、ケイト・ブランシェットさん演じるキャロルです。2人はこの出会いに運命的なものを感じ、お互いに意識し合います。夫と子どもがいるものの、夫婦仲は冷え切っていたキャロルと、自分の生き方を模索する若きテレ―ズ。お互いの状況を知った2人は、愛し合うようになります。60年前の時代には許されなかった2人の女性の関係が描かれます。
若い女性と恋に落ちる主婦・キャロルを演じたケイト・ブランシェットさんはこう語ります。
「キャロルは(原作では)ミステリアスに描かれているのですが、脚本ではキャラクターがはっきりしたので気に入りました。キャロルは孤立していて感情を表に出さない人です。不幸な結婚生活に妥協していた時に若い女性店員と出会います。そこで抑えてきたはずの感情が突然激しく情熱的に噴き出すのです。彼女は典型的な同性愛者ではなくどんなグループにも属しません。だからテレ―ズに対する自分自身の思いがけない気持ちに戸惑うのです」
若い女性と恋に落ちる主婦・キャロルを演じたケイト・ブランシェットさんはこう語ります。
「キャロルは(原作では)ミステリアスに描かれているのですが、脚本ではキャラクターがはっきりしたので気に入りました。キャロルは孤立していて感情を表に出さない人です。不幸な結婚生活に妥協していた時に若い女性店員と出会います。そこで抑えてきたはずの感情が突然激しく情熱的に噴き出すのです。彼女は典型的な同性愛者ではなくどんなグループにも属しません。だからテレ―ズに対する自分自身の思いがけない気持ちに戸惑うのです」
原作者の体験に基づいた作品
原作者は同性愛者として知られる女流作家のパトリシア・ハイスミス。この作品は彼女自身の体験を基に書かれ、周囲の目も厳しい時代にこの本を出版しています。
「ペンネームで書かれた小説で、彼女自身の名義では出版しなかったのです。当時アメリカでは同性愛が法律で禁止されていました。女性どうしの恋愛は地位を与えられていなかったのです」
「ペンネームで書かれた小説で、彼女自身の名義では出版しなかったのです。当時アメリカでは同性愛が法律で禁止されていました。女性どうしの恋愛は地位を与えられていなかったのです」
2人の恋愛の結末は
テレ―ズへの感情を抑えることができないキャロル。離婚を考えていた夫ハージとの関係が、ますます冷えきっていきます。キャロルの性的なしこうが明らかになり、実の娘と面会する権利まで奪われそうになります。さまざまな困難に直面しながらもキャロルは自分の気持ちに正直に生きようとします。
「『娘を取るのか、自身のアイデンティティを取るのか』キャロルは選択を迫られます。現代ではこうした二者択一を迫られることはないでしょう。障壁は昔のほうがずっと大きかったと思います。ただ私はいまだに偏見は残っていると思います。あらゆる人が必ずしも共感するかは分かりませんが、共通点を見いだして初めて恋に落ちた時のことを思い出すでしょう。この作品は、同性の恋愛だけにとどまる話ではありません。それよりも普遍的な映画だと私は思っています」
映画『キャロル』は来月11日に公開されます。
「『娘を取るのか、自身のアイデンティティを取るのか』キャロルは選択を迫られます。現代ではこうした二者択一を迫られることはないでしょう。障壁は昔のほうがずっと大きかったと思います。ただ私はいまだに偏見は残っていると思います。あらゆる人が必ずしも共感するかは分かりませんが、共通点を見いだして初めて恋に落ちた時のことを思い出すでしょう。この作品は、同性の恋愛だけにとどまる話ではありません。それよりも普遍的な映画だと私は思っています」
映画『キャロル』は来月11日に公開されます。