注目すべきは、お金の「量」
年初からの世界の株式市場は大荒れの展開である。その理由としては、①原油価格の下落、②中国経済の先行き不安、の2点が指摘されることが多い。
このところ調整が著しい米国株価動向についても、大多数の市場関係者は、これらの2つの要因が大きく影響しており、米国経済のファンダメンタルズは依然として概ね良好である、というのがコンセンサスである。
確かに、昨年来、米国景気を牽引してきた自動車販売と住宅投資は依然として堅調を維持している。自動車や住宅の購入には通常、ローンが用いられることが多く、利上げによる借入金利上昇懸念がこれらの購入を抑制する可能性も指摘されていたが、その兆候はない。
また、非製造業の雇用拡大も続いており、現時点では、まだ、実体経済に利上げの影響は現れていないようだ(ただし、製造業はドル高、鉱業は原油安の影響で、減速が顕著になっており、警戒する必要があるが)。
ところで、多くのエコノミストや市場関係者は、FRBの「利上げのペース」に注目している。そして、利上げのペースが緩やかであれば、実体経済への影響は小さく、「バブル」的な株価上昇等を抑制するという意味でむしろ歓迎すべき話であるとの声も聞かれる。
だが、米国で注意すべきは、「利上げのペース」という金利の問題ではなく、むしろ、お金の「量」の問題である。
より具体的にいえば、昨年12月16日の利上げ以降、マネタリーベースが減少しつつある点だ。マネタリーベースの変動は株価の変動との相関が高く、今後のマネタリーベースの推移は、米国株価の先行きを占う上で重要な要因であると考える。
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