【水原聯合ニュース】ソウル郊外、京畿道水原市は今年を「水原華城訪問の年」と定め、観光関連施設の拡充やサービスの向上に努めている。
水原市には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録されている華城がある。朝鮮王朝第22代王の正祖が築城してから今年で220年となる。ほかにもテーマパークのエバーランドや韓国民族村などの主要観光地に近い。
市内の繁華街は中国人など観光客を乗せた大型観光バスが行き交っている。ソウルに比べると物価が安く、観光ホテルなど宿泊施設が十分な水原に泊まり、ソウルや仁川などの観光地をめぐる旅行者も増え始めた。
市は訪問の年の今年に限らず、国内外の観光客を呼び込み続けるための取り組みを進めている。
◇多様な宿泊施設を整備
市内には28カ所の観光ホテルがある。客室は2115室。市は今年2回にわたり観光ホテルに対する安全点検と衛生教育に乗り出し、ホテルのサービス改善を目指す。
「民泊」も活性化させる。ゲストハウスやホームステイなど現在12の施設があるが、外国人観光客向けの民泊業者と運営希望者に補助金を支援する方針だ。
また、市が所有する韓国伝統家屋を改装し、3月から伝統家屋宿泊体験の場に活用する。旧農漁村開発研修院は340人を収容できる観光型ホステルとして10月にオープンする計画だ。
◇ソウル・江南へのアクセス便利に
ソウル市の江南駅と京畿道城南市の亭子駅を結ぶ鉄道、新盆唐線が今月30日に延伸開業する。亭子駅から水原市の光教駅まで12.8キロ延び、江南駅から光教駅まで30分台で移動できるようになる。水原を訪れる観光客が増加すると見込まれる。
ソウル駅乗り換えセンターや蚕室駅、舎堂駅などソウルの各エリアと水原間を往復するバス路線は40路線に上る。
水原駅は釜山や大田、大邱など主要都市と高速鉄道(KTX)で結ばれている。仁川国際空港からは空港バスが約20分おきに水原各地に運行しており、外国人観光客もソウルを経由せず水原に移動できる。
市は今年から市内の主要バス停留所で英語の案内放送を開始し、路線図の表記はハングルと英語のほかに中国語を加えるなど、外国人向けに交通サービスの改善を進める。
◇案内所や観光解説員増やす
水原市は華城と水原駅、バスターミナルなどに観光案内所10カ所を設置し、総合観光案内表示板を市庁前など16カ所に立てた。
訪問の年の総合広報館は華城の行宮広場と駐車場に設置し、外国語ができるボランティアと文化観光解説員を通じ観光情報を提供する。文化観光解説員は現在の54人から65人に増員し、華城一帯だけでなく伝統市場や水原駅にも配置する予定だ。
華城一帯には公衆無線LANサービス「WiFi(ワイファイ)」ゾーンを設ける。
市の関係者は「今年一年、観光コンテンツの発掘と既存の観光インフラの補完・改善に注力し、訪問の年の後も引き続き観光客が水原を訪れるようにする」と意欲を示す。