北朝鮮に対する監視、偵察、攻撃能力強化のため、偵察はもちろん、ミサイル攻撃の能力も持つ最先端無人攻撃機「グレーイーグル」が今年中に在韓米軍に配備される見通しとなった。現在、韓国軍は無人攻撃機を保有しておらず、また在韓米軍に配備されるのも今回が初めてだ。
在韓米軍の事情に詳しい消息筋は26日「米軍は最新型無人攻撃機グレーイーグルを早ければ7月、遅くとも今年の年末までに在韓米軍に配備する計画を進めている」「米軍は常時配備に先立ち、昨年グレーイーグルを群山空軍基地に臨時配備し、韓半島(朝鮮半島)での運用テストを行った」などと明らかにした。現在、在韓米軍にはグレーイーグルよりも性能面で劣る無人偵察機シャドー200などが配備されている。
米国はイラク戦争やアフガニスタン戦争で、イスラム過激派アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者など敵の幹部を追跡するため無人機プレデターを使ったが、グレーイーグルはこれをさらに改良し、攻撃力や飛行・偵察能力を強化したものだ。赤外線カメラなど全天候型夜間監視カメラを装備し、30時間以上の連続飛行が可能なため、非武装地帯(DMZ)や西海(黄海)北方限界線(NLL)などで北朝鮮との緊張が高まった際、監視や偵察活動に大きな力を発揮しそうだ。
グレーイーグルは8キロ先の敵の戦車を攻撃できるヘルファイア対戦車ミサイルと、最新型の小型精密誘導弾GBU-44/Bバイパーストライクをいずれも4発ずつ装着可能だ。とりわけバイパーストライクはGPS(衛星利用測位システム)やレーザー光線により誘導され、目標を1メートルの誤差で攻撃でき、しかも重さはわずか20キロしかない。上記の消息筋は「グレーイーグルは1日以上の長時間にわたり滞空できるため、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が内密に延坪島に近い島を自由に偵察するのは難しくなるだろう」と予想した。またグレーイーグルはスティンガー空対空ミサイルも装着可能で、敵ヘリコプターも攻撃できる。2009年から実戦配備されており、アフガニスタン戦争でも大活躍した。1機当たりの価格は200億ウォン(約20億円)を上回る。