どこか昭和を彷彿とさせる衣装、そして一度聴いたら耳に残る中毒性の高い楽曲で確固たるポジションを作ってきたシンガーソングライター・町あかり。
『musicるTV』(テレビ朝日系)で綾小路翔&ヒャダインがその才能を賞賛し、2014年には電気グルーヴが25周年記念ライヴのオープニング・アクトとして抜擢するなど、インディーズ時代から注目を集めている。
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町あかり
昨年、アルバム『
ア、町あかり』で満を持してメジャーデビューした後も、精力的にライブ活動を続ける彼女に今回インタビューを敢行。今後目指す場所について聞いてみた。
(Youtube:
https://www.youtube.com/watch?v=wXX6JNovOU4)
――昨年メジャーデビューを果たして、町さん的にここまでの活動は順調に来ていると思いますか?
町:順調…とっても運がいいなあとは思ってます(笑)。
――共演のオファーが来た電気グルーヴとか、最近だとアルバム曲の『お悩み相談室』を「ゾッとするぐらいの名曲」と評した元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんとか、影響力のあるミュージシャンが次々と町さんを“発見”していますよね。
町:そうですね。ありがたいことに口コミとか人づてで、そういった方に知っていただくことが多いです。
――では今後も口コミで広まって行けば、という感じですか。
町:どちらかと言うとインタビューは苦手なので、そっちの方が私は嬉しいです(笑)
――おお、それは意外でした! ライブ映像などを見ていると、堂々としたパフォーマンス姿が印象的なので。
町:私、本当は人前に出ることが苦手なんです。でも好きで作ったものを広める術として、ライブやイベントはどんどんやっていきたくて…。たまたま愛想は良いし(笑)、この身を利用して頑張っていこうという気持ちです。
自分の歌が“大衆ソング”になって欲しい
――町さんは曲も衣装もライブ演出も全て自分でプロデュースしていますが、今のスタイルになったのはいつごろからですか?
町:始めたころからそうでしたね。自分でトラックを作って歌ってという。
――特徴的なライブ衣装には何か狙いがあったんですか? たとえば、「目立ってやろう」とか。
町:それはないですね。計算とか戦略とか、そんなことは全然考えてなくて。衣装だけではなく絵も歌もですが、単純に“作ること”が好きなんです。それを続けていったら、結果こうなっていたという感じです。
――「町あかり」という存在を世に広めたいのではなく、ただ単純に自分が作った歌を世に広めたいという思いなんですね。
町:本当にそうなんです。聴き込んでいるわけでもないのに、ふとした時に頭に浮かぶ歌ってありませんか? 私はよく南沙織さんの『17歳』の「♪だ~れもいない海」というフレーズが頭の中に流れるんですけど(笑)。自分の歌もそんな風に、誰の耳にも残る“大衆ソング”になって欲しいなと思ってるんです。
「イヤな気持ちになりそう」と言われたら嬉しい
――では、インパクトが大きいタイトルの曲が多いのも“歌を多くの人に知ってもらうため”という明確な目的があるからですか?
町:そうです。もちろん、他の人のライブを見ていると「声がいいな」「歌上手だな」とかは思うんです。でも、ライブを見た30分後に「どんな歌を歌ってたっけ」と考えても思い出せないことがあって。
だから『
もぐらたたきのような人』のように、一回聴いただけで耳に残るフレーズを入れようとは考えています。聴いた人が家に帰ってまた検索してくれる可能性もありますし。
――それを聞いて、町さんが以前言っていた「なるべく多くの人を困らせたい」というのを思い出しました。
町:え、私そんなこと言ってましたっけ!?
――町さんの過去発言を集めたTwitterのbotで拝見しましたよ。
町:bot…恥ずかしい(笑)。でも、近いことは近いかもしれないです。『
いちめんのコスモス』(※歌詞のおよそ9割が「いちめんのコスモス」で占められている)を聴いて「頭の中でずっとループしてイヤな気持ちになりそう」とか言われたら嬉しいですし。
――最後に今後の活動の展望などを教えてください。
町:これからも面白いことを模索しながらやっていきたいと思っています。全然私のことを知らない人たちがいる場に出て行くことは燃えるので、イベントのお誘いはもちろん、夏フェスとか面白そうなイベントにはどんどん出ていきたいですね。とにかく、小さな子が口ずさむぐらいに自分の歌が広がって欲しい、ただそれだけなんです。
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その衣装や楽曲から、彼女を色眼鏡で見てしまう人もいるかもしれない。だが、一度聴いてみると、そんな先入観をいともたやすく覆すほどの親しみやすさを持っていることがわかる。将来、彼女の楽曲が、老若男女口ずさめる「大衆ソング」になる日もそう遠くはない。
●公式Twitterは
@mcakr
<取材・文/東田俊介 撮影/長谷英史>