時々読み返すとオタク的気付きがある本「ハッカーと画家」。
ザ・オタクのPaul Graham氏が「オタクってよー」という論調で書いた愛と自虐のエッセイ集。
今回読み直して「おっ」と思ったのが才能だけでは不十分で天才的な成果を得るには「もうひとつナニカ」が要るって話。
英語を私なりに超訳してしまうと、
- レオナルド・ダ・ビンチやミケランジェロは間違いなく天才。
- 当時のイタリアの人口は今から考えると驚くほど少なかったのに、その中から天才達が続出したのは驚異的。
- ルネサンスの時代から600年ほど経って、その間にアメリカや全世界では何倍もの人が生まれては死んでいる。
- この600年の間にどこかでアメリカ版天才レオナルドや日本風ミケランジェロが存在したと考えてもおかしくない。
- でもレオナルド・ダ・ビンチを超える画家は出ていない。(ちょっと乱暴な論説だな)
- 天賦の才能を持って生まれた人材でもその才能を開花させるには才能にプラスして「1450年のフィレンツェ」が必要。
- 同じ課題に取り組む才能ある人達のコミュニティーが重要
この後もなんかハッカーとはなんたら、とかまたオタク的な論説があったような気がするけど、ここまで読んで「ふむふむ」となってしまって後のことは覚えていない。
ここからは読んで考えたこと。
本当に多くの天才が現在の世の中に点在してたとして、彼らはその才能を発揮するための手段を選ぶことになる。すると高い割合で分野としてソフトウェアを選ぶはず。別に絵画でも建築でもいいんだけど、ソフトウェアは天才の考えをダイレクトに形にして全世界にばらまけるから。で、その時にその天才を支えるコミュニティーはおそらく1450年のフィレンツェのように地理的に限定した場所になるのではなく、ネット上になる。今のところそれはGitHubやStack Overflowなのかな、と。
Stack Overflowにおバカな質問をしていてもそれはまわりまわって天才をささえているんじゃね?と思った。
英語版はウェブにも公開されているようですがとりあえす両方載せときます。
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