十勝毎日新聞社ニュース
上厚内神社 100年の歴史に幕 浦幌
- 2015年11月6日 13時55分
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遷座祭に臨んだ上厚内地域の住民と背古宮司(右から2人目)
【浦幌】町上厚内地区にある上厚内神社の御神体が2日、浦幌神社(背古宗敬宮司)に合祀(ごうし)され、明治の開拓期以来100年余りの歴史に終止符が打たれた。毎年9月に祭礼を行うなど地域に親しまれてきたが、住民が減少し維持や管理が困難になった。住民は寂しさを感じるとともに、無事に遷座(せんざ)を終えて安堵(あんど)の表情をみせている。
上厚内神社の社殿ではこの日、氏子4人と関係者らが見守る中、遷座祭が執り行われた。参列者は一人ひとり玉串をささげて参拝し、家内安全など今日までの感謝を表した。背古宮司が祝詞をあげ、御神体を慎重に抱えて移動。浦幌神社では関係者が集まって合祀祭が行われ、遷座を終えた。
開拓以来の歴史に終止符を打った上厚内神社
昨年までは毎年9月7、8日ごろに祭礼が行われてきた。境内には正式に神社として登録された28(昭和3)年に今村氏が奉納したちょうず鉢などが残されている。
同地区は09年ごろに入植が始まり、71年発行の町史によると、69年には41戸が居住していたが、時代の流れで人口が減少し、現在はわずか3戸5人となった。
総代長を務めていた山本清孝さんは7月に他界。妻のサツコさん(72)は「夫が亡くなる前から(合祀は)地域で相談していた。無事に終わり一安心。夫に報告する」と話した。