(伊達)どうも!「東北発☆未来塾」応援団長のサンドウィッチマンです。
(宮澤)どうも。
今月の講師は宮城県にあるお寺の住職金田諦應さんですね。
そうですね。
被災した人たちの心を癒やす「聴くチカラ」を学ぶために塾生たちはいろいろな修行を体験してきました。
そういえば俺も若いころ身を律する厳しい修行してきたなあ。
リーゼントにバット持ってんじゃん。
何の修行中なんだよ。
まあそれはどうでもいいんだけど金田さんは仮設住宅でこれまで2万人以上の人の悩みを聴いてきたんでしょ。
そうなんですね。
この活動は「傾聴ボランティア」と言うんですけれども金田さんは「カフェ・デ・モンク」と名付けて喫茶店方式でやってるんですね。
それで金田さん塾生たちにかなりむちゃな最終課題を出したよね。
そうなんですよ。
(塾生)ワ〜オ!どういう事?つまりですね石巻市の仮設住宅でカフェ・デ・モンクが開催されるんですけれども隣の部屋をお借りして塾生だけでカフェを開けという事なんですよ。
ふ〜ん。
でもどうせ話を聴いてもらえるんなら塾生より金田さんとこに行くんじゃないの?そこでですね人に来てもらうために塾生ならではの工夫を凝らしたんですね。
鍋に入ってる食べ物にモザイクかかってるけど変なもん食わしたんじゃないの?いやいや違いますよよく見てください。
玉こんかな?ちょっと引っ張ってるだけですこれはね。
正直に言っちゃうんだね。
言っちゃいます。
未来塾スタートです。
石巻市の仮設大橋団地。
震災から5年たつ今も定員の6割にあたる270世帯が暮らしています。
この仮設住宅で傾聴に挑む塾生たち。
話しやすい雰囲気を作るためにいろいろと準備をしてきました。
新年の抱負や希望を書いてもらうミニミニ絵馬を考えたのは久保田紗代さん。
話のきっかけ作りを狙います。
足湯を用意したのは坂口歩夢さん。
ふだんから足湯ボランティアとして仮設住宅を回っています。
せっかくモザイクをかけて引っ張ろうとしたのにサンドさんにばらされちゃった玉こんにゃく。
半日以上煮込みました。
初の傾聴ボランティアに緊張するも気合い十分な塾生4人。
中でもひときわこの日にかけている塾生がいます。
伊藤健人さん。
宮城県東松島市の出身。
5年前の大津波により家族を亡くしました。
実は10日前伊藤さんも講師の金田諦應さんも思いも寄らなかった事実が番組撮影中に判明しました。
(金田)沿岸で被災された方ご遺体がものすごい数だったんですね。
だからあちらの火葬場も全部駄目になっちゃった。
でも火葬にしなくちゃ駄目だし東松島なんかはね仮埋葬という方法をとったんだけどもあの…どんどん来たんですよ。
大震災の直後金田さんのお寺の近くにある火葬場にも多くの遺体が運び込まれました。
伊藤さんは5年前弟のなきがらを火葬したのがまさにこの場所だった事を突然思い出しました。
(伊藤)だからもしかして…。
ね!東松島からも来たの?でしょ。
そうなんだ…。
震災前伊藤さんは家族7人で暮らしていました。
家は海から200メートルしか離れていませんでした。
伊藤さんと父親が朝から外出していた2011年3月11日。
大津波が家族を襲いました。
上の弟は中学校にいて助かりました。
しかし母と下の弟さらに祖父と祖母が逃げ遅れました。
最初に遺体が見つかった弟律くんを弔うために伊藤さんは自宅から離れたこの火葬場にやって来ていました。
しかし当時は錯乱状態にあったため詳しい場所を覚えていなかったのです。
ちょっと…ありがとうございました。
ね!こういう事ってあるんだな。
震災後なかなか気持ちの整理がつかなかった伊藤さん。
でも悲しんでばかりもいられないとこの春から地元の市役所で働く事を決めました。
これからは被災した人たちを支える側になろうと「聴くチカラ」の未来塾に参加したのです。
僕はやっぱり今まで言葉を受けて支援される側だったんですけども…ぜひよろしくお願いします。
仮設で暮らす人を相手に塾生だけの傾聴ボランティアいよいよスタートです。
名前は「カフェ・デ・あがいん」。
その意味を伊藤さんが説明します。
「カフェ・デ・あがいん」という事で「召し上がれ」っていう時にみんなで「あがいん」って言うと思うんですけれどもまあそのような皆さんでお茶のみをして楽しく話せればいいのが一点と。
「あがいん」というのは知ってる方多いと思うんですけども「again」「もう一度」という事で4年前の事ですとかこれからの事をもう一度皆さんで語り合って有意義な時間にできればいいかなと思って…じゃあ始めましょう。
皆さんよろしくお願いします。
(拍手)
(住民)こっちね!・バッチリです。
OK!絵馬や玉こんにゃくが功を奏して「カフェ・デ・あがいん」開始早々にぎわいます。
早速久保田さんが耳を傾けています。
こちらの女性孫を亡くした友人についての話です。
(久保田)そうなんだ〜。
被災した人の間にもある意識のギャップを嘆く女性。
久保田さんはその思いを静かに受け止めました。
一方こちら足湯コーナー。
次々と人が寄ってくれます。
しかし坂口さんまさかのケアレスミスをしでかしちゃいます。
(坂口)はいじゃあどうぞ。
(住民)お邪魔します。
あっちょうどいい。
よかった。
気持ちいい。
ちょっと水足しますね。
はい。
すいません。
お湯が熱すぎました。
でも一生懸命な対応ぶりが好感触です。
でもこの仮設って他の仮設に比べるとすごく大きいじゃないですか。
なんかこういう集まりとかするといっぱい人が来て下さってうれしいですよね。
そうですね。
最初何人ぐらい?何人ってまあ…物音とかがするだけでもなんか安心っていうのはありますね。
ちょっと合いの手が多いかな。
話す人のペースを乱さないのが傾聴の鉄則です。
伊藤さんにもある男性が声をかけてきました。
「支援される側」から「支援する側」に回りたいと考える伊藤さん。
自分の事を語らず相手の話したい事をいかに引き出すかが問われます。
(伊藤)自分福祉大です。
伊藤です。
(伊藤)柔道!?
(伊藤)あっそうなんだ。
いろんな事やってらっしゃるんですね。
(伊藤)へえ〜。
ダジャレの連発にも話を合わせる伊藤さん。
ここまではいい感じです。
やがて男性は震災でおりた保険金の話を始めました。
じゃあ今もう建てたんですか?家。
正直どうしようもない事だったんですけど震災で結構なお金入ってきたじゃないですか。
結構お財布が潤ってたんですよ。
3人兄弟です。
3人兄弟…厳密にはだった。
震災の時にちょっとあれだったんで。
やられてしまったんで。
いやいやいや。
思わず自分の事をしゃべってしまいました。
このあとは終始聴かれる立場になってしまいました。
そうこうしているうちに「カフェ・デ・あがいん」終了。
3時間半の間にさまざまな人のいろいろな話をたっぷり聴けました。
でも傾聴の目的である心を癒やすところまではなかなか行けませんでした。
皆さんどうもご苦労さまでした。
(塾生)ありがとうございました。
どうよ疲れたでしょ。
そういう中で今日やってみてどうでした?やっぱりそこの仮設が過ごしやすい場所だったりとか憩いの場所みんなで集まって話せる場所っていうのを言っててそれだけここがその人たちにとって重要な場所であって…そういうふうな事というのは恐らく歩夢くんにとって初めて聴く言葉だと思うんでそれだけやっぱり語ってくれたんですからすごくいい学びの1つの材料になったんじゃないのかな。
被災者の目線で行く事とそれを封印して傾聴する身の中間でいる事が僕の今回のテーマだったんですけれども一瞬だけ中間点に到達してまた被災者のほうにぷって戻ってしまった感じがあって難しいなと思いつつもあの…そこに住んでる人たちの温かさに触れて何だろうな…。
あ〜駄目だ。
う〜んあのう〜ん…。
共に歩んでいこうと思います。
はい。
そう感じました。
もうそれはね健人くんの背負ってるものだからしょうがないんだね。
恐らくその間を揺れ動くと思うよこれから。
何年かかけて。
そうですね。
11日間におよび「聴くチカラ」を学んだ未来塾。
最後に金田さんは一枚のメモを配りました。
私1年…傾聴活動を始めて1年くらいたってから自分でこういうような事をあの…できる人になればいいなと思ってました。
「心を聴く」って言ってね。
「社会で起こるあらゆる出来事を整理し理解できる人」に始まり傾聴をする人間のあるべき姿が18か条にわたってまとめられています。
中でも「全ての礎になる」と金田さんが考える姿が最後に書かれています。
やっぱりこれですよ。
「限りなく人間という存在が愛おしい人」。
やっぱりあの…それはキリスト教で言ったら「愛」って言ったり仏教で言ったら「慈悲」というような言葉で言われるんだけれどもそういうものが自分の心の中に育ってないと熟成されてないと本当の声って聴こえてこないと思います。
声なき声も聴こえてこないと思います。
そこに居る事すらできないと思う。
つらくて。
居るチカラもやっぱりこの「愛おしい」っていう思う気持ちがそこに居させてくれるんだと思う。
それが一番私大切なのかなと思う。
一番最後のここが最初の出発点になってそしてそこから少しずつ上に上がっていくのかなと思う。
実は。
でもあれだよ。
ここが出発点だから。
いい問いの始まりですから。
1日2日3日でできる話じゃないし恐らくこの皆さんの中に芽生えたものというものを熟成させてくださいよ。
芳醇なね熟成させて頂いて。
半径20メートル以内の人たちの傾聴をしてください。
自分たちの周りの人。
それが一番近いと思う。
結構ねちょっと視点を変えただけでいろんな話が耳に飛び込んできますよ。
そういうふうにして少しずつ大きくしてってさ範囲を。
最初から世界の果てなんて言いませんので。
そのようにしていけば必ず30年後にもしこのような時があった時はあなたたちの出番ですよ。
ね!健人頼むぞ。
う〜ん「カフェ・デ・あがいん」やっぱり難しかったね。
そうですね。
でも伊藤くんをはじめね塾生にとってはこれからの糧になったと思いますけどね。
今回学んだ「聴くチカラ」はですね日常でもどこでも使えるチカラですからね。
そうだね。
あっ今度はお前の話を黙って聴く漫才っていうのをやってみようかな。
そうなると俺の漫談になるけどね。
あそっか。
で次回は?はいこちらです。
(女性)自分には何も変えられないなってその時私思っちゃったんです。
何だか深刻そうな事言っちゃってるけどこれ何?実はですねこれ大学生を高校に呼んで高校生が悩みや夢を語るその名も「カタリ場」という活動です。
ちょっと何言ってるか分からないけど。
何で分かんないんだよ。
分かれよ。
年間200校以上で行われているこの「カタリ場」を生みだした今村久美さんが2月の講師です。
なんか面白そうだね「パタリロ」。
「カタリ場」ね。
「パタリロ!」は40年近く続く少女ギャグ漫画ですから。
見てましたよ。
で東北と何か関係あるの?今村さんはですね震災後被災地の子どもたちの学習支援を行う活動を続けてるんですね。
で今村さんから何を学ぶの?今村さんは将来に不安を抱える子どもたちのやる気を引き出そうとしてるんですね。
なるほどね。
そこでギャグ漫画のチカラを学ぶ。
ギャグ漫画関係ないですよ。
関係ないの。
関係ない。
子どもの「やる気を引き出すチカラ」を学ぶんです。
俺の話聞いてください。
時々ね。
何でだよお前。
とにかく次回もお楽しみに。
「東北発☆未来塾」。
(テーマ音楽)2016/01/25(月) 23:00〜23:20
NHKEテレ1大阪
東北発☆未来塾 ガンジー和尚の“聴くチカラ”「“傾聴”の道も一歩から」[解][字]
ガンジー和尚こと金田諦應さんの「聴くチカラ」最終回。いよいよ塾生だけで傾聴ボランティアに挑む。「聴く」ことに大きな課題を抱えた塾生が…。MCサンドウィッチマン
詳細情報
番組内容
講師の僧侶・金田諦應さんは、震災2か月後から避難所・仮設住宅を回り、人々の悩みや苦しみに耳を傾けてきた。「聴くチカラ」最終回はその傾聴ボランティアに塾生だけで挑戦する。緊張する4人の塾生のなかでひときわ気合いの入る塾生がいる。そこには深いワケがあった…。宮城県石巻の仮設住宅で3時間半にわたって行われる傾聴ボランティア。塾生は人々の心を癒やすことができるのか?MC:サンドウィッチマン 語り:吉本実憂
出演者
【出演】僧侶…金田諦應,【キャスター】サンドウィッチマン,【語り】吉本実憂
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 会話・語学
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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