(榊マリコ)水死体ですって?
(土門薫)この浜にあがってるところを釣り人が発見した。
口腔内に微細泡沫。
溺死に間違いないわね。
(携帯電話)土門だ。
わかった。
おい一緒に来てくれ。
遺留品が発見された。
ご苦労さまです。
(木島修平)この靴の中に入ってました。
洛南証券東山支店営業部葛西保彦。
(吉崎泰乃)靴が揃えられてるって事は自殺?
(木島)でしょうね。
ここから海に飛び込んだ。
遺書はないようだな。
何かしら?これ。
(相馬涼)ああさっぶい…。
自殺だったらもう俺ら帰っていいんじゃないですか?アイテテテ…。
(宇佐見裕也)いや自殺と判断するのはまだ早いと思いますよ。
昨夜から今朝にかけての潮の流れはこのようになっています。
(宇佐見)この場所から海に飛び込むと潮の流れで体はこの方向に流されて行くはずです。
あの浜にご遺体があがるのは不自然ね。
(葛西美里)どうぞ。
失礼します。
優奈自分の部屋に行ってなさい。
ご主人昨日はこちらには戻ってないんですね?
(美里)はい。
海外市場の取引のために会社に泊まり込む事も多いんです。
昨日もそうだとばかり思ってました。
ご主人は誰かに恨まれたりトラブルになっていたような事はありませんか?ないと思います。
ただあの電話は変だったわ。
電話?昨日の夕方6時半頃主人から電話があったんです。
(葛西保彦)「美里いつもありがとうな」え?お前には本当感謝してる。
あんな言葉普段は言わない人なのに今思うと私に別れを告げようとしていたみたいでした。
やっぱり自殺なんじゃないですかね?
(風丘早月)心臓の右心内血液が左心内血液に比較して薄くなっていたから海水による溺死ね。
心内血液の濃淡がまだはっきりしているという事は…。
死後15時間以内という事。
はいこれ。
呼吸器官内に残っていた海水。
ただいま。
現場の海で採取した海水のプランクトン検査始めてます。
ご遺体の肺の中の海水と比較してみましょう。
おかしい…。
(泰乃)どうしたんですか?ご遺体から採取した海水にはプランクトンが存在していない。
という事は…。
葛西さんの体内にあったのは人工海水だった。
人工海水…。
天然の海水と同じ比率の塩分とミネラル成分を水に溶かす事で人工的に海水を作る事が出来るんですよね?
(日野和正)靴の裏には遺体が発見された海岸の砂はついてなかった。
(日野)自力であの場所に行ったんじゃないね。
葛西さんはあの海で亡くなったのではない。
どこか別の場所で人工海水によって溺死した。
つまりその遺体を海岸に運び自殺に見せかけるために靴と鞄をそこに置いた人物がいる。
やはり殺人事件ですね。
人工海水がある場所としては海洋生物を扱うペットショップ。
それからこういう人工海水の素も市販されていますから魚を飼っている個人の家でも作れます。
料理屋の生け簀に人工海水を使っているところもあるよ。
それとワイシャツの襟元にあった赤い染みは口紅を拭き取った痕でした。
エレアノール社製の商品で色番はRD‐0924F。
(相馬)この道具の正体がわかりました。
イルカに使うものでした。
イルカ…。
(坂本)これはリコールといって遠くで泳ぐイルカを呼ぶために私たちトレーナーが使っている道具です。
皆さんこの男性ご存じありませんか?知りません。
知ってる?あなたはどうですか?
(深堀夏子)…知りません。
そうですか。
こちらの水族館の水は人工海水なんですよね?
(坂本)はい。
海のない京都市まで海水を運搬するエネルギー削減のために全て人工海水を使っています。
この水を調べさせてください。
お願いします。
深堀夏子さん。
これはあなたが使っていたものですよね?なぜ葛西保彦さんが持っていたんですか?わかりません。
私はそんな人知りません。
とぼけないでください。
昨日の午後5時過ぎあなた方が水族館の裏手で会っているのを見た人がいるんです。
奥さんと別れてください!あなたと葛西さんは付き合っていたんですね?いえ…。
…そうです。
昨日は葛西さんと話し合うために会っていたんですが途中で電話が入って…。
すぐ戻ります。
イルカの体調が悪いようなので戻らないと…。
ちょっと待てよ!
(リコールが落ちる音)それっきり葛西さんとは会っていません。
(ノック)水は一致しなかった。
殺害現場は京都水族館ではないわ。
犯行場所がどこかわからないままでは犯人を特定する事は出来ません。
人工海水のある場所を1つずつ調べていくしかないわね。
まず被害者の自宅を調べてくれ。
自宅?妻の葛西美里は…。
今思うと私に別れを告げようとしていたみたいでした。
夫は自殺であると印象づけたがっていたように思えた。
どうぞ。
これですけど…。
こちらの水を少し分けてもらえますか?はい。
この生け簀の水は人工海水ですね?はい。
水を調べるのにご協力お願いします。
(浜田)その水はどげんなさるとですか?ちょっと調べたい事がありまして。
(戸の開く音)
(野村譲)浜田さん!おう!ハハハハ…。
またお願いします。
ほれほれここ置け。
ああすいません…。
よいしょ。
どれどれどれどれ?こらまたよかフグじゃ。
ほれ。
ほれほれ。
(泰乃)うわあフグ。
食べたい!フグ刺しからあげフグチリ!フグ飯!美味しそう〜!あのねこのフグはねみんな京都の町で生まれたとですよ。
え?
(宇佐見)海のない京都市内で人工海水でフグを養殖しているとは知りませんでした。
まだ実験段階です。
このフグが料理としても通用する味かどうか浜田さんの料理屋で検証してもらってるんです。
味にうるさい京都人を納得させる事が出来れば実験は成功なんですけどね。
こちらの人工海水を調べさせてください。
それは僕の一存では…。
(ノック)
(安藤円佳)はい。
安藤先生。
科学捜査研究所の方がうちの水を調べたいそうです。
ダメよ。
データ流出に繋がったら実験が台無しになる。
(円佳)お断りして。
宇佐見さんあの口紅。
土門さん調べてほしい女性がいます。
(木島)あなたと葛西保彦さんは大学の同級生だったんですよね?ええ。
(木島)去年この同窓会で再会し付き合うようになった。
誰がそんな事言ったんですか?同窓生の間で噂になっていましたよ。
あなたは葛西さんに随分とお金を貢いでもいたらしいですね。
(円佳)貢いでなんかいません。
一時的に貸してあげただけです。
返してもらったんですか?あなたがつけているその口紅。
これと同じものですよね?そうですけど…。
遺体で発見された葛西さんのワイシャツについていました。
それは…!ちょっと待っててね。
すぐ終わるから。
あの女なんであの事知ってんだよ?なんの話?あの女って誰!?悪いけど今日はやめにしよう。
えっ!?ちょっと待ってねえ今夜はずっと一緒にいられるって言ってたじゃない!
(円佳)ごめん…ついちゃった。
いいから。
この埋め合わせはまた今度な。
ごめん。
(木島)葛西さんにはあなたの他にも愛人がいた。
そんな…。
貢がされた上に他にも愛人がいたなんて許せませんよね?それで殺した。
私じゃないわ。
疑うなら水でもなんでも調べてください!
(ノック)失礼します。
これもお願いします。
はい。
イルカの胸びれの中には指の骨が5本あるんだよ。
へえ〜…。
何のんきな事言ってんのよ。
自宅の水槽の水もフグ養殖の水も葛西さんを溺死させた水ではありませんでした。
う〜ん…。
被害者の妻。
2人の愛人。
それぞれの近くに人工海水がある。
でもどの水も殺害に使われたものではない。
市内のペットショップや料理屋から採取した人工海水も全て違っていましたし…。
どこか調べそびれている場所があるんでしょうか?
(相馬)ここ!イルカの餌は新鮮な魚って書いてありますよ。
餌用の水槽はまだ調べてませんよね?新鮮な魚といっても生きている魚ではありませんのでこの部屋には人工海水の水槽はありません。
ありがとうございました。
(相馬)ありがとうございました。
無駄足ですみません。
(子どもたち)バイバーイ!
(夏子)バイバーイ。
深堀夏子さん。
みんな楽しそうね。
水族館に来ると誰もが笑顔になるんです。
泣いていた子どもの涙が止まる。
ケンカしていたカップルも仲直りする。
おおいいじゃんこれいい…。
地球上に生命の源が誕生したのは海の中。
だからかしら魚が泳ぐ姿を見ているだけで人はなぜか癒やされる。
ドルフィントレーナーのお仕事って大変なんでしょう?24時間イルカ中心の生活です。
休みもほとんどありません。
でも楽しいです。
イルカたちは私にとって家族みたいなものですから。
本当のご家族は?母も父ももう亡くなりました。
あ…ごめんなさい。
小さい時家族で水族館に行った事があるんです。
そこで初めてイルカのショーを見ました。
あの時大きくなったら水族館で働きたいなって思ったんです。
その夢を叶えたんですね。
葛西保彦さんもあなたのイルカショーを見に来る事はあったんですか?いいえ。
あの人はここに来た事はありません。
仕事に戻らなきゃ…。
マリコさん?あっ風丘先生。
葛西さんの食道壁に付着物があった。
食べものじゃないようだから飲み込んだ海水の混入物かも。
調べてみます。
こっちはなんですか?丹波の大納言小豆入り抹茶プリン!いつもすみません!いいえ。
っていうか髪切った?誰もいじってくんなかったんですよ〜。
(美里)主人を返してください!もう捜査は結構です。
主人が亡くなったという事実には変わりはないんですから。
早くお葬式を出してあげたいんです!ねえねえこれ京都水族館の?
(葛西優奈)イルカのお姉さんにもらったの。
違うでしょ。
それはお父さんが買ってくれたものでしょ。
帰りましょう。
あっ…ああ…。
どうしました?診ましょうか?私医師なんです。
いえ大丈夫です。
でも…。
本当に大丈夫ですから。
イルカのお姉さんって…深堀夏子さんの事じゃないかしら?奥さんと別れてください!深堀夏子は不倫相手の娘に接触していた…?お腹すいてない?肉まん買ってきたよ。
ありがとうございます。
これ見てください!被害者の食道壁に付着していた物質の細胞を分析したところ水中に生息する水草の類いである事がわかりました。
溺死した際に飲み込んだ人工海水に混入していたのだとしたらこの水草から犯行現場を特定出来るかもしれないな。
ええ。
うん…。
手伝うよ。
…食べてからな。
(優奈)イルカのお姉さんにもらったの。
先月葛西の娘は町内会の遠足で京都水族館に来ていた。
(泰乃)この日以降度々2人の姿が映っています。
優奈ちゃんは1人で夏子さんのもとを訪れてたの?みたいですね。
母親や父親の姿はどこにも映っていません。
ここ何を話してるかわかるか?口元を拡大出来る?これが限界です。
これなら…出来るかも。
葛西さんの娘と何を話していたんですか?「お父さんまた殴った?」唇の動きからこの映像を解析して言葉を読み取りました。
葛西保彦の家庭とあなたの家は同じだったんじゃないんですか?15年前あなたが8歳の時お母さんが亡くなっている。
原因は夫の暴力だった。
(夏子の声)お母さん!お母さん!こんなもん食えるか!やめて!やめてください!やめて…!お母さん!お母さん!お母さん!お母さん!
(泣き声)父親が逮捕されあなたは家族を失った。
あなたが葛西保彦に…。
奥さんと別れてください!そう言ったのは不倫関係にあったからではなく優奈ちゃんに自分と同じ不幸を味わわせたくなかったから。
違いますか?初めて会った時あの子言ったんです。
(夏子)どう?お魚好き?お魚のお父さんはお母さんをいじめない…。
(夏子の声)優奈ちゃんはあの頃の私と同じ目をしていました。
おうちでつらい事あったらいつでも遊びに来ていいわよ。
お魚は元気をくれるから。
ねっ。
(夏子の声)それから優奈ちゃんは水族館にやってくるようになりました。
あの子は多くを語りませんでしたが父親が母親に暴力を振るっているという事は間違いないと察しました。
どうしたの?元気ないね。
なんかあった?お父さんまた殴った?
(夏子の声)まるで昔の自分を見てるようでした。
(夏子)すみません。
優奈ちゃんのお母さんですよね?ええ。
(夏子の声)うちと同じ不幸を繰り返してはならない。
お母さんを説得しましたが…。
あなた何か勘違いされてるわ。
うちはそんなんじゃありませんから。
(夏子)あの…!
(夏子の声)母と同じだと思いました。
夫の暴力を恐れて何も行動出来ずにいる。
このままだと母の二の舞になる…。
思い切って葛西さんに連絡を入れ話があるからと呼び出しました。
葛西さんですよね?奥さんと別れてください!私知ってるんです。
あなたは奥さんに暴力を繰り返してる。
一体誰がそんなでたらめ言ったんだ?
(携帯電話)はい。
…すぐ戻ります。
イルカの体調が悪いようなので戻らないと…。
優奈ちゃんのためにも奥さんと別れて暮らす事を考えてください。
(葛西)ちょっと待てよ!
(リコールが落ちる音)私が出すぎた真似をしたせいであの家族をもっと不幸にしてしまったのかもしれません。
うちはDV家庭なんかじゃありません!その人の勝手な思い込みです。
昨日背中に痛みを感じてましたよね?そんなにお疑いなら…どうぞご覧になってください。
傷もあざもなかった?あっ管理官!
(芝美紀江)あなたたち一体何やってるの?被害者の妻からクレームがきたわよ。
あの家でDVがあったというのは深堀夏子の勘違いだったそうね。
夏子さんの勘違いかどうかはまだわかりません。
傷ひとつなかった事をあなたがその目で確認したんでしょ?ですが…。
触診してもよろしいですか?いい加減にしてください。
私は暴力なんて受けてません!彼女の体には目には見えない傷があるのかも。
目には見えない傷?そんなものがあったとしても本人が医師の診察を拒否してるのにどうやって証明するのよ?方法はあります。
(美里)まだ何か?もう一度ご協力して頂けますか?あなたの写真を撮らせてください。
こちらを向いてください。
後ろお願いします。
(マリコの声)家庭内暴力の被害者の多くは自分から声を上げる事が出来ない。
恥ずかしいという思い。
被害の深刻さを他人にはわかってもらえないという諦め。
そこでこのUV写真が役に立つの。
UV写真?UV…つまり紫外線は他の光では届かない皮膚の下に浸透して表面的には見えないものを写し出せるんです。
(木島)あざがこんなに…。
打撲によるあざは表面的には1週間ほどで治るけど体の深い部分まで繰り返しダメージを受けていると皮膚の下には何か月も痕跡が残っているものなの。
オラ!何回も言わせんな!キャー!オラーッ!
(美里)うわっ!うっ…!葛西美里は夫からの虐待を受けていた。
そんな夫殺したくもなりますよね。
だがこの写真は殺人事件の証拠とはならない。
犯行現場がどこなのか。
どの人工海水が使われたのかそれを突き止めなければ…。
うん…。
(日野)ただいま。
おかえりなさい。
(相馬)所長どこ行ってたんですか?いらっしゃい。
京都府立植物園。
被害者の食道壁に付着していた植物はバイカモと判明したよ。
バイカモ?初夏から秋にかけて梅のような白い花を咲かせる水中に生息する水草だ。
ただねバイカモは川の水や湧き水などの淡水にしか生息しないんだって。
淡水?葛西さんは人工海水で溺死したのに。
淡水も一緒に飲み込んだんじゃないのかな。
犯行現場には人工海水と淡水が両方あった…。
(日野)このバイカモという水草は近畿地方では絶滅危惧種に指定されてるほど生息地は限られてるんだ。
京都市内では植物園で試験的に栽培されてるだけ。
あとは滋賀県米原市の地蔵川。
地蔵川?
(浜田)その水はどげんなさるとですか?私たちは見落としていたのかもしれません。
魚を飼育する以外にも海水は利用されている。
(宇佐見)地蔵川の水を使っておぼろ豆腐を作っているだけでなく潮豆腐もこちらで手作りしているんですね。
ええ。
私のふるさとの味ですけんね。
潮豆腐ってなんですか?豆乳に直接海水を混ぜて固める豆腐です。
海水?潮豆腐作りに使っているのはどこの海水ですか?いやどこって人工海水ですたい。
生け簀の水以外にももう1種類人工海水があるんですね。
おぼろ豆腐を作るための地蔵川の水。
潮豆腐を作る人工海水。
両方の水が同時に存在する場所は…ここだったのね。
これもお願いします。
こっち置いて。
はい。
ん?泰乃君ちょっとここ撮ってくれる?はい。
被害者の指紋だ。
間違いない…。
この人工海水だったのね。
これは…。
バイカモが…。
そうか…。
そういう事だったんだ。
どうぞ。
ご主人を溺死させた人工海水を発見しました。
そこには犯人を示す証拠もありました。
あの日の夕方ご主人から電話があったんですよね?
(葛西)「水族館の女にお前が話したんだろ?」違うわ。
私は誰にも話してない!「お前以外に誰がいるんだよ!」「帰ったらただじゃおかねえからな!」ああ…。
(美里の声)また暴力を振るわれる…。
逃げたいと思いながらも体が動かなくて…。
でも主人は帰ってきませんでした。
翌日夫の死を知ったあなたは彼女の犯行だと思ったんですね?逃げる事も戦う事も出来ずにただおびえているだけの私を助けてくれたんでしょ?いえ…私は殺していません。
えっ!?夏子さんもまた美里さんの犯行だと思ったんですよね?はい…。
DVの事実を話せば奥さんに動機がある事がわかってしまうと思って…。
葛西と付き合っていたと嘘をついた。
あなた方はお互いに誤解してかばい合っていたんです。
犯人は別にいます。
(宇佐見)この前お会いした時はメガネをかけていましたけどあなたは普段これをお使いになるんですよね?
(宇佐見)コンタクトレンズ。
安藤先生。
科学捜査研究所の方がうちの水を調べたいそうです。
葛西さんを溺死させた水の中から発見されました。
レンズには部分指紋が付着していました。
その指紋と一致するものが小料理屋の中にありました。
あなたがフグを入れて運んできた箱です。
葛西さんを殺害した際あなたは水の中にコンタクトレンズを落としてしまった。
新しいレンズが出来上がるまでメガネをかけるしかなかった。
葛西さんは海でなくなったんじゃ…。
海水は海にだけあるものではありません。
小料理屋の裏手には淡水と人工海水2つのバケツがありました。
その両方に葛西さんの指紋が付着していた。
さらに両方の水からバイカモという水草の一部が検出されました。
淡水でしか生息しないバイカモが人工海水の方にあった。
この事から犯行の状況がわかりました。
あなたは最初淡水のバケツに葛西さんを…。
この時淡水に含まれていたバイカモが葛西さんの体内に入った。
直後にあなたは気づいたんです。
水を間違えている事に。
あなたの計画では葛西さんは海で自殺した事にしたかった。
そのためには海水での溺死でなければならない。
淡水から海水に移された事で葛西さんに付着していたバイカモが海水の方にも混入していった。
なんで…?なんで君が葛西さんを!?先生のためだよ!不倫なんて先生にふさわしくない!けど先生が…!先生があの男が好きなら仕方がないと思った。
けどあいつは…。
フグの研究なんかやってるつまらない女でさ俺が買ってやった口紅毎日つけてるんだって。
またそれが似合わねえんだよ。
なんでそんな女と付き合ってるんですか?財布代わりだよ。
金欠だって言えばすぐに金出してくれる。
ハハハ…女なんてみんなバカなんだよ!
(野村の声)先生が不幸になる前にあの男を…消そうと決めました。
(葛西)水族館の女にお前が話したんだろ?
(野村の声)うちの水は使いたくなかった…。
小料理屋の裏に海水があるのを知りそこに連れて行く機会をうかがっていました。
(野村)葛西さん!これからお時間ありますか?
(野村の声)溺死させた遺体をあの海岸まで運び…。
そうやって自殺に偽装したんだな?
(野村)海で自殺したと思わせれば人工海水を使った事まではばれないと思っていたのに…。
科学の力が目には見えなかった傷を見えるようにした。
虐待の被害者は体だけではなく心にも傷を抱えます。
それもまた目には見えない傷ですが科学の力もそこまでは及ばない。
人の目と心で気づいていくしかありません。
目に見えない傷の方が痛みが強い…。
ご苦労さまでした。
実家に戻って優奈と2人新しい生活を始めます。
お元気で。
バイバイ。
優しい思い出だけが残るといいけど…。
私の父にも優しい時もあったんです。
家族3人で水族館に行って…。
水族館はみんなを笑顔にしてくれる場所。
2016/01/25(月) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
科捜研の女12[再][字]
第8話「疑惑の女たち!奇妙な溺死体、不可思議な海水の秘密」
【出演】沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、戸田菜穂ほか
詳細情報
◇番組内容
沢口靖子演じる京都府警科学捜査研究所研究員の榊マリコが、事件現場に残された微細証拠を手がかりに真相を究明する科学捜査ミステリー。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、戸田菜穂、斉藤暁、奥田恵梨華、長田成哉、崎本大海
【ゲスト】
杉本有美、菊池麻衣子
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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