NNNドキュメント「漂流ポスト…あなたへ 語り 壇蜜」 2016.01.25


それはみちのくの森の中にある不思議な不思議なポストのお話
そのポストには誰も手紙を入れません
郵便配達員が手紙を届けるポストなのです
これまでに届けられたたくさんの手紙
手書きの文字が誰にも打ち明けられなかった胸の内を明かします
消印は3月11日
あの日数え切れない家族友人が…
残された人は心にぽっかりと穴があきました
車好きの息子に宛てた手紙でしょうか
「空色の車」で走っている「おかあさん」
「夜勤明け」ということは看護師さんですか?
会いたい声が聞きたい
漂う思いを受け止めてほしい
漂流ポストにはこんな手紙が届きます
「あの日は同じ方向に仕事に出て同じタイミングで津波に遭いましたね。
私が生き残り母が亡くなった。
その差はいったい何だったのでしょう」
ハングルで書かれた手紙です
韓流好きの友人は津波で行方不明のまま
一緒に行った韓国旅行が忘れられず友人の誕生日6月10日に合わせて毎年漂流ポストに届きます
これで3通目
そのポストはどこにあるのでしょうか
岩手県の沿岸南部津波で大きな被害を受けた…
深い森に囲まれたとある庭先
赤いポストがぽつんと
…と呼ばれています
そこは森の小舎というカフェ
漂流ポストを始めたオーナーの赤川勇治さんです
残された人のために何かしたい
(赤川さん)これ開けてみましょうか。
一昨年2月自身のブログで呼び掛けその1か月後赤いポストをカフェの前に据え付けました
(赤川さん)1週間に1回でも10日に1回でも1か月に1回でも…。
届いた手紙は公開されます
返信はしません
匿名でも構いません
これまでに130通が届きました
友人に宛てたものでしょうか
「Tちゃんへ…。
ご無沙汰してごめんネ!あの日から毎日淋しい3年が過ぎてしまったよ。
あの日は苦しかったでしょう…。
海水は冷たかったでしょう…。
貴女に話したい事イッパイ有るヨ!」
「広田半島に手紙を届けて置くから時々読みに行って…。
ステキなカフェだよ!」
漂流ポストは直立不動であなたへの手紙を待ち続けます
雨の日も風の日も
赤川さんはある1通の手紙が気になっていました
書き出しは4人の名前
家族でしょうか
自分を責めるような文面がつづられています
「手紙を書いた思いを聞かせてもらえませんか?」
連絡を取ると快く応じてくれました
差出人の住所は宮城県仙台市
(チャイム)・はい・あっこんにちはどうぞ。
迎えてくれたのは一人の女性でした
(鈴の音)
手紙を書いた…
「悠亮美香楓太颯行方不明になっても探してあげられず本当にごめんなさい」
あの日津波で幸せの絶頂にいた娘家族4人を一度に亡くしました
(清水さん)こっちが6歳の子で生まれて来るはずだった子が多分お兄ちゃんの小さい時にそっくりかなっていう感じで小さい時の写真を送って描いていただいたものなんですけど。
(清水さん)前ホント悲しい悲しい…。
毎日ホントに…。
そんな清水さんが漂流ポストの存在を知って手紙を出したのは一昨年6月のこと
「家は津波で流され何もなくなりました。
見つかったのは私が買ってあげた靴だけでした」
これが…。
(清水さん)買った靴なんです。
穏やかな笑みを浮かべた娘
初孫の楓太くんは小学校に上がる直前でした
がれきの中を捜し回って見つけた時は泥だらけ
ピカピカに磨いて大切にしまっています
保育所の修了式
買ったばかりのスーツを着た孫
入学式でも着るはずでした
…って気持ちですよね。
すぐに捜してあげられなかったのには訳がありました
震災当時は准看護師として働いていたのです
「自分を責め体調をくずしての仕事。
夜勤も」
娘達が住んでいたのは沿岸部の…
月命日には4人に会いに行くといいます
同行させていただきました
楓太8月16日の誕生日にプレゼントあげられなくてごめんね。
悠亮もだよね8月25日誕生日だったよね。
あんなに温泉に行くって楽しみにしてたのにごめんね。
あの日娘達はいったん避難所に逃げましたが毛布を取りに自宅へ戻ったとみられます
3月11日はしんから冷える日でした
「美香あなたとは28年間悠亮楓太とは7年間颯には会えなくてごめんなさい。
一緒に暮らした日々は本当に毎日楽しく幸せな日々でした。
本当にありがとう」
カフェのお客さんの中にも漂流ポストに手紙を出したい人がいます
その左腕には男性ものの時計
彼女が暮らす…
あの日高台にある自宅はすんでのところで津波の被害を免れました
自宅に伺うと…
そこは…
行方が分からない夫磨さんへの手紙であふれていました
自宅の仏間にあったのは今も行方が分からない夫へ宛てた手紙
震災の3か月後からカレンダーの裏にマジックで書いています
もう100通近くになりました
津波で行方不明のままです
夫の誕生日6月14日にはこう書きました
「今どこにどうしているのですか?もしかして粉々になってしまって判別もできない状態?」
「大好きなかつ丼とアジのたたきで待ってます。
幸子」
説明…はつかないのね。
だけども…。
何かやっぱりそこでほら…。
(熊谷さん)出て行って帰ってくればすぐマジックで書いて…。
あの日ご近所のお年寄り達に避難を呼び掛けた夫
自宅前の坂を下りて行く様子が目撃されていました
隣町に出掛けていた幸子さんが翌日になってようやく高台の自宅に帰ると…
そしたらここに…。
下に住んでる人達がここにいたのね。
だからほんじゃあうちでいてお世話してるんだねぇ…と思ったら。
とにかく生真面目
退職を10年延ばし震災の前の年70歳まで水産会社を勤め上げた磨さん
愛用の腕時計が自宅に残されていました
そして磨さんは幸子さんとある約束をしていました
「私熊谷磨は妻幸子と共に日本一周旅行に行く事を約束します」
そのための新車も買い毛布を積んで行こうねと話し合っていました
(熊谷さん)…って言われたりして。
そうすれば…。
…と思って。
死亡届を出すつもりはありません
何かあるたびに日々の出来事をしたためます
「磨さん貴方の母さん100歳になりましたよ」
まるで夫と会話をしているかのように
幸子さんのことを「ままちゃん」と呼んでいた夫
つらい時悲しい時あなたならきっと…
「ままちゃん頑張れっふんばれっ。
子供達がついて居るべっちゃ」
思わず夫に成り代わって自分を励ましていました
磨さんと幸子さんの間には8歳の孫がいます
東京で暮らす孫達が帰って普段の静けさが戻った正月明け幸子さんは手紙を書いていました
漂流ポストを通して磨さんに今の思いを伝えたい
この手紙だけは自分の手で漂流ポストに届けることにしました
(赤川さん)いらっしゃ〜い。
あっどうも。
(赤川さん)足元気を付けて。
カレンダーではなく便箋に何を書いたのでしょう
津波で行方不明の夫に募る思い
うん。
漂流ポストに手紙を出した熊谷幸子さん
(赤川さん)うん。
(赤川さん)だよねそうですよね。
いやそう思うと思う。
そしてやっぱり私が書いてるカレンダーの裏に1日2日と書いてくれて。
「磨さん新年明けましたネ」
「1月1日に私が貴方宛のラブレターをかいていたら凌ちゃん何書いてんのといい背中合せで書きました」
そしてこれが孫の書いた手紙
「みがくじいじい天国でなにやってますか」
「どうかおへんじください」
「むりでしたら天国に行って手にいれた力でへんじをくださいりょうより」
手紙を出すことが生きる力
(赤川さん)ほらこの前出していただいたこれ。
「妻を元気づけていただいてありがとうございます今年もよろしくお願いします」。
これやっぱご主人ならではの言葉だと思いますよええ。
実は幸子さん夫磨さんに成り代わって漂流ポストへ年賀状を出していました
ある自分の気持ちをオーナーに伝えるために
何かねこの漂流ポストを始めた私に勇気づけていただいたような。
あっホントに…。
うんそんな気持ちがすごい感じ取れました。
(赤川さん)…なんですね。
津波で娘家族4人を一度に亡くし後を追うことばかり考えていた仙台市のあの女性
答えは臍静脈3番。
逆に言うと一番低いのどれ?
准看護師の清水和子さん
今看護予備校で学んでいます
娘は母の背中を追って看護師の道を目指すはずでした
正看護師の資格を取ってまた病院で働きたいと考えています
(清水さんの声)実際…。
(清水さんの声)今学校に行くのも楽しいし。
だから…。
私が正看になって何年間できればいいかなって感じで挑戦してます。
(清水さんの声)「あなた達に想いを伝え明日からは前を向いて歩いて行きます。
また会える日迄四人で仲良く暮して下さい。
残された人生あなた達のぶん迄力強く生きます!!」。
誰にも打ち明けられなかった
でも手紙を書いたことでようやく一歩を踏み出せたような気がします
また書きます
あなた…
ハゲと白髪の集まりのじじい部隊。
その名はじじい部隊
原発事故で荒れ果てたふるさとの町を守ります
笑顔の裏に苦悩を秘めて
2016/01/25(月) 00:55〜01:25
読売テレビ1
NNNドキュメント「漂流ポスト…あなたへ 語り 壇蜜」[字]

東日本大震災の被害を受けた岩手県陸前高田市。森の中にポストが立つ。震災で失った大切な人への手紙を受け付ける「漂流ポスト」。手書きの文字が明かす心の奥底とは?

詳細情報
番組内容
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市。森の中のカフェにポストがぽつんと立っている。震災で失った大切な人への手紙を受け付ける「漂流ポスト」。手紙を書くことで心を和らげて欲しいと、震災3年に当たる一昨年3月、カフェのオーナーによって設置された。ここは漂う想いが流れ着く場所。これまでに全国から約130通が届き、原則、公開されている。メール全盛の時代に手書きの文字が明かす心の奥底とは?
出演者
【ナレーター】
壇蜜
制作
テレビ岩手

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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ステレオ
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