(テーマ音楽)ただいま〜!ただいま帰りましたよ〜!いや〜おいしかったなぁ。
フフフッ。
草刈さん随分とご機嫌ですね。
新年会でね食べてきたんですよ。
フ・グ。
え〜っフグですか!?声が大きい。
妻にナイショなんだから。
・あなた〜帰ってきたの?あ…ただいま〜!あ今日ねフ…フ…普通のお鍋食べてきたハハハッ。
全く普通の鍋。
草刈さんのうそつき。
しんしんと冷え込む冬の夜には…やっぱり鍋ですよね!憧れのフグちりです。
うん!ホントうまい!旬を迎えたフグのうまみを味わい尽くします。
おいしいです!さあフグづくしの始まり始まり。
まずは…琥珀のように輝きます。
薄造りにした刺身。
白身の透明感を堪能します。
極細のねぎとともに彩りも味わいます。
お供は熱〜いひれ酒ですよね。
くう〜っ!あぶったひれからしみ出る黄金色。
そして宴もたけなわ。
ふぐちりの出番。
ぐつぐつとたぎる湯気の中でぷりぷりの身がまばゆく光ります。
最後はダシも雑炊にして食べ尽くすまさにフグづくしです。
楽しみだねちょっと寒くなると。
やっぱりフグはちょっとごちそうだね。
日本人が愛してやまないフグ。
古くは縄文時代から食べられてきたといいます。
しかしフグは毒を持つ魚。
度々人を死に至らしめてきました。
江戸時代一部では食用が禁じられますが川柳に残されているように危険を承知で食べていた事がうかがえます。
人々の飽くなき食欲は毒のある魚を安全に食べるという技術を生み出しました。
それぞれの種類のフグで部位ごとに毒の含有量を解明していったのです。
同時にフグの美しさも楽しみました。
ついにはフグそのものも。
今日は人々をとりこにする魚フグの不思議な美の世界をご紹介します。
フグの中で最も美味とされる…冬一番おいしい季節を迎えます。
全国からフグが集まる山口県下関市のフグ専門の市場。
産地ごとに選別されたフグを競り合う真剣勝負が始まります。
(セリの声)下関伝統の…握る指の数で入札額を伝えているんですって。
ここではもういいだろうと思って買うんですけど…「あしまった」とか。
逆にあんまり良くないなと思ったものもいい時もあるんでそういう時はすごく得した気分にもなりますけど。
下関ではフグをさばいてきれいにした状態で出荷する事を「磨く」と言います。
毒のある部位を取り除くだけでなく身を美しく切り分けて整えるのです。
いいフグはどうやって見分けるのでしょうか。
フグを扱って50年平尾瞳さんです。
手の握った感じですね。
弾力性があってそれから形が良くて傷がなくて艶があるもの。
まさに「磨き」という字のごとくピカピカに磨いて送っております。
黒光りの姿から一転艶やかなピンクに変身しました。
今日一つ目の壺は…下関のフグを使っている東京のフグ料理店。
磨かれたフグをおろして刺身を作ります。
使うのは身の芯の部分だけ。
まずは周りの筋を惜しみなくそぎ落としてゆきます。
いよいよお刺身にと思いきやペーパータオルに包んでしまいました。
あれ?切らないんですか?こっちに翌日の朝7時半ぐらいに着くんですよ。
でその日は絶対それは使わない。
新鮮だからいいとは限らないのが他の魚と違うところ。
フグの身は高タンパク低脂肪。
熟成させるとタンパク質が分解されアミノ酸のうまみ成分が増すんです。
寝かせること2日間。
水分が抜けて身が締まり粘りが出ます。
刺身をおいしく美しくするにはこの粘りが欠かせません。
いよいよ薄造りに。
1枚ずつじっくりと引いていきます。
食べやすさと歯応えを両立させる厚さを見極めます。
絵柄が透けるほど薄く引いてもちぎれないのは粘りがあるからこそ。
包丁も専用のもの。
一見刺身用の柳葉包丁に似ていますが…薄い刃が柔らかにしなるのがふぐ引き包丁。
このしなりを使って刃を身に押し付けながら引くことで粘り強いフグも薄く切り出せます。
極薄にそがれた身の盛りつけ。
奥深い造形の技です。
包丁と指先で花びらを作ります。
大皿に盛ること30分。
菊の大輪が華やかに咲きました。
上から眺めるとフグの透明感とかすみがかった器の景色。
横からは花びらが幾重にも重なる立体的な表情が現れます。
水揚げからおよそ5日間。
手塩にかけたフグだけが放つ美しさです。
やっぱりメイン主役ですねお刺身が。
だからやっぱり気になると夜中でもね起きてきて紙取り替えに来たりとか常にこう見守ってるって感じですね。
だから余計かわいいですね。
職人の技でさまざまに花開くフグ。
こちらは華麗な…丁寧に丸みをつけた花びらがふくよかさを醸し出します。
そして祝いの場で供される究極の一皿がこちら。
大空を舞う鶴です。
じっくりたっぷり手間をかけフグは美しくなるのです。
フグのひれ酒たまりませんねぇ。
お土産でもらったんですけどね。
どれどれ。
あ〜五臓六腑にしみわたる!ああ〜!は〜!・あなた!変な声上げちゃって気分でも悪いの?あちょっと飲み過ぎたかな。
でも心配ない大丈夫よ。
大丈夫大丈夫うん。
ああ〜最高!いいなぁ。
草刈さんずるい!ずるくない。
フグの本場下関。
町の人々はフグになみなみならぬ愛着を持っています。
海ならぬ空を泳ぐフグです。
いいか放すぞ。
いいか。
・「フグフグあがれ風よくうけて」フグはやっぱりまん丸顔なんですね。
まあかわいい!これもフグなんです。
(笛の音)優しい音色をたたえるフグの笛。
昭和初期から伝わる下関のおもちゃです。
まん丸の目にまん丸の顔。
円や曲線を多用してフグのかわいらしさを強調しました。
まだまだあります。
「趣味の部屋」?ちょっとのぞいてみましょう。
フグがお出迎え。
中には所狭しと並ぶお土産や民芸品の数々。
とっくり。
箸置き。
耳かきまで。
あふれんばかりのフググッズ。
ここで売っているわけではありません。
下関生まれ下関育ち増田明弘さん自慢のフグコレクションです。
増田さんのお気に入りがこちら。
マトリョーシカですよ。
フグに関係するものとあらば何にでも目が行く増田さん。
下関の土産店で見つけそのかわいらしさに一目ぼれしたんですって。
しまいにはこんなものまで。
あのいいんですか?本当に感激しました。
丸いフグが福を呼んでくれます。
今日二つ目の壺は…下関を代表する工芸品ももちろんフグ。
本物のフグの皮を使った…作っているのはフグ問屋。
こちらでは60年変わらぬ方法で作っています。
背中の1か所だけに刃を入れ皮を傷つけないよう中身と切り離していきます。
元の雰囲気を損なわずに皮だけ残す熟練の技。
もちろん身は頂きます。
皮を十分に洗ったらもみ殻を詰めて膨らませます。
隅々まで棒でしっかり押し込むのがコツです。
神経を使うのが顔の形。
ちょうちんの出来を左右します。
口元に結局どんな感じでもみ殻を入れるかでたまに力入れ過ぎて歯が出過ぎたりとかこっち側からばっかり入れていきよったらこれがこうずれていったりとかこっちがずれたりとか。
尾ひれにも動きを。
縁起良く尻上がりにします。
天日干しすること2週間。
皮のゼラチン質が硬くなったころ中のもみ殻を取り除きます。
そして最後の仕上げ。
目を入れてちょうちんに命を吹き込みます。
この目の描き方しだいでフグの印象が変わると言います。
黒目が小さいとちょっとおとぼけのような。
まそれはそれでまたかわいいんですけどひょうきんな感じでかわいいんですけど黒目が大きいとやっぱり更に愛らしい感じになりますよね。
かわいらしいって。
尾ひれを振り上げまるまると太った福々しい姿。
キュッとすぼんだ口元と上目使い。
かわいいですね。
フクが福を呼ぶ縁起物です。
君はよく見るとなかなかチャーミングだよね。
プーッと膨れたその怒った顔がかわいいねぇ。
どうですか…あイテ。
君は毒だけじゃなくてトゲもあるんだね。
まるでうちの妻みたい。
(妻)そんなに似てるかしら。
よ〜く似てる。
そっくり。
…え?あなた!もうどういうこと!?ああ〜っ!最後はこの方にご指南頂きましょう。
房総の海に囲まれた…フグ大好きさかなクンです。
ここ房総・館山の海にもフグの仲間がいっぱい暮らしているんですよ〜ギョギョギョ〜!おさかな博士さかなクンです。
ご存知でしたか?この帽子ハコフグをデザインしたものなんですよ。
こちらはさかなクンの自宅の水族館…所狭しと置かれた水槽に70種類もの魚たちを飼っています。
中でもお気に入りはフグの仲間たち。
他の魚には見られない個性的な姿に惹かれると言います。
フグの仲間というのはおなかのひれがないんですね。
ですんでおなかが丸く見えそしてぷっくら膨れることができるわけなんですけど。
あとは非常にユーモラスなゆったりした泳ぎ。
実は前ギョ左右自由自在時にはホバリングもできるということでギョギョッと驚く!そんな特徴がいっぱいなわけですね。
フグの仲間にはこんなユニークな変身をするものもいるんです。
(さかなクン)あらららら。
これぞホントのハリセンボン。
でも実際は針の数は1,000本はなくて300本前後と言われています。
フグにはもう一つ特徴があると言います。
実はとっても好奇心旺盛なお魚ちゃんなんですね。
例えば大好物のこちらオキアミを見せてあげると「わ〜食べたいよ〜ちょうだい!あれ?食べれないよ〜」と寄ってくるわけですね。
非常に物を見るお魚ちゃんだと思います。
好奇心たっぷりにじっとこちらを見つめるフグ。
この表情が魅力だと言います。
機嫌が良い時はこう見てるとフグちゃんのほうもずっとこっち向いて10分20分にらめっこっていうかですねもうずっとこう見つめ合ってるということもあるわけですね。
しっかりと見ようとする時にはこの両方のお目目がピンとこう焦点が合うわけですね。
その時がまたかわいい表情なんですね。
今日最後の壺は…うわ〜つぶらな目だね!口元もかわいい!下関にある水族館。
日本だけでなく世界中のフグを見ることができます。
世界にはなんと450種ほどのフグの仲間がいるんだそうです。
見て見て!多数の種を持つフグには色や形しぐさなどに豊かな個性があります。
というのは魚っていうのは大体…そういう意味でフグは最後に載ってるっていうことはそれだけ適応していって枝分かれがすごく進んだ魚の一群っていう言い方ができると思います。
多様な姿へそれぞれに進化していったフグ。
中にはこんなにも小さくなってしまった種もいるんです。
どのお魚も大きくなるまでには非常に過酷な大変な暮らしがあると思うんですね。
なんかもうフグちゃんの表情見てるとそんな大変だったことつらかったことなんていうのはみじんも見せないような。
何かいじらしいなとも思いますし。
スギョイっていうそんな魅力がギョギョッギュギュッと凝縮してるわけですね。
だからもういつまで〜も見ていたいですし。
フグ。
その独特で不思議な存在は私たちを魅了してやみません。
アイタ〜。
妻にひどく怒られました。
もうさんざんですよ。
あイテ!フグみたいにねこんな顔しちゃってんの。
あイテ。
イテ〜。
・あなた〜早く行くわよ〜。
いやこれからね妻にフグをごちそうするんですよ。
機嫌直してくれればいいんですけどね…お〜。
・あなた〜!はいはい今行きますよ!きれいね。
この夜景を君に見せたかったんだ。
2016/01/24(日) 23:00〜23:30
NHKEテレ1大阪
美の壺・選「フグづくし」[字]
身近なテーマを中心に、美術鑑賞を3つのツボでわかりやすく指南する新感覚美術番組。今回は「フグづくし」。案内役:草刈正雄
詳細情報
番組内容
憧れの冬のグルメ、河豚(ふぐ)。ふぐちり、ふぐ刺し、ひれ酒! 毒を持つのに愛されてきたのは味わい。古くから日本人をとりこにしてきた。寝かせておいしく美しくなる究極の刺身とは? 味にとどまらず独特の姿や性質も魅力。まん丸が可愛い子供も大好きなフグのおもちゃとは? そして実は観賞魚としても大人気のフグ。お魚博士・さかなクンが熱く語ります。食べてよし、愛でてよし、フグの不思議な美の世界へご招待します。
出演者
【ゲスト】さかなクン,【出演】草刈正雄,【語り】礒野佑子
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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