「アートシーン」です。
最初は今世界的に再注目されているオノ・ヨーコの展覧会からです。
(銃撃音)ガラスに残る銃弾の痕。
その下にはメッセージが残されています。
銃を撃った側から穴をのぞくように…。
反対側からのぞくとそこには闇が広がっています。
衝撃的な作品を作ったのは現代美術家オノ・ヨーコ。
オノ・ヨーコの展覧会が東京都現代美術館で開かれています。
今回の展覧会ではオノ・ヨーコが幼少からの自分を取り巻く世界を見つめています。
17世紀の魔女狩りの絵画の中に幼少のオノ・ヨーコの姿。
ひたすら一点を見つめています。
アートへの鋭い感覚は今回初公開された19歳の作品に既に現れています。
この作品は見えない花の香りを追い求めるというストーリーです。
オノ・ヨーコとビートルズのジョン・レノンとの結婚は世界を驚かせました。
しかし幸せな日々は突如として終わりを告げます。
(銃撃音)ジョンが銃弾に倒れたのです。
ジョンの最後を物語る血の付いた眼鏡です。
かつて夫ジョン・レノンと共に世界的な活動を行っていました。
「WARISOVER!」。
「君が望めば戦争は終わるのだ」というキャンペーン。
このスローガン実はこれ自体が文字で表現したオノのアート作品でもあったのです。
オノは文字でアートを表現する事をいち早く見いだしました。
ジョンの突然の死から立ち直ったオノは再び現代アートに向き合います。
つるされたコオロギの虫かご。
ジョン・レノンが亡くなった日が刻まれています。
そして広島に原爆が落とされた日オノにとって戦争や暴力がより大きなテーマとなったのです。
世界的なアート活動で知られるオノ・ヨーコ。
今回は生まれ故郷東京での活動に着目しています。
芸術的ないろいろな活動の出発点を考えていく上で東京の戦前から戦中戦後にかけての環境というのでしょうか。
オノさんを取り巻くものというのは非常に前衛芸術家としてのスタートを考える上で非常に重要な意味を持っている。
世界的な名声を得る前の幼少期や東京での活動作品というのはなかなか広く知られていませんからとても興味深い展覧会になりそうですね。
ではその他の展覧会です。
幕末の絵師狩野一信の生誕200年を記念し五百羅漢図20幅が公開されています。
一信はおよそ10年をかけて全100幅に挑戦しました。
公開中の前半10幅には修行する羅漢たち。
家々を回って施しを受けています。
こちらは座禅の修行です。
ほの暗い中に輝く金色は裏からの彩色などの技法を駆使して描かれています。
たく鉢の施しに手をつけずひたすら修行に向かう羅漢たち。
この絵では強烈な光で陰影を表現しています。
西洋絵画から入ってきた影を描くという事を強く意識しているのでしょうか。
後半10幅は超能力を発揮する羅漢たちの登場です。
自分の顔をめくると釈如来の姿。
一信の作品には画面狭しといくつものシーンが描かれています。
子供たちと戯れる羅漢。
一方でさまざまな術を使う羅漢。
龍を自在に操る羅漢。
その姿にあんぐり口を開けて驚く男。
一方こちらは修行を積み間もなく仏にならんとする羅漢。
それを邪魔する邪鬼がいろいろないたずらを仕掛けてきます。
この姿を見て別の羅漢が邪鬼を追い払っています。
荒井良二の絵本原画を中心に紹介する展覧会です。
広く親しまれている童話に魅力あふれる挿絵を描き夢の世界へといざなう荒井。
自ら創作した物語もあります。
生まれてきたのは「ねんどろん」。
ひっついたり転がったりいろんなものに変身します。
会場の一角の壁に穴。
のぞくと…。
絵本の世界が動きだしました。
もっと楽しい絵本の展示はできないかと遊び心を駆使した映像です。
水墨で自然を描く宮忠子。
5月生命力あふれる杉。
秋。
季節が移り姿を変えます。
宮は1つの対象を描き続ける画家。
繊細な筆遣いで葉の一つ一つまで写し取っています。
部屋の窓から見える丘。
じっと双眼鏡で観察します。
細い筆先の一本の毛に墨を含ませひたすら描き続けていきます。
色鮮やかに彩色が施された版画。
江戸初期仲むつまじい男女の姿を描き出したのは菱川師宣。
師宣によって初めて浮世絵という世界が登場します。
その絵画は江戸庶民の間で大流行を巻き起こしました。
千葉市美術館で錦絵誕生までの初期浮世絵に迫る展覧会が開かれています。
17世紀後半に入ると江戸に出版文化が根づき庶民に向けた絵本が数多く出回ります。
師宣もそうした絵本の絵師として出発します。
後に師宣の作品を「浮世絵」と呼ぶようになりました。
また師宣と同時期に多くの絵師たちが次々と浮世絵の世界に登場してきます。
中でも遊女は人気のテーマでした。
更に大きな浮世絵の流れをつくり出したのが歌舞伎の看板絵を描いていた鳥居派。
今回世界に一枚だけという版画がイギリスから寄せられました。
初代鳥居清倍の彩色版画です。
日本には300年前の貴重な版木が残されており同時に展示されています。
その後浮世絵はさまざまに発展。
こちらは高価な紅花の赤を用いた…そしてこちらが西洋の遠近法を取り入れた…厚みと光沢を出した…やがて多色刷りの錦絵を生み出し江戸時代を代表する芸術的価値も高まっていきます。
(田辺)初期浮世絵の日本で初めての総合的なそして本格的な展覧会で海外からも名品がたくさん里帰りしてますのでほんとにこの機会にしか見れないものがたくさんあると思います。
「アートシーン」でした。
ではまた次回。
2016/01/24(日) 20:45〜21:00
NHKEテレ1大阪
日曜美術館 アートシーン ▽“オノ・ヨーコ 私の窓から”展 ほか[字]
オノ・ヨーコ 私の窓から展(11/8〜2016/2/14 東京都現代美術館)ほか、展覧会情報
詳細情報
番組内容
オノ・ヨーコ 私の窓から展(11/8〜2016/2/14 東京都現代美術館)ほか、展覧会情報
出演者
【司会】井浦新,伊東敏恵
ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
情報/ワイドショー – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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