失礼します
(笠原)はいどうぞ
7歳のこの少女
生まれつき…
何が心配?教えて先生に何が心配?
これまでのように臓器を移植するのではなく
男が挑むのは臓器を新たにつくりだすこと
今日本で臓器…
しかし…
圧倒的な…
そんな中谷口が目指しているのは…
(谷口)こういったことができるようになれば…
カギはこれ
…つくられた
ミニ肝臓をつくるっていうのは…
山中教授との出会いからおよそ15年
…を切り開くミニ肝臓
その最前線に迫る
Ihaveadream!Wehaveadream
ここは日本で初めて臓器再生を掲げた研究室
立ち上げたのは…
入り口には嫌でも目に入るものが…
この部屋に入ってくる人は必ずこれを読んでほしいと
幕末の志士たちを育てた吉田松陰のごとく
谷口は医療界に維新をもたらそうとしている
その未来の扉を開けるのがこれだ
この白い粒こそヒトの…
ほんの数ミリだが大きな夢が詰まっている
これがつくれるようになったというのが我々の技術の一番革新的なところですね
世界初iPS細胞からできたミニ肝臓
その誕生をとらえた貴重な映像がこちら
細胞を培養していたシャーレの中に
自然と塊ができていく
培養初日はバラバラの細胞が
2日目には中央に集まり
3日かけて一つの塊になった
横から見ると盛り上がり立体なのがわかる
特殊な顕微鏡で見てみると…
赤く見えるのは血管
本物の肝臓のように血管が複雑に入り組んでいる
これがミニ肝臓と呼ばれるゆえんだ
これまで…
…には立体的な血管の構造はない
そのため…
患部を部分的に修復することはできても
一方…
カテーテルで体内に大量に届ければ
体の中でどんどん育ち
やがて傷んだ肝臓の細胞と置き換わることが期待されている
谷口の研究室で行った
肝臓病のマウスを使った実験の結果…
何も治療をしないマウスの7割は
1ヵ月後に死んでしまったが
ミニ肝臓を移植したマウスの方は
実に9割が生き残った
翌日には血管がつながり
血液が流れ込んだ
こうして健康な肝臓がつくられていく
こういった方法で…
現在谷口は肝臓に限らず
ほかの臓器でも研究を進めている
こういったことができるようになれば非常に多くの患者様を助ける技術になりますし今移植を受けてる患者様が…
谷口の夢
それはドナー不足が深刻な…
…を確立すること
ミニ肝臓はその夢への第一歩だ
今谷口の研究チームは…
目標は…
分化誘導という部分の精度はかなり高いし…
今後はより大きな動物で実験を行い
その精度を高めていく
ミニ肝臓の臨床研究はここで行われる
…を行うこのセンターで
谷口に協力するのが笠原医師
頑張ろうかじゃあ臓器移植をやらないですむようになればね今後そうすれば…
病気になってもほとんど自覚症状のない
沈黙の臓器・肝臓
近年ある肝臓疾患が
注目されているのをご存じですか?
それはお酒を飲まない人でもかかってしまう脂肪肝
これらの人がかかりやすく
国内の患者は…
そのうちおよそ2割は「NASH」と呼ばれ…
怖い病気です
お酒を飲まないから大丈夫と油断せず…
沈黙の臓器と向き合ってくださいね
谷口の夢を実現させる上で
大きな一歩となる出来事があった
(女性)じゃハッピーでいきますハッピー
臨床研究に向けた新たな施設が完成したのだ
そこはミニ肝臓をつくるための最新設備をそろえた
世界に一つだけの専用施設
ここはより高品質なミニ肝臓をつくる
いわば…
ここが培養する場所になってます
谷口いわく実際の患者の治療には…
ロボットが稼働するここならそれが可能だ
でもどうして肝臓を
丸ごとつくろうとは思わないんですか?
それを体の中に戻して患者さんご自身の力を我々は期待しまさに…こういう考え方
患者の体で育った臓器こそ
患者に最も適した臓器になる
その思いを谷口に教えてくれた人がいる
ここにいつも岩崎先生は…
パソコンのデスクトップに貼られているのは
恩師…
開けるたびに見て…「どうだい?」って言ってくれて……イメージですねいつでも
今は亡き恩師との出会いは衝撃的だった
32年前岩崎教授は…
まあ何というかその時その時とにかくそのことが…
しかし当時はまだ脳死が人の死だとは認められておらず
岩崎教授は殺人罪で告発された
僕がそのとき学生なりに思ったことは岩崎先生はこうなることをわかっていたとそれでみんなやらないやらないことはよくないとこれでいいんですかね?とホントに非常に純粋にまず…ベースにすごくありますよね
純粋に…
その信念を知った谷口は
岩崎教授のもとで
外科医の道を歩み始めた
そしてすぐに想像を絶する現実を知った
そういう作業もあるわけなんですね1年目の医師としては…
若き外科医だった谷口
…を知った
そう連絡が入ると病院へ直行
長いときには…
ただただ死を待ち続けた
それこそ床に寝るような形で待ってそれでようやく摘出して移植をしていくってこれはある意味…僕にとってはまだ若かった1年目の医師としては非常に強烈な体験でしたね
臓器移植に限界を感じた谷口
その思いは恩師・岩崎教授も同じだった
そして2人は
…という同じ夢に向かった
ところがその6年後恩師が他界
最後肝臓を悪くしてお亡くなりになったんで肝臓移植がホントに一番のやりたいことだったし肝臓移植のその先で…
夢を託された谷口は一日でも早く実現させるため
研究者としての道を歩み始めた
恩師の死から5年が過ぎたある雪の日
谷口はその夢を加速させる人物に出会う
それは先端医療の研究者が集まる懇親会の席
一人の男が遅れてやってきた
毎日ジョギングを欠かさないこの男こそ…
iPS細胞を発見する前
もちろんノーベル賞も手にしていない頃の出会い
谷口も肝臓づくりを目指し暗中模索していた頃だ
そんな谷口に山中教授は共感を抱いた
すごくだから共感僕も少しだけですが外科医といいますか整形外科医だったことがあったので言い方が悪いかもしれないんですが…谷口先生を見ていると全く同じだなと
互いに外科医の経験がある2人
その研究姿勢には
通じるものがあった
頭のいい人が考えるとみんな同じところいきますんでそれでも越えられない部分が壁でありますからそれは手を動かすことによってしか突破することはできないといろんな論理を積み上げるよりまず手を動かすと
そうしなければ壁は越えられない
山中教授もまたずっと手を動かし続けていた
そして…
病気やケガによって失われた骨や臓器などの細胞を新たにつくりだすそんな可能性が現実味を帯びてきたというニュースからです
山中教授は…
一躍脚光を浴びた
谷口はその…
つくりだすことを決意する
実はその頃…
その方法は肝臓の細胞や血管など
必要なものを別々に培養し純度を高くしてから
プラモデルのように組み合わせるというもの
しかし…
難題に挑む谷口
若い研究者たちも…
…に向け手を動かし続けたがうまくはいかない
やってダメだダメだを繰り返すのは非常に重要なことでダメだということが次々とわかるダメだダメだ…これは新しいことやらなきゃいけないとそれこそが新しいものを生みだす原動力
失敗続きの谷口だったが
ついに成功へのカギを見つける
ドナーの死に頼る臓器移植を変えるため
iPS細胞で肝臓をつくることを目指した谷口
数々の失敗を重ねてたどりついたのは
ほかとは全く…
肝臓に必要なパーツを別々に培養し
純度を高めてから組み合わせるという
これまでの定石に反し
谷口は3種類の細胞を一つに混ぜて培養すれば
肝臓に近づくのでは?
そう考えたのだ
臓器と向き合ってきた外科医出身の谷口らしい発想
3種類の細胞を試験管で混ぜてみた
すると思いもよらないことが…
細胞同士が意志を持ったように集まり始め
一つの塊になった
世界で初めてiPS細胞から立体的なミニ肝臓が誕生
本物の肝臓にある複雑な血管構造もできていた
これで臓器つくれるような状態にすることができるんじゃないかということで非常に興奮しましたね
「夢の実現に一歩近づきました」
亡き恩師にいい報告ができた
恩師から託された夢は
若い研究者たちにも受け継がれていく
次なる挑戦は…
かんぱ〜い!
iPS細胞からつくったミニ肝臓について
詳しく知りたいと
肝炎を患った人たちが講演会を開いた
谷口が実現を目指す新たな治療法は
患者たちにとって希望の光だ
それは大きな希望ですよiPS肝臓を待ってるような人はたくさんいるはずですからぜひそういう人たちを助けていただきたい期待してますもうすごい勢いで科学が進んでるんだなと思ってます今まだマウスの実験状態だと思うんですけど人にできるようなね皆さん苦しんでる方々を早く助けていただきたいと思ってます谷口先生元外科医としてそして研究者として谷口先生のことを心から尊敬しています僕の父親は肝臓の病気で若くして亡くなりました一日も早く先生の技術iPS細胞から肝臓をつくると臓器をつくるという技術が開発が進んで人間の患者さんの治療に役立つ日が一日も早く来ることを心から願っていますこれからも一緒に頑張っていきたいと思います患者さんからの声はやっぱり心に響きますね患者さんからすると明日どうなるかわからないっていう気持ちは常にあると思いますのでやはり一日でも早く届けたいとやっぱり継続して一つの意志を持ち続けるそうでなければ達成できないということが患者さんを助ける技術を開発するということだと思ってますしそれが人類全体に非常に大きな幸福をもたらすことになればいいなと思ってます
次回は取り壊す運命だった…
それは建物全体を軽量化し
なおかつ地震に強くする…
仙台の…
亡き父が建てた思い出の…
父も応援していたと思います
ナレーターはこの人にバトンタッチ
番組をきっかけに生まれた…
詳しくは番組のホームページをご覧ください
2016/01/24(日) 18:30〜19:00
MBS毎日放送
夢の扉+[字]【中井貴一▼世界初!iPS細胞から“ミニ臓器”作製に成功!】
ドナー不足解消へ〜臓器移植に代わる新治療とは!?
詳細情報
番組内容
日本が誇る「iPS細胞」研究が、今、新たなステージに入った!
iPS細胞は、様々な組織や臓器の細胞になる能力をもつ「万能細胞」。
“再生医療の希望”として期待がかかるが、これまで、“立体的な臓器”にすることは困難とされてきた。そこに『大きなブレイクスルー』をもたらしたのが、横浜市立大学大学院・教授、谷口英樹。
世界で初めて、iPS細胞から、立体的な構造をもつ“ミニ肝臓”の作製に成功したのだ。
番組内容2
もともと外科医だった谷口。臓器移植手術を多く手がけてきたが、ドナー不足のため、救いたくても救えない患者を目の当たりにしてきた・・。
『純粋に…患者さんを治したい』
谷口の切なる思いが、“臓器提供に頼らない”治療法の未来を切り拓く。
3年後の臨床試験に向け、立体臓器製造プロジェクトが動き出したー。
出演者
【ドリーム・メーカー】横浜市立大学大学院 臓器再生医学 教授 谷口英樹(52歳)
【ナレーション】中井貴一
音楽
小田和正「やさしい雨」
関連URL
【番組HP】
http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/
【twitter】@yumetobiplus
http://twitter.com/yumetobiplus
【facebook】
http://www.facebook.com/yumetobiplus
制作
【制作協力】TBSビジョン
【製作著作】TBS
おことわり
番組の内容と放送時間は変更になる場合があります。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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