【ソウル=小倉健太郎】韓国の現代自動車が26日発表した2015年12月期連結決算は純利益が6兆5090億ウォン(約6360億円)と前の年に比べ15%減った。3年連続の増収減益だ。為替変動や販促金の積み増しの影響で、事業規模が拡大しても利益が伴いにくくなっている。最新鋭の現地工場があり好採算の中国市場で販売が落ち込んだ影響も大きい。
売上高は3%増の91兆9590億ウォンだった。世界販売台数は484万台(傘下の起亜自動車含まず)と微増にとどまったが、多目的スポーツ車(SUV)など単価が高い車種の販売構成比が増えた。
中国での販売台数は104万台と7%減った。低価格を強みとする地元メーカー車に押され夏場に大きく販売を落とした。数カ月で回復に向かったが販売奨励金を大幅に増やし、収益を圧迫したようだ。ロシアやブラジルでも地元経済の混乱で不振だった。
米国、欧州、韓国などでは販売台数が増えた。地元市場で2位のシェアを持つインドでは46万台と13%増加。欧州販売をわずかながら上回り、現代自にとって中国、米国、韓国に次ぐ4番目の市場となった。
ウォン相場は米ドルに対して下落した半面、ロシアのルーブルやブラジルのレアルはウォン以上に下がったため「対ドルで得た為替メリットは他の通貨に対する損失で相殺された」(現代自)。
15年10~12月期の純利益は8%減の1兆5290億ウォン、売上高は5%増の24兆7650億ウォンだった。
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