(テーマ音楽)科学者としてそして主婦として暮らしの問題を世に問い続けました。
独自に商品テストを行うなど消費者運動に初めて科学を取り入れた高田さん。
次々と有害な食品添加物や不当表示を突き止め告発しました。
声なき市民の意見をくんでほしいと国や企業に直訴。
間違った事に対しては決して追及の手を緩めず「すっぽんのユリ」と呼ばれました。
食の安全や大企業による偽装が社会問題となっている今高田さんの言葉は私たちにヒントを与えてくれます。
大正5年新潟・佐渡に生まれた高田さん。
小学校の教員だった両親に厳しく育てられました。
資格を身につけようと薬学の専門学校に進学。
実験の面白さに魅了された高田さんは卒業後も大学に残り助教授として研究に没頭しました。
そんな高田さんが消費者運動に身を投じたのは戦後まだ間もない昭和25年34歳の時でした。
「関東労協婦人部では3月24日東京芝公会堂で婦人参政権を生かす会を開きました」。
戦後に参政権を獲得した女性たちが積極的に声を上げていこうと社会参加の機運が高まっていた時代。
東京では台所から政治をよくしようと集まった女性たちが主婦連合会を設立。
粗悪な配給物資や闇取引に抗議するなど消費者の運動が始まっていました。
「粗悪品を追放せよと証拠の品々を並べました」。
戦後の消費者運動をリードした奧むめお。
これからの運動には科学的な裏付けが不可欠と説得された高田さんは主婦連合会への参加を決意。
商品テストに取り組み始めました。
消費者の安全を守る活動は行政や企業との闘いである事を思い知らされる出来事が次々と起こりました。
消費者の訴えをなかなか聞き入れようとしない行政や企業。
高田さんはより正確な実験データを示しながら広く世の中に訴えていきました。
有害なオーラミンの使用を見過ごす事のできなかった高田さんは国に訴えかけ粘り強く交渉。
禁止へと追い込みました。
その後高田さんの活動は社会的な反響を呼んで国の規制や法律制定に向けて大きな流れを作り出していきます。
缶詰の不当表示を追放する運動。
有害物質が溶け出すプラスチック製品への規制を求めた活動。
果汁の入っていないジュースには無果汁と表示するよう求めた運動。
時の首相に市民の立場に立った消費者行政を行うよう直訴すると同時に消費者の側にも意識変革の必要性を訴えました。
独自の試験で得た科学的なデータを裏付けに消費者の意見を行政や企業に訴え続けた高田ユリさん。
安心して暮らせる社会をどう築き上げていくのか。
高田さんの言葉は多くの示唆を与えてくれます。
2016/01/23(土) 05:40〜05:50
NHK総合1・神戸
NHK映像ファイル あの人に会いたい「高田ユリ(消費者運動家)」[字]
消費者運動の先駆者・高田ユリ。戦後の消費者運動をリードしたその姿勢は、偽装データなど大企業の不祥事に揺れている日本社会に大きな問いかけを投げかけている。
詳細情報
番組内容
消費者運動の先駆者・高田ユリ。主婦連合会の一員として独自に商品テストを行い、科学的なデータをもとに食品の安全性や不当表示などの問題を提起した。行政や企業にも大きな影響を与え、戦後の消費者運動をリードしたその姿勢は、偽装データなど大企業の不祥事に揺れている現在の日本の社会に大きな問いかけを投げかけている。
出演者
【出演】消費者運動家…高田ユリ,【語り】鈴木奈穂子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
情報/ワイドショー – 芸能・ワイドショー
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