(矢崎栄一)さなえさん…。
(吉岡さなえ)矢崎さん…。
さなえさん…。
矢崎さん…。
さなえさん…。
(矢崎)「さなえさん…」
(只野仁)はあ…。
「タラリラ…」「
(さなえのあえぎ声)」
(森脇幸一)ついにここまで来ましたね。
たまってた分思いっきりやってやれ。
やっぱりダメ…。
あなたとの事大切にしたいからもっと時間をかけたいの。
そう…。
そう言ってくれてうれしいよ。
ああ…もう!今夜もダメかー。
この女相当なタマだな。
私たち当分会えないかもしれないの。
えっ…。
ど…どうして?私の兄が先物の投資に失敗して借金を作ってしまったの。
そりゃあ…大変だね。
でも僕と会えなくなるっていうのはどうして?その借金を返すために私も夜の仕事を始めようと思ってるの。
だからこうしてあなたと会う時間はもう…。
そんな…。
その借金って幾ら?僕がなんとかする。
ううん…悪いわ。
いいんだ。
来た来た…今度は兄貴かよ。
この前はお母さんが病気。
その前はおじさんの会社が倒産。
いい加減だまされたと気付けよ…。
150万だね。
わかった。
わかってねえ…。
ありがとう。
どうしてそんなに私によくしてくれるの?バカだから。
君を…。
愛してるから。
これまで幾らあの女に貢いだんだっけ?母親の入院で40万。
おじさんの倒産が100万で今日の兄貴が150万って事は締めて…。
290万か。
でも…お金本当に大丈夫なの?僕は天下の電王堂の社員だよ。
大丈夫だって。
大丈夫じゃねえだろ。
ありがとう。
私も愛してる。
それじゃここで。
おい…酔っ払っちゃったな〜。
…社長。
やだよ〜あらやだよ〜。
腰抜けちゃったじゃないですか社長。
社長今日は酔っ払っちゃったな。
ほーら社長面白いギャグ。
これは面白い社長。
30分…どっち行くか?今日も風俗で後始末か…。
哀れなもんだな。
1万円使うと…。
バカ野郎お前。
今度にしとけ。
あの女の正体突き止めるんだよ。
はい!おお姉ちゃん。
トイレどこ?
(坪内紀子)え…?そっちですけど?連れてってよ。
漏れちゃうよ。
あー早くしないと漏らすよ。
イヤ…離してちょっと…。
離してちょうだい!誰か誰か…。
イテッ…。
何やってんだこの野郎…。
あっちょっと。
はい?助けてちょうだい。
あ…はい。
そうじゃなくて!あの…当社に何かご用でしょうか?矢崎って野郎がいるだろ?矢崎?ああそうだよ。
矢崎だよ矢崎。
そいつが貸した金返さないからこっちは困ってんだよ。
そうだ少しだったら僕が都合付けますが…。
あっ…。
おちょくってんのか!?イタッ!ああ…。
こっ…こー…。
あれ?なんだかわからないけどやりました。
只野…。
あれ?あっ…。
(足立和美)先輩大丈夫ですか?あいつのせいよ。
矢崎のやつ自分の貯金だけじゃ足りなくなってあちこちから金借りまくっているようです。
(黒川重蔵)困ったもんだな。
ええ…。
矢崎はその女に幾ら貢いだんだ?我々が調査を始めてからもう約300万。
その前も合わせると一体幾らになるんだか…。
300万払っても抱きたいほどいい女か?ところがね2人まだ一線越えてないんですよ。
やらずぼったくりか。
ひどいな…。
なんか実感こもってませんか?うるさい。
何者なんだ?その女は。
はい。
2人の会話を盗み聞きしたところでは…。
あの女が道で足をくじいて困っているところに通りがかって助けてやったのが出会いだったそうです。
仕組まれたにおいがプンプンだな。
ええ。
純情そうな男から金をだまし取ろうとしてるのが目的なのか…。
他に何か?実はな…。
先日我が社のコンピューターシステムが何者かにハッキングされて臨海都市再開発プロジェクトの極秘ファイルが盗み出されたんだ。
え?という事はもうその極秘ファイルはライバル会社に渡っちゃったわけですもんね。
いや…幸い盗まれたファイルにはロックがかけられていたからパスワードがなければ開く事は出来ない。
借金に困ってそのパスワードを売り渡すかもしれない…って事ですか?あるいはその女がパスワードを聞き出すために矢崎に近付いた可能性もある。
早くその女の正体を突き止めろ!はあ…それがですね…。
2人が別れたあと女を尾行して…。
いやさすがにあとについて入るわけにもいかず前でずっと張ってたんですが…。
結局出てこなかったんですよ。
見落としたんじゃないのか?いやそんなはずは…。
最近たるんでないか?た…。
ええまあ多少残業続きでは疲れておりまして…。
あの…まあ誰かさんがですねなんの説明もなく女のあとをつけろとかその訳のわからない…。
何を言ってるんだ。
この次のボーナスの査定上げてやるから。
よろしくお願いします。
やー!
(佐川和男)只野。
お前は警備に書類を出すのにどれだけ時間がかかってるんだ!実は渋滞に巻き込まれてしまいまして…。
今度からは交通情報に注意しろ。
はい…。
あの山吹さん。
(山吹一恵)はい。
仕事しようと思うんで備品管理の資料をいただけますか?はい今プリントします。
お願いします。
あっ…。
ああっ!これですねいただいていきます。
本当にいいんですか?うん。
きっと返します。
ううんいいよ気にしなくて。
矢崎のやつまたどっかで借金したな。
今日こそあの女の正体暴いてやりましょうよ。
チッ…またか。
俺やっぱりなレッドホットチリ味噌味の方が好きだな。
僕はこっちの方が好きですけどね。
そうか…。
お前大体なんだその格好ホストみたいな…。
あバイトしてたんだよな?お前な。
いやいや…してないしてないです…。
おい…あの女だ。
あの女だ!えっ?まさかそんな…。
あちょっと!そんなとこ捨てないでよ。
捨ててないじゃないですか…。
只野仁。
大手広告代理店の窓際係長
しかしそれは表の顔にすぎない
彼には会長直属の特命係長としてさまざまなトラブルを解決するというもう1つの顔があった
(狭山)はあ…。
(狭山)はあはあはあ…。
どうだい?アケミ。
俺たち相性最高だろ?ん?あの電王堂社員よっぽどお前に惚れてんだな。
私じゃないわ「さなえ」よ。
そんな事より分け前ちょうだい。
なんに使うんだ?美容整形でもすんのか?そんなとこよ。
(ノック)なんだよー?ルームサービスでーす。
(狭山)頼んでねーぞ!なんだお前…。
静かにしろ。
邪魔するぜ。
お楽しみのとこ悪いんだけどよこの金返してほしいんだよな。
おい…なんなんだお前この野郎…。
(狭山)うっ…。
おいお姉ちゃんよ。
どうして矢崎をカモに選んだ?網張ってたらあいつが勝手に引っかかってきた。
それだけよ。
本当かよおい。
目的はなんだ?金だけか?他に何があるの?嘘つくと為にならないぞ。
世の中金よ。
おい…。
返すんだよお前。
人様の金だろ?おい。
これやるよ。
嘘だバカ野郎。
今までの金は?そんなもんないよ。
みんな使っちまった。
使っちまった!?なんだよしょうがねえなあ。
あーあしょうがねえな…おい。
あ?この方のもらっていきましょうかね。
警察に突き出さないの?まあだまされる方もいい加減バカだしなありゃ。
けどせめて矢崎の前には二度とツラ見せんなよ。
いいな?お待たせいたしました。
オムライスお持ちいたしましたご主人様。
(2人)ご主人様おかえりなさいませ。
うわ…。
ご主人様おかえりなさいませ。
ご主人様おかえりなさいませ。
おかえり。
あいみんです。
りりたんです。
(2人)2人合わせてあいりりです。
先輩こういう趣味もあったんですね。
ひと仕事終わったあとの癒やしだ癒やし。
って事はうまくいったんですか?あの女が矢崎の前に現れる事ももうねえだろう。
ご主人様失礼いたします。
俺もやってもらおうかな。
はい。
なんなりとお申し付けくださいご主人様。
あの…そしたらちょっとそばに来てよ。
イヤ…。
おさわりはダメですのよ。
ご主人様。
(3人)メッ。
そうなの?「電波の届かない場所にあるか電源が入っていないため…」「ヨシオカサナエ」から170万…。
どういう事なんだよ。
(野村俊夫)いやー最近女友達増えちゃってさ携帯2台で管理してんだ。
(久保順平)さすが野村様。
なんか二丁拳銃みたいですね。
だろ?こっちは本命用こっちはキープ。
こっちはキープだ。
ああっああ…。
(野村)ああ…ヨシコちゃんとおそろの携帯が。
本命の方が…。
久保…拾って拾って。
(久保)ああ…すいません。
ちょっと失礼します。
ちょっと何すんのよ!
(久保)いや…違うんですよ…。
スケベ!
(久保)あ…これはこれで…。
あの…ここいいですか?どうぞ。
すいません。
どうかしたんですか?顔色悪いですよ。
いや別に…。
あなた!え?私の借金…取りに来た連中に絡まれてましたよね?そうですか。
彼女から連絡がないんですか。
心配なんです。
何かあったんじゃないかと。
まあ大丈夫だと思いますよ。
急に連絡絶つなんて変じゃないですか?ひょっとしてだまされてたとか?ありえない。
さなえさんは純粋で正直で優しい人なんだ。
そんな…人をだますなんて。
金取るだけ取って姿くらましたんですよ。
あなたはさなえさんを知ってるんですか?知りません。
だからそういう事を言うんだ。
いつだったか彼女は夕日を見て「キレイね」って涙流してた。
心の汚れた人が夕日を見て涙を流しますか?芝居なら…。
芝居なわけがない。
(沢田)あいつか?パスワードを知ってる男は。
(近藤)間違いないです。
(沢田)一緒にいる男は?
(近藤)単なる同僚でしょう。
(沢田)せっかくファイルを盗み出したのにパスワードがなければなんの役にも立たないんだよ。
(沢田)あの矢崎という男を探りなさい。
(近藤)金で転ぶ男なのか?それとも何か弱みがあるのか。
ああ。
(矢崎)とにかくさなえさんは今まで付き合った女性の中で一番すばらしい人なんです。
これまでどれだけの女性と付き合ったんですか?そそれは…。
(携帯電話)あさなえさん。
(携帯電話)すいません僕でした。
(携帯電話)出ないんですか?いいんです。
(新水真由子)また無視して…許さないんだから。
(瀬尾広子)仕事中は電話しちゃダメって言ってるじゃない。
ううん私だって話したいのはやまやまなんだけどさ。
怖い先輩ににらまれるしー。
今夜思いっきりいじめてやるんだから。
(真由子の声)イヤーンもっといじめて。
はあ…いじめてやろうと思ってたのに。
いじめられちゃった。
悔しい。
でも可哀想な人よね。
その矢崎っていう人。
バカなんだいい加減ありゃ。
勉強ばっかりしてきたからそういうのにコロッとだまされるんだ。
私なら一度ぐらい…いいかなって思っちゃう。
親切だな。
彼に愛されてたわけでしょ?少しは心が動くと思うな。
どっちにしてもあの2人が会う事はもうねえよ。
あらそういうところから始まる本当の恋っていうのもあるんじゃないの?ないない。
うーんもうロマンがないんだから。
セキュリティーキーの管理者リストの更新に取りかかるべきだと思いますが矢崎さんその点どうですか?えっ?どうした?システムの修復は一刻も早いに越した事ないんだ。
君がしっかりしないでどうする?
(狭山)本気かよ?アケミ。
そうよ。
あんたとはもうおしまい。
そう言うなよ。
うまくやってきたじゃないか俺たち。
「うまく」?この間の無様な姿は何よ。
あれはたまたまだよ…。
頼むよアケミ。
俺お前がいないとダメなんだよ。
お前だって俺がいないとダメだろ?ん?イテッ!さいなら。
ちょっ…アケミ!
(真由子)冴子さんは川で落ちた子どもを助けようとして飛び込んだんですね。
(雪江)ええ。
子どもさんはなんとか助け出したものの自分は力尽きておぼれてしまったそうです。
娘さんの意識が回復する見込みは?特殊な治療をすればあるいは…。
でもそれには大変なお金がかかるんです。
お金が?ええ。
20万30万と何回かに分けて送られてきたんです。
送った人に心当たりは?いえ。
でも…。
何か?
(雪江)実は…。
あの女狭山ってチンピラと別れました。
矢崎と会うつもりもないようです。
もうしばらく念のため様子を見てみるか。
え?ん?事件は解決したのにどうして女の事気にするんですか?アフターフォローってやつだよ。
本当ですか?矢崎の代わりに自分がいただこうって思ってません?え?バカ野郎。
(アニータ)失礼します。
あー!君確かあの細長い国から来た子だよね。
アニータ。
あー覚えててくれたのね。
ありがとう。
なんだその「細長い国」ってのは。
チリですよチリ。
チリ?なぜにチリ。
ちなみにチリ人は1年に平均112回エッチするね。
(アニータ)日本人は45回。
どうした日本の男。
メイドよりこっちの方がいい。
そうか…。
おお。
ハウス!よし。
はあ…それにしてもな…。
あんな形で女を遠ざけられりゃそりゃ矢崎のやつ仕事に集中出来ないわなー。
でもそんなの僕たちの仕事じゃないんじゃないですか?会長がなんて言うかな…。
矢崎の様子がおかしいのでシステムの修復に遅れが出ている。
このままだといつまたハッキングされるかわからん。
誰かあの…交代要員をですね用意すればいいんではないかと。
そう簡単にはいかん。
彼ほど優秀な人間はなかなかおらん。
女を遠ざければ問題解決…とはいかないんですね。
どんな優秀なやつでも女が原因でダメになる事はある。
いやまじめに生きてきたからこそ一度女にはまると厄介なんだ。
わかりました。
なんとかします。
はあー…。
只野さんなんか悩みでもあるんですか?いえ別に。
こんなのんきなやつに悩みなんかあるわけないじゃないか。
失恋の痛手を早く忘れる方法ってないですか?只野さん失恋したんですか?友人の話です。
どうやら…これはマジだよ。
「友人の話だ」って言う時は本人の事だろ?好きな人いたんだ。
(井上さおり)どうします?おとなしくていいんじゃないか?
(遠藤雅子)そんなの冷たいですよ。
なんとかしてあげましょうよ。
そのお友達に教えてあげてください。
え?失恋の傷を癒やすには…。
(小島エリカ)やけ食いでしょうやっぱり。
(君島あや)やだー太るじゃない。
(上村真樹)私は失恋した時は旅行に行くわ傷心旅行。
(一恵)解決になりませんよそれじゃ。
失恋から立ち直るには新しい恋を見付けるのが一番です。
新しい恋ね…。
イヤだ…。
そんな意味じゃないですよ。
(沢田)どうですか?一杯。
あ…。
どうも。
(沢田)電王堂の矢崎さんですね。
あ…どこかでお会いしましたっけ?あなた借金があるんでしょ?それ一気に返してしまいません?あなたの情報をね高く買いたいっていう人がいるんですよ。
情報?パスワード。
あんたハッキングの犯人か?いやそれはまた別です。
私はただあなたからの情報をいただけるよう交渉を頼まれただけで…もちろんタダとは言いません。
3000万出しましょう。
3000万?安いですか?お断りします。
いいじゃないですか。
会社で出世したってねたかが知れてますよねえ。
会社を食い物にしてやるくらいじゃないと…ダメですよ?これからのサラリーマンは。
断る!
(矢崎)ごちそうさま。
あれっ…。
手帳…。
ないっすね。
まあそうだろうな。
そんなところに不用意にパスワードを書くようなやつじゃないよ。
なんだよこれ…。
女の事ばっかりじゃねえかよ…。
(近藤)「今日もさなえさんから電話がない」
(一同笑い)使えるかもしれんな。
この女の事調べなさい。
よっ。
返す金ならもうないよ。
いやいやそうじゃねえんだよ。
えっ?また「さなえ」になれって言うの?矢崎の野郎をちゃんと失恋させてやってほしいんだ。
どうやって…?いやひと芝居打ってよ…。
事情があってあなたとはもう会えないの。
だから私の事はもうあきらめてとかなんとか言ってよー。
やつの中でちゃんとピリオドが打てるようにしてやってほしいんだよ。
えー?「えー」じゃねえだろ。
矢崎はなお前の…。
お前が演じてた「さなえ」って女の事が忘れられなくて…。
仕事も手に付かないような状態なんだぞ。
知らないよそんな事。
自分がやった事だろ?責任取るんだよ。
芝居うまいんだろ?お前。
夕日見て涙流したそうじゃねえか。
なんだよ。
それともそれは芝居じゃなかったとでも言うのか?
(真由子)「冴子さんは川で落ちた子どもを助けようとして飛び込んだんですね」
(雪江)「ええ子どもさんはなんとか助け出したものの自分は力尽きておぼれてしまったそうです」
(真由子)「娘さんの意識が回復する見込みは?」
(雪江)「特殊な治療をすればあるいは…」
(雪江)「でもそれには大変なお金がかかるんです」
(雪江)「こっちにはそんなお金とっても…」わかったよやるよ。
やりゃいいんだろ?
(真由子)「子どもの命を助けようとした冴子さんの勇気ある行動が報われるためにも1日も早い意識の回復を願わずにはいられません」
(矢崎)「さなえさん?連絡がないので心配してます」
(矢崎)「もう会ってくれなくてもいいです」
(矢崎)「ただ元気なら。
その事だけでも。
そそれじゃ」「2番目のメッセージです」
(沢田)「もしもし?あなたは電王堂の矢崎さんに対して詐欺行為を働きましたね」
(沢田)「その件で連絡をください」
(沢田)「でないと困った事になりますよ」
(真由子)心当たりね…。
いや…あの女君が病院で取材してる映像を見て急に表情が変わったんだよ。
何かあるはずなんだ。
(物音)あっ…。
ウフフ…。
あそういえば。
なんだ?あの被害者の女の子には8年前に家出したお姉さんがいるんだって。
え?うん…。
その事故が報道されてから何回かお金が送られてきたんだって。
あのお母さんその家出した娘さんが送ってきてくれたんじゃないかって思ってるみたい。
8年前に家出か…。
その娘さんの名前確か…「さなえ」とか言ってたかな。
「さなえ」?どうかした?
(携帯電話)はい。
(さなえ)「もしもし?私です」さなえさん?さなえさんですよね。
(さなえ)「連絡出来なくてごめんなさい」よかったー。
心配しましたよ。
なんかあったんですか?
(さなえ)「その事で一度お会いしたいんです」わかりました。
よしいいな。
行くぞ。
はい。
おい。
私両親の強い勧めである人と結婚する事になったの。
そんな…親の命令で結婚するなんて封建的だ。
断るべきだ。
その人私たちの一家にとって恩人なの。
断るわけにいかないの。
それにとてもいい人なの。
私を幸せにするって約束してくれたわ。
そうか…なら仕方ない。
君の幸せを祈るよ。
何やってんだバカ野郎。
痛…。
とまあこういうシナリオだ。
ああわかったよ。
ああ…来ましたよ。
頼んだぞさなえ。
あっさなえさん。
お久しぶりです。
よかった元気そうで。
ごめんなさい心配かけて。
訳を聞かせてくれるね?ええ。
実は…。
きっちり振られろよ…。
(2人)あれ?どこ行くんだありゃ。
シナリオと違う。
クソ…。
追うぞ!はい。
どういう事なんすか?とにかく追え!はい!はあ…クソ。
どうします?タクシーの無線番号だ。
タクシー会社に問い合わせれば行き先わかるだろ?あ…はい。
(矢崎)なんですか?ここは。
さなえさん?
(物音)
(沢田)ようこそ矢崎さん。
さなえさん?私は…。
さなえなんかじゃない。
さあパスワードを打ち込んでください。
断る。
彼女がどうしてこんな事をしたのか知りたいですか?
(沢田)この人にはね事故で意識不明の妹さんがいるんですよ。
妹さんを助けるためには高額な医療費が必要であなたから取ったお金はすべて妹さんに送っていたそうです。
(沢田)あなたはこの人が「困っている」と言えば幾らでもお金を出してきましたね。
いやすばらしい。
だったら今度こそ本当にこの人を助ける時ですよ。
ほらここにパスワードを打ち込んでいただければ私たちはこの人の妹さんの治療費全額用意します。
わかりました。
ちょっと待て。
なんだてめえら。
そんな事はどうだっていいんだよ。
矢崎。
(沢田)君たちはあとでゆっくり片付けてあげますから。
そこに立ってなさい。
さあ。
なんだよやっぱりこういう事か。
え?アケミ。
こんな事で金手に入れてそれ送ったからって妹が喜ぶと思ってんのか?金が必要なんだよ。
どんな金でも金さえあればあの子を助ける事が出来る。
(さなえ)金がなきゃ…金がなきゃあの子はこのまま死んでいくだけなんだよ。
他人のあんたなんかに…。
他人のあんたなんかに何がわかるんだよ!金が必要なんだよ。
金が必要なんだよ!わかるさ。
お前の言うとおりだ。
だがな…。
お前が今一番にすべき事は金を送り届ける事じゃねえ。
家族のそばに妹のそばにお前がいてやる事じゃねえのか?会いたくなんかない。
お前夕日見て涙流したそうだな。
ガキの頃の家族とのぬくもりを思い出したんじゃねえのか?それで涙出てきたんじゃねえのか?さなえ!ハハッ…下らねえ浪花節語ってんじゃねえよ。
さっさとやれよこの野郎。
(さなえ)やめて!
(沢田)いいからやれ。
先輩。
なら邪魔するぜ。
しょうがねえやつらだな…。
(沢田)片付けろ!先輩!
(沢田)それまでだ。
(沢田)おとなしくしてろ。
(沢田)そんな物騒なもん捨てろ。
(沢田)矢崎。
パスワードを打ち込め。
(沢田)こっち来い。
やれ。
(沢田)早くしろ。
(沢田)あ…。
(矢崎)今入力したのはファイルを消去するためのパスワードです。
(沢田)矢崎…。
俺たちの仕事はここまでだ。
あとはあんたらの問題だ。
行くぞ。
(さなえ)私を警察に突き出して。
一緒に妹さんに会いに行こう。
そうしよう。
さなえさん。
矢崎は会社を辞めた。
え?女のために一度はパスワードを打ち込もうと思ったそうだ。
だからもう会社にいる資格がないと。
クソまじめなあいつらしい。
男は外でライバルと戦っていると自分ではそう思ってる。
しかし実はそうではないのかもな。
ひょっとしたら仕事をしながら自分の下半身と戦っているのかもしれない。
女で身を滅ぼす優秀なやつを俺はたくさん見てきた。
なるほど。
外の敵には勝っても自分の中のもっと大きな敵には負けてしまう。
そういう事ですね。
「失恋の痛手も消え新しい恋が見付かるでしょう」新しい恋か…よかったじゃないですか。
うん…でもね私失恋すらしてないのよ?あなたと恋愛談義をするつもりありませんから。
あすいません。
あ…。
よかったらあげます。
「新しい鯉」なんちゃって。
あ只野さん。
あ…。
山吹さん。
なんですか?恋って…いいもんですね。
えっ?やだ…急に何言うんですか?『シングルベッド』
(保田)田島君。
マーケティングのデータメール送ったから。
(田島美加)はい。
(保田)誰にも見られなかったか?
(美加)うん。
(美加)ああ…。
(保田)会いたかった…。
課長これ以上はダメ。
いいじゃないか。
誰も来ないから…。
あっこんな事してたらいつかバレるかも…。
バレるもんか。
声は出すなよ。
(前川)どうして呼ばれたかわかってるね?い…いや私は…。
(吉田拓夫)保田田島の両名は社内でみだらな行為を行い社の風紀を著しく乱し社員規則にも違反している。
よって社の規定にのっとり処分を行う。
処分内容は追って通知する。
「バレない」って言ったじゃない。
どういう事よ?あ…あの…部長。
話は終わりだ。
処分を待つように。
(坂田)ももだけにピーチピチなんつって。
(ママ)坂田様。
はいお勘定は34万円になります。
これいつものように領収書お願いね。
あて名は電王堂。
(ママ)はい。
こんな事会社にバレたら大変よ。
大丈夫うまくやってるから。
広告代理店なんかさすんげえもうけてんだから。
こうやって社会に還元しなきゃ。
な?
(吉田)坂田社員は会社の交際費を自ら遊興費に流用していた。
(吉田)これは業務上横領に当たる。
被害総額は2000万以上に上ると思われる。
以上です。
すぐにこの金額を会社に返済した上で辞表を書いてくれ。
そんな…すぐに返済なんて…。
さもないと警察に告発する事になるよ。
あの…どうしてわかったんですか?話は終わりだ。
もういいよ。
(山吹一恵)只野さん。
切手何に使うんですか?
(只野仁)いえ…別に。
あーっ只野さん!会社の切手でプレゼントに応募する気ですか?
(佐川和男)只野。
お前仕事をサボるだけかと思ったら…横領までやったのか。
えっ横領って…たったの50円ですけど…。
いや50円だろうが立派な業務上横領だ。
でも会社の切手でプレゼント当たった事ない…。
だからいいって問題じゃないでしょう!
(井上さおり)っていうか前からやってたんですか?
(遠藤雅子)切手ぐらい自分で買えばいいじゃないですか。
(小島エリカ)何に応募したんですか?
(君島あや)「カップ麺1年分希望」?当たったらみんなで食べましょうね。
俺たちを業務上横領の共犯にする気か?
(電話)はい総務二課。
少々お待ちください。
只野さん。
人事部の会議室に来てほしいそうです。
人事部?
(上村真樹)横領がバレたのかもしれませんよ。
まさか…。
行ってきます。
(一恵)変な人…。
でもなぜか好き。
あの…。
どなた?総務二課の只野です。
あっ…別に僕は悪気があったわけではなくてですね…。
(吉田)あなた…備品の担当ですよね?蛍光灯切れてるから取り換えてもらえます?あはい。
(田辺恭子)会長いらっしゃる?
(坪内紀子)はいどうぞ。
(足立和美)あっそのジャケットお似合いです。
戦闘服ですか?私の着る服は全部戦闘服よ。
(ノック)失礼します。
ああ格好いい!電王堂初の女性人事局長。
まあ確かに素敵だけど私はあんな風にはなりたくないわ。
だって女の幸せは捨てたって感じじゃない?そういえばあの人が人事局長に就任してから不正で処分される社員がすごく増えてるそうですよ。
まあ…ますます男の人がビビッて近付かなくなりそう!お互いにクビ切られないように気を付けましょうね。
あなたと一緒にしないでちょうだい。
シッ!
(恭子)先週は横領5件社内の風紀ぶん乱を3件処分。
着々と成果が上がっています。
(黒川重蔵)処分したのを成果というのはどうかな?社内を浄化する事が成果でなくてなんですか?あまり厳しくしてもかえって社員のモチベーションが下がる。
「不正を見過ごせ」とおっしゃるんですか?いやそういうわけじゃないが…。
(ノック)失礼します。
おおシュレッダーが壊れた。
はい。
会長それ…。
(黒川)全然動かないんだ。
へえ…。
本当ですねえ。
後ろ暗いところのない社員ならいくら不正を厳しく取り締まっても恐れる必要はないはずです。
聞いてるんですか?会長。
しかし…どうやってこれだけの不正を発見出来たのかね?人事部の社員が地道な聞き取り調査などをした結果です。
そう…。
あっ直りました。
そんな仕事を正社員にやらせるのは人件費のムダです。
総務二課は廃止してはどうでしょう?えっ?リストラですか?不要なものは切る。
当然です。
会社の組織に関する意見は役員会の時に聞こう。
はい。
(ドアの開閉音)うえー…。
どう思う?ハハ…なんかすごいっすねありゃ。
ハア…。
でも不正を取り締まるってのは悪い事じゃないじゃないですか。
程度問題だ。
それより俺が気になるのはどうやってこの不正を見つけ出したかという事だ。
ま何かスパイ活動みたいな事でもしているんですかね?俺は秘密警察みたいのは嫌いだからな。
えっ?どうやってこの不正行為を見つけ出したか。
それを調べてくれ。
それが今回の特命だ。
いやでもそれはそれで秘密警察みたいなもんじゃないですか。
うん?いえ…。
どうも気になる。
これが大きなトラブルにつながっていくような…予感がしてな。
わかりました。
失礼します。
(田中)おおっ…。
あっすいません。
(田中)ご苦労さまです。
只野仁大手広告代理店の窓際係長
しかしそれは表の顔にすぎない
彼には会長直属の特命係長としてさまざまなトラブルを解決するというもう1つの顔があった
(あいみん)いかがですか?ご主人様。
んー…気持ちいい。
(メイド)おかえりなさいませご主人様。
(りりたん)おかえりなさいませご主人様。
(森脇幸一)はいただいまー。
ようどうだった?処分された社員何人か当たってみたんですが全然ダメですね。
警戒して何もしゃべろうとしません。
ああやっぱりな。
こっちもなんだよ。
やつらなんで不正がバレたのかわかっちゃいねえみてえだがなあ。
ていう事はこの子ですかね?保田課長と不倫をしていたOLの田島美加です。
会社を辞めてキャバクラで働いてるそうです。
キャバクラか…。
まったまには気分変えて行ってみっか。
はい!よし…。
じゃあねありがとね。
(あいみん・りりたん)行ってらっしゃいませご主人様。
(ホステス)はいどうぞ。
ハハハ俺やっぱこっちだなあ。
ねえねえねえちょっと肩もんで。
なんで?そう新人なの?ええ。
会社なんか辞めてやったの。
なんで?不倫してんのがバレたのよ。
課長のやつバレた途端私の事なんか放ったらかして自分の心配ばっかり。
あんなとこにいるよりここの方が楽しいし。
女の方はサバサバしたもんだなあ。
でなんで不倫がバレたの?わからない…。
社内にスパイしてるやつがいるとか…?課長と人が見てる前では話さないようにしてたんだけど。
連絡は全部メールだし。
メールねえ…。
しかしメールはパスワードがなければ見る事は出来ない。
パスワードを知ってるのは本人とシステム管理部だけだ。
人事部はパスワードを知らないんですね?そうだ。
それが俺の方針だからな。
その方針が守られてるかどうか確かめてみますか。
どうやって?作戦は考えてあります。
誰にメールしてるんですか?誰でもいいじゃないですか。
もしかして彼女ですか?えっ…?ん?
(紀子)只野?なんであいつから私にメールが来るのよ?何よ?へえ…。
1000万!?えっ?「どうすればいいんでしょうか?」「自殺でもするしかないのだろうかと思い悩む日々です」ああ…って私に相談されても。
(前川)どうして呼ばれたかわかってるね?いえ全然…。
(吉田)君会社のお金横領してるね?そんな事してませんよ。
とぼけてもムダだ。
正直に言わないと警察ざただよ。
えっ?そんな…。
どうしてわかったんですか?あっ…もしかして坪内さんに送ったメール?認めるんだね?横領した事を。
(笑い)笑ってる場合じゃないだろう!冗談ですよあんなの。
冗談?はい。
ちょっと坪内さんをからかっただけですよ。
嘘だと思うならいくらでも調べてください。
でさっきの質問ですけどどうしてその事をご存じなんですか?僕はただ坪内さんにメールを書いただけなのに。
うちの会社はパスワードがないと社員のメールは見られないはずですよね?システムを勝手に書き換えた?システム管理部のエンジニアにやらせました。
社内メールはパスワードなしにすべて人事部のパソコンにコピーされるようになっています。
そんな事許可した覚えないぞ。
許可が必要でしょうか?人事局長としての権限の範囲内だと考えました。
これで終わりにしろ。
いいな?
(恭子)会長のご命令でもそれは出来ません。
何?やめさせたいのでしたら私をクビにしてください。
でもそうなると初の女性役員として私を会社の広告塔にした事がふいになりますよ。
局長。
黒川会長のお話は…?「メールの閲覧をやめろ」と言われたわ。
やめますか?やるわ。
しかし…会長に背いてまで。
会社のためにやってる事よ。
最近会社の中を歩いていて白い目で見られているような気がしまして…。
会社から不正を一掃するのが私たちの仕事よ。
憎まれ役になる事を恐れててどうするの?今週の処分対象者のリスト見せて。
(前川)はい。
吉田君いるか?外出してるようですが。
どこ行ったんだ?なんだよあんたら…。
あいつ…俺殺す気か?やめろ!やめ…。
(新水真由子)ここは聞き出したいわね。
(女子社員)あっあの人よくテレビ出てるよね?
(女子社員)ジャパンテレビのほら…度忘れしちゃった…。
誰でしたっけ?はい?あの人。
よくテレビ出てるじゃないですか?知りません…。
(せきばらい)お待たせしました田辺です。
よろしくお願いします。
ジャパンテレビの…。
時間は15分しかありませんのでよろしく。
あっ…はい。
どうぞこちらです。
女性初の局長に選ばれたという事で意気込みの方はいかがでしょうか?女性初という事をニュースにしようとしてる時点であなたも女性差別に加担してるんじゃないでしょうか?あ…いいえそんな事は。
私も同じ働く女性としてその強さを身に着けたいと思っています。
それに世間の人はみんな応援してると思うんですけど。
足を引っ張ろうとしてる人もたくさんいます。
はあ…。
あなたのように女を売り物にしてる人はあまり強くなりすぎてもまずいんじゃないでしょうか?あ…アハハハ…アハ…。
あー無理して笑ってたら変な顔になっちゃったよもう。
あっ。
アハッ。
あらお久しぶり。
取材でお邪魔してたの。
そう…。
どうかしたの?ん?ううん。
フフッ…。
私の話聞いてくれる?えっ?
(佐川)会社の規則を守るのは当然だ。
だけど会社の言う事を聞くのがいい社員なら会社に不正を命じられてやるのがいい社員だっていうのか?談合なんて本人はやりたくもないのに上に言われてやってるかもしれませんよね。
うん…。
そうはなりたくないけどね。
でもやっちゃうんだろうなあ…。
(前川)熱かん1杯。
(店主)はいよ。
おお前川部長。
おお…佐川君か。
あっこの人はね俺の営業部時代の先輩だ。
あっ…。
ああ…君か。
今日はすまなかったね。
いえ…もういいんです。
アハハハ…聞きましたよ。
こいつに1000万の横領なんてそんな大それた事出来るやつじゃありません。
せいぜい50円?いやまずいですよ。
田辺局長なら50円でも処分しかねませんから。
(店主)はいお待ち。
(前川)ああ…。
チクッたりしないよ。
俺だって別にあんな仕事やりたくてやってるんじゃないんだ。
(佐川)女性の上司にあごで使われてしかもやってる事はみんなに嫌われるような仕事か。
つらいでしょうねえ…。
ハハハ…まあねえ。
部下の吉田がついに姿をくらましたよ。
えっ?吉田さんて…あの?
(前川)ああ…。
おおかた仕事に嫌気がさして逃げ出したんだろう。
若いうちはそれが出来るからいいですよ。
妻子や家のローン抱えちゃうと会社にしがみつくしかありませんもんね。
ハハハハ…まそういう事だねえ。
遅くなりました乾杯。
(前川)はい乾杯。
(真由子)横領?
(紀子)そう…。
ある人が私に相談してきたの。
「自殺まで考えてる」って。
はあ…もう私どうしていいか。
そんな事相談されてもねえ?
(紀子)そうよ!しかもあんなやつに。
えっ?どんな人なの?只野っていう総務二課のダメ社員。
えっ?あ…ふーん。
ああ…ねえ私どうしたらいいと思う?親身になって話してあげたら?「死ぬなんて考えず罪を償ってやり直せ」って。
うん…。
もしかしたら愛が生まれちゃうかもよ。
ヤダ!想像もしたくない。
愛が生まれるならあの人と…。
フラフラ歩くなよ。
あれっ?最近会わないから顔がぼやけちゃってる。
(笑い)
(男性)今日は付き合ってくれてうれしかったよ。
ごめんなさい。
どうして謝るの?実は好きな人に彼女がいるってわかったの。
それで私…。
他の男で忘れようとしたのか…。
それでもいい。
部屋取ってあるんだ。
行こう。
(男性)さあ。
只野さん…。
ごめんなさい!ああ!ダメです。
吉田のやつずっと留守電です。
無断欠勤だけじゃなく連絡も取れずか。
何かあったんじゃないですか?あっ局長。
あの…吉田と連絡が取れません。
困ったわね。
すぐに後任を選んで仕事進めて。
社員の心配はなしですか?
(恭子)仕事から逃げた人の心配なんかする必要ないわ。
なぜ逃げたか考えた事もないんですか?そんなに女に指図される事が気に入らないの?女かどうかじゃありません。
人間性の問題です。
(前川)おいっ。
仕事続けて。
にらまれたら大変だぞ。
行方不明?ええ。
その吉田という社員が社内メールを閲覧していた事と関係あるのか?まだわかりませんが…。
メールをチェックするうちに何か都合の悪いもんでも見ちゃったんじゃないですかねえ。
そう思う根拠でもあるのか?コピーされた社内メールは全部吉田のパソコンに保存されていました。
それが全部消去されてたそうです。
会長の勘が当たりましたね。
「何か大きなトラブルに発展するような気がする」っていう…。
一刻も早くその吉田という社員の所在をつかめ。
わかりました。
「レストランA」か…。
すげえ高級店だなこれ。
(店員)ええ。
電王堂の吉田様でしたらよくいらしてました。
そんなしょっちゅう?
(店員)女性と一緒に何度も。
どんな人ですか?「どんな」と言われましても…うーん…キレイな方でしたが…。
あっ多分同じ電王堂の人だと思います。
どうしてわかるんですか?
(店員)電王堂の封筒をお持ちでしたから。
電王堂の女子社員か…。
若いサラリーマンがそうしょっちゅう高級レストランに通えるわけはないわなあ…。
その金はどっから出てたのか…。
ああ…。
あと妙なのが会社で聞き込みした限りじゃ吉田が電王堂の女子社員と付き合ったって話は全然ないんですよ。
会社で秘密にしてたのか…。
でも普通美人の彼女がいたら人に自慢したりしますよねえ?
(アニータ)私が彼女だったら自慢する?するに決まってるでしょう!チリは美人が多いって有名ね。
ちなみに南米で美人が多い国はチリとコロンビアとコスタリカね。
頭文字取って…。
「3C」って呼ばれてるわ。
すげえ勉強になるなあ…ねえ?ああ…。
ハウス!吉田といた女何者なんだ…?ハア…こんなんわかんねえっつーの。
(野村俊夫)よっ!おいっ只野じゃねえか。
(久保順平)相変わらずかけうどんですか?貧しいですねえ。
俺たちを見ろほら。
(野村)俺なんかお前かき揚げにエビ天にコロッケだぞ。
さすが野村様。
僕なんかきつねにちくわが限界です。
ま頑張ってる方じゃないか?ありがとうございます。
あっ絵美さんですよアタックするチャンスじゃないですか。
(野村)彼女は無理なんだよ。
男がいんだよ。
(久保)そうなんですか?
(野村)この目で見たんだ。
しかもホテルで…。
(野村)いやもう我慢出来ないもうすごい事になってるよ。
本当に?もう痛いもん。
(ドアの閉まる音)どうかした?うー…また今度。
ちょっとここまで来て何よ?いやいや…無理無理。
彼女を抱いてるラッキーな男がいるかと思うとさ…もうどうでもよくなっちゃった。
わかるなあその気持ち。
そうでしょ?いやお前がわかるなよお前が。
そうですよ。
野村様の気持ちがわかるなんて100万年早いですよ。
200万年早いぞ300万年400万年。
その男は何者なんですかね?うん?顔は見てないんだよ。
ケッ。
彼女に「誰と付き合ってんの?」って聞いても教えてくんないしっていうかね相手にされてないんだよ俺。
大丈夫かな?俺がダメか…。
本当に彼女が吉田と付き合ってたんですかね?バカ野郎だからそれを確かめるんだよ。
いいかお前が彼女にからむ。
そこへ俺が助けに出てくからよ。
ああ…また僕が殴られ役ですか?で先輩はあの子と…。
(北島絵美)なんでしょうか?ちょっといいかしら。
あなた吉田と会ってたわね?知りません。
(恭子)私前にあなたが吉田と会社の近くで待ち合わせしてるの偶然見たの。
吉田が行方不明になった理由知ってるんじゃないの?私は何も知りません。
一体吉田と何があったの?秘密は守るわ。
人事局長としてじゃなく同じ女として…聞かせて。
ある日あの男が…。
(絵美)あなたとはお付き合いするつもりはありません。
(吉田)あなた沢田専務と不倫してますよね?どうしてそれを…?デートの約束のメールを見ましてね。
もう専務とはお別れしてます。
そんな事関係ない。
不倫していたという事実が問題なんだ。
もしこの事がみんなに知られたらあなた会社にいづらくなるし専務の評判も落ちるでしょうね。
私にどうしろって言うんですか?
(絵美)やめてください。
やめて…。
(絵美)私断れなかった。
それから何度もホテルに誘われて…。
皮肉なものねえ。
社内を浄化しようとしてた私の足元が一番腐ってたなんて。
(絵美)こんな事誰にも言えなくって…ずっとつらかった。
聞いてくれてありがとうございます。
そんな目に遭ったのは自業自得でしょう?そんなだから女は男になめられるのよ!甘えないで!怖っ…。
(真由子)あーんもっと甘えさせて!ふーん。
じゃあその吉田っていう社員は社内のメールを自由に見られる立場を利用して私利私欲に走ってたってわけね。
ああ…。
女だけじゃなくおそらく金も誰かから巻き上げてた。
そうじゃないと高級レストランにしょっちゅう通えるわけがない。
ねえその行方不明になったのはそのお金も関係あるの?多分なあ…。
うーんもう殺されちゃったかな?だから身元不明の死体が上がったとかそういう情報があったら教えてくれないか?わかった。
あっあなた坪内さんに「横領した」っていうメール出したでしょ?あっ!「冗談だ」って言うの忘れてたなあ。
早く言ってあげないと悩んでたわよもう。
うっ…おおうっ。
(真由子)身元不明の死体ねえ…。
(瀬尾広子)どうして身元不明の死体なんて調べてるんですか?なんでもいいでしょーっだ。
死体より生きてる男の方がいいでしょう?フッ…当たり前よ!そういえばこの人身元不明だったな。
しかも生きてるんだ…。
えっ?ちょっとちょっと見して。
あっこれ…。
あっ坪内さん…。
あの…。
あ…アハハハ…。
実はこの間のメールの件なんですけど…。
ああ…あっあっそれ?それ?あっ…ああうんうん…。
あのね私も考えたんだけど…。
いや…あの…。
いろいろと…事情あったと思うんだけどやっぱり会社のお金に手を付けるのはよくない事だと思うの。
(携帯電話)でねどうしたもんかな…って私なりに本当に本当にすごく考えたんだけど。
いいよーく聞いておくのよ…。
もしもし。
気になるニュースがあったの。
北島海岸で意識不明の男の人が打ち上げられてるのが発見されたんだって。
(真由子)「病院に収容されたんだけど…」本人の意識が戻らないからまだ身元はわからないみたい。
病院どこだ?わかった。
だからね。
死ぬ事なんか考えないでやっぱり罪を償った方がいいと思うの。
あっなんなら私が上司の人に話してあげるから…。
あれっ?吉田…。
どなたですか?身元不明ノ人ガ見ツカタト聞イテモシカシテ私ノ失踪シタ弟カト思テ見ニキタヨ。
えっ?ケド違タネ…。
コノ人ハ助カル?命には別条ないようです。
(看護師)でもいつ意識が戻るかは…。
(メールの着信音)ん?何これ。
(一恵)「ご心配をおかけしていますが…」どういう事?
(さおり)えっ?それ私にも来てる。
(真樹)私も。
(佐川)あっ僕にも。
同じ文章…。
やってるな?ええ。
会社中にメール出しまくってます。
うまくいきますかねえ?犯人がこのメールを見れば必ず何かリアクションしてくるはずだ。
只野。
変なメールがみんなに来てるんだ。
ええ?ハハ…ただのいたずらですよ。
只野さんのとこにも来てますか?いえ来てません。
いたずらメールにも避けられてるんだお前は…。
そういえばもう長い事メールっていうものを受け取っていない気がします。
あれ?只野さん彼女とメールのやり取りしてるんじゃないんですか?彼女?いませんよそんなの。
もう…こないだ「いる」って!そんな事言ってません。
ややこしい事しないでください!のわっ!
(衝突音)来た来た。
田中って…。
あいつか…。
よしっおびき出してやれ。
吉田さんよ。
生きてたとは運のいいやつだ。
(男性)まそれも今日までの話だけどな。
ハア…。
誰だ?こっちが聞きてえんだよバカ野郎。
誰に頼まれた?おいやれっ!寒そうだなあ。
寒いと思うよ落ちたら。
いや寒いよ。
どうする?やれおめえが!えっ俺?えっ…。
来い…。
ウオーッ!やめろ…。
さあてお前も落ちるか?やめろ!じゃあ言え。
誰に頼まれた?
(恭子)妙なメールあなたたちにも来た?ええ…。
私にも来ました。
やはり吉田でしょうか?あの人が告発しようとしてる相手って誰の事かしらね?さあ…。
見当もつきません。
お先に失礼するわ。
お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
さて俺も帰るか。
田中君はまだ仕事をするのか?ええもう少し。
誰だ?吉田の代理人ってとこかな。
えっ?あんたどうして「吉田を殺せ」って依頼したんだ?なんの事だ?あんたが依頼したヤクザが全部吐いたんだよ。
それにあんただったら田中のメールアドレスを使って返事書く事も可能だわな。
吉田は今意識不明だがいずれ回復するだろう。
そしたら警察が全部聞き出してくれるさ。
「ナイフで刺されて海に落ちた」って言うんでてっきり死んだものだと思ってたんだが…。
どうして「吉田を殺せ」と依頼した?あいつが悪いんだ。
何?田辺局長が…メールのチェックを始める以前…俺は…関連業者からわいろを受け取ってたんだ。
業者とのやり取りはみんなメールでやってた。
ほう…。
メールのチェックが始まって慌てたろうなあ。
てめえの悪事がバレたらどうしようって。
ああ?自分のパソコンに残ってたメールは処分したんで安心してたんだが業者が不用意に送ってきたメールを吉田に見られたんだ…。
ダーッ!部長…いけませんねえ。
(前川)頼む。
見逃してくれ。
もちろんです。
ただしタダってわけにはいきませんよ。
幾ら欲しい?500万。
仕方なく金は払った。
しかしあいつ…味をしめてまた金を要求してきたんだ。
(恭子)それで殺すしかなかったってわけ。
たまには忘れ物もいいものね。
戻ってきたおかげで珍しい話を聞けたわ。
うるさい!女にあごでこき使われる男の気持ちがわかるか?裏で金もうけでもしなきゃやってられなかったんだよ。
あなたの処分は明日発表するわ。
まあその前に警察に行く事になるでしょうけどね。
(恭子)うっ…。
(恭子)う…うう…。
ありがとうございました。
いやあ…。
警察に通報お願い出来るかな?あなたは誰?ちょっと待って!田辺はメールのチェックをやめると約束をしてくれた。
あの人も少しは変わりますかね?彼女は正しい事をすれば男たちもついてくると信じていた。
でもそうじゃない。
男は女に指図をされると無条件で腹が立つ。
だから男の上に立つ女性社員はそれがわかった上で仕事をしないとうまくいかない。
これは本能的なもんだから…。
そんな中で女性として生きるためには見えない鎧を身に着けるしかなかったんですかねえ?そうだな…。
誰かが脱がしてやればいいんだが。
フン!フン!フン!フン…!
(あえぎ声)フン!フン!フン!フン…!空飛んでるみたい…。
(一恵)あっなんかご用ですか?
(紀子)あ…只野さんいる?さあ?知りませんあんな人。
もしかしてあの人も只野さんの事…。
まさか自殺してるんじゃ?フン!フン!あっ。
そうだいっけねえ忘れてた。
まだよ。
うん?きて…。
えっ?フン!えっ?『シングルベッド』2016/01/23(土) 01:27〜03:15
ABCテレビ1
特命係長・只野仁[再][字]
只野仁。大手広告代理店の窓際係長。しかしそれは表の顔に過ぎない。彼には、会長直属の特命係長として様々なトラブルを解決するという、もうひとつの顔があった。
詳細情報
◇番組内容1
電王堂社員の矢崎(つぶやきシロー)が多額の借金を重ねてまでも貢いでいる女・さなえ(長澤つぐみ)の正体を暴こうと、只野(高橋克典)と森脇(永井大)が特命を受け動く
◇出演者1
高橋克典 櫻井淳子 永井大 蛯原友里 田山涼成 近江谷太朗 斉藤優(パラシュート部隊) 三浦理恵子 梅宮辰夫
[ゲスト]つぶやきシロー 四方堂亘
◇番組内容2
人事局長に田辺(田中美奈子)が就任して以来、社内での不正行為が次々と見つかり多くの社員が処分されていた。田辺の情報源を調べるべく特命を受け只野(高橋克典)が動く
◇出演者2
高橋克典 櫻井淳子 永井大 蛯原友里 田山涼成 近江谷太朗 斉藤優(パラシュート部隊) 三浦理恵子 梅宮辰夫
[ゲスト]田中美奈子 河西健司 島津健太郎 菊池均也 西野翔ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
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