JR西「小浜-京都」推す 北陸新幹線
JR西日本は26日、北陸新幹線の敦賀以西ルートを検討する与党委員会が実施した意見聴取で、滋賀県や関西広域連合などが求めていた米原ルートについて「乗り入れは技術的に難しい」と否定的な見方を示した。
JR西は福井県・小浜から京都駅を経由し新大阪駅に結ぶルートが望ましいとの見解を示し、内部で検討している「小浜―京都」のほか、京都府が近く委員会に提案する小浜から舞鶴を経由し京都駅につなぐ案に絞り込まれる見通しが強まった。
ルートをめぐっては、小浜から京都駅を経由せず大阪につなぐ「小浜ルート」や琵琶湖の西側を通る「湖西ルート」も浮上していたが、沿線自治体から要望がなく、選定される可能性はほぼなくなった。
JR西の真鍋精志社長は委員会で「米原駅では過密ダイヤの東海道新幹線への乗り入れが難しく、システムも違う」と課題を指摘し、乗り換えを必要としないルートを要望。東海道新幹線を運行するJR東海も同様の見解を示した。
その上で、真鍋社長は整備計画に位置づけられた小浜市付近を通過することを基本とし、集客力が高い京都駅を経て新大阪駅につなぐ別路線が望ましいとした。小浜から京都駅間の経路は「地元自治体の要望があれば、費用対効果や時間効果も踏まえて比較してほしい」と述べた。
一部委員が提案する関西空港への延伸についても「実現するなら歓迎したい」と前向きな姿勢を示した。
委員会は今後、京都府や京都市、関経連なども意見聴取する。ただ、沿線府県を代表する国会議員の議論はこれからで、5月末までの絞り込みでは流動的になる可能性もある。
【 2016年01月26日 22時10分 】