韓国の債務不履行(デフォルト)リスクを示す数値が今年に入って急騰している。世界的な市場不安の震源地である中国よりも高い上昇率を記録しており、投資家が韓国経済のリスクを意識している様子がうかがえる。中国に加え、通貨安、原油安の「3大危機」に襲われている状況だ。
国債の債務不履行に備える保険の一種である金融商品「クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)」は、一般に数値が高いほど「破綻確率」も上昇する。
韓国国債のCDSは今年に入って一時74bp(ベーシスポイント)まで急騰した。昨年末の時点から約35%上昇している。中国の人民元切り下げをきっかけに景気減速が加速した昨年10月以来の水準だ。
韓国をめぐっては、米大手格付け会社のムーディーズが昨年、韓国国債の格付けを、従来の「Aa3」から同国として過去最高水準となる「Aa2」に引き上げたが、実際の投資家の見方とは必ずしも一致していないようだ。
中国のCDS値も今年に入って一時133bpをつけたが、年初来の上昇率は約23%と、韓国の方が上回る。ちなみに日本国債のCDSの上昇率は最高でも9%程度。北朝鮮の核実験という「地政学リスク」も警戒された。
先週末時点では欧州中央銀行(ECB)や日銀の追加金融緩和期待を受けて世界株安が収まったことで、CDSの値もいったんは落ち着いた。ただ、先行きは引き続き予断を許さない。朝鮮日報は、「中国(China)」「通貨(Currency)」「原油(Crude oil)」の「3Cリスク」で世界経済に暗雲が立ちこめている−と報じたが、これらはすべて韓国経済を直撃している悪材料だ。