(富貴子)あら。
美輪ちゃん。
(美輪子)昨日はどうして来なかったのよ?
(富貴子)どうだったの?無事終わったの?初七日。
(美輪子)お葬式とは違って簡単だもの。
お住職がお経を上げに来て後は出前の幕の内をお客さまたちに出してそれでおしまいだから。
(富貴子)でも会社の方々もみえてたんでしょ?
(美輪子)それにニコタマのママも来てたわ。
お母さんが気が付いて一度は玄関から追い返そうとしたんだけどお経が始まったらいつの間にか座ってたの。
ずうずうしい。
(富貴子)綱輝さんは?
(美輪子)来てたわ。
すぐに帰っちゃったけど。
お姉ちゃまにも来てほしかったのに。
(富貴子)二度と敷居をまたぐなってパパに言われてたのよ。
亡くなったからって何事もなかったふりして出掛けるわけにはいかないし。
(美輪子)お母さんだって会いたがってるのよ。
私じゃ頼りにならないからこういうときにお姉ちゃまにそばにいてもらいたいんだわ。
四十九日が過ぎたらね。
四十九日には魂が極楽に行くっていうからその後でなら。
そんな古くさいこと言ってないで早く九品仏の家に帰ってくればいいの。
ネイルサロンは元通りローズカフェでやりましょうよ。
こんなみみっちいところはさっさと引き払って広々としたカフェに戻るのよ。
あちらの方がお客さまだってどんなに気分がいいか知れないわ。
お母さんは大丈夫?がっくり気落ちしてない?やつれた顔してるわ。
お葬式の後預金が凍結されちゃってお金が引き出せなくなって大騒ぎだったの。
まあ。
本気で心配してるの?だったら早くうちへ帰ってきてよ。
ねえお願い。
ぼたん。
お姉ちゃま。
(萌子)えっ?あんたが社長?あんたが?
(眞澄)他にしかたがないのよ。
(萌子)だって何も分からないのに社長になんかなってどうするのよ?
(眞澄)借金の額がものすごくて誰も怖がって会社を引き継いでくれる人がいないの。
(萌子)じゃああんたが借金を背負い込むってこと?
(眞澄)相続人は私だから債務整理のためだけの社長なのよ。
この家もローズガーデンも担保に入ってるんですって。
(萌子)そう。
担保に。
じゃあ私たちここに住めなくなるの?
(眞澄)この家の住宅ローンはパパの生命保険で帳消しになるんですって。
(萌子)ということはあんたがローンを支払わなくても済むってこと?ええ。
(萌子)それはよかったじゃないの。
でもローズガーデンの方は競売にかけることになるだろうって。
競売に?きっと銀行が処分することになるわ。
やめてよ。
どうしてそんなことが?だってお母さんに何ができるのよ?銀行の言うとおりにするしかないのよ。
冗談じゃないわよ。
うちのローズガーデンが。
薔薇園が。
そうよね。
小日向家から薔薇園がなくなっちゃおしまいだわ。
嫌。
嫌。
嫌!お母さん。
私は薔薇園の申し子だっていわれてたのよ。
薔薇の妖精として看板娘として育ってきたのよ。
ローズガーデンを売りに出すってことは私を売り飛ばすってことじゃない。
そんなこと言わないでよ。
美輪子。
ひどい。
ひどい。
やっぱり崑一さんには死んでもらいたくなかったわね。
多少浮気したって生きててもらった方がよかったわね。
パパが亡くなったっていうことはこういうことなのよ。
美輪子。
これが現実なのよ。
でもどうしてこの家が残ってローズガーデンがなくなっちゃうの?私たちにとっちゃローズガーデンの方が大事じゃない?こんな家私別に未練なんかないわ。
でもローズガーデンは担保になってるのよ。
お母さん。
競売にするんならこの家を売りなさいよ。
そうしてよ!
(杉彦)悲しいの?悲しいの?大丈夫よ。
杉ちゃん。
(峰靖)富貴子。
心配なら行ってあげた方がいいよ。
ええ。
でも。
(峰靖)うちは構わないからあちらのお母さんに顔を見せてあげなさい。
(伊佐子)いいじゃないの。
この子が行きたくないんなら。
(伊佐子)葬式も初七日の法要も欠席したんだからいまさらのこのこ顔出したってさ。
実の娘なんだからこういうときは少しでも力になってあげたらいい。
でもあんたのお母さんも運が悪いね。
四十半ばで後家じゃあね。
死んだ人を悪くは言いたくないけどさあの主人も金持ちぶって人を見下すようなことばっかり言ってさ。
女とホテルでナニしてる最中に死ぬなんて本人はそのまま極楽死でいいだろうけど罰が当たったんじゃないの?
(峰靖)よしなさいよ。
死んだらみんな仏さんになるんだから。
(伊佐子)まあこれ以上悪口は言いたくないけど。
言ってるお前は。
(伊佐子)ああ。
くわばらくわばらだ。
(峰靖)でも大家の大黒柱だから残された家族は大変だよな。
色々とめんどくさい後始末が。
美輪ちゃんから聞いたけど莫大な借金があったんだって。
(峰靖)えっ!?借金が?そうか。
景気よくやってたみたいだったけどな。
やっぱり…。
私なんか何にもしてあげられない。
何の力にもなってあげられない。
(アルバート)いかがですか?次はこれを。
(アルバート)バランスのよい素晴らしいワインね。
アルバートったら日本語もしゃべれるんじゃないの。
(アルバート)少しね。
勉強したからね。
偉いわ。
お姉さんはどうしたの?またケンカ?あのう。
ファイティング?必ず来てくれって言っといたのに。
へそ曲がりなのよ。
いかがですか?こちらは100%テンプラニーリョ。
長期たる熟成によるしっかりとした骨格のボディです。
(女性)うん。
スパイスも効いてるわ。
でしょう?
(大隈)小日向にあんな娘がいたとはな。
(世奈子)どう?悪くないでしょ?
(大隈)まぶしいのう。
若くて。
(世奈子)まだ女子大生よ。
(大隈)学生か。
(世奈子)1年もすれば卒業するわ。
(世奈子)美輪子さん。
ちょっと来てくれない?何でしょうか?
(世奈子)紹介したい方がいるのよ。
別にいいです。
(世奈子)そう言わないでいらっしゃい。
パパともじっこんにしてた方よ。
パパと?
(世奈子)そう。
とても頼りがいのある方。
(世奈子)小日向家の令嬢美輪子さんですの。
(大隈)ほう。
(世奈子)こちらは金融業をなさってる大隈社長よ。
小日向家のことをとっても心配してくださってるの。
はあ。
どうも。
小日向社長には生前何かとお世話になってね。
すみません。
私仕事中ですので失礼します。
(世奈子)あのとおりまだ世慣れしてないんですけど。
ええのかいな?あんなおぼこ娘を。
(世奈子)ところがああ見えても大胆なことを平気でするんですから。
案外なんですよ。
そっか。
どうしたの?美輪子さん。
嫌な感じ。
やっと来てくれた。
ぼたん。
お姉ちゃま。
美輪ちゃん。
ごめんね。
富貴子。
待ってたのよ。
お母さん。
遅くなってごめんなさい。
このたびはホントにご愁傷さまでした。
お悔やみ申し上げます。
いいのよ。
そんなことは。
本当によく来てくれたわ。
いつ来てくれるんだろうって待ち焦がれてたのよ。
美輪子からローズガーデンの話は聞いてる?ええ。
お母さん。
本当なの?ええ。
もうどうにもならないのよ。
嫌だ。
銀行との話し合いはどうなったの?ローズガーデンの代わりにこの家を売るって話は。
ところがこの家屋敷を売ったってとても借金の埋め合わせはできないっていうのよ。
駄目なの?とにかく私たちにはこれからの収入の道がないの。
そのことを第一に考えた方がいいって銀行に言われたわ。
でも少しくらいは預金あるんでしょ?預金は全部差し押さえられてるの。
じゃあどうなっちゃうのよ?私たち飢え死にしちゃうの?このままだとそうなりかねないから銀行の人は薔薇園は薔薇園で始末してあの広大な敷地だから借金の穴埋めをしても余剰金が出るはずだからそのお金で今までどおり暮らした方がいいって。
そうなの?お姉ちゃま。
どうしましょう?ローズガーデンがなくなってしまっちゃ私生きていけないわ。
こんなこと聞いていいかしら?お母さん。
パパには幾ら借金があったの?それがね…。
・
(チャイム)あら。
誰かしら?美輪子。
出て。
8億円よ。
8億円!?でもこの家の値打ちだってそれくらいは?ところが競売にかければ安く見積もられ家屋はタダ同然だし土地代もたたかれるっていうの。
じゃあどうしてもローズガーデンを手放すしかないってこと?美輪子がね薔薇園を売りに出すなんて私を売り飛ばすようなものだって言うけど…。
本当にそのとおりだわ。
ニコタマのママよ。
えっ!?お母さん。
会いたくないでしょ?帰ってもらう?
(世奈子)まあまあ。
この家はいつ来ても立派でどっしりして。
(世奈子)ねえ?いい家でしょ?社長の好みでしょ?
(大隈)そやな。
(世奈子)うん。
こちらがリビングでこっちがダイニングになってるんですよ。
(大隈)ほう。
(世奈子)社長。
こっちへどうぞ。
ちょっと何なんですか?あなたたちいきなり。
あら。
紹介が遅れてごめんなさいね。
こちら大隈春馬さん。
大富豪でいらっしゃるのよ。
この家を買ってもいいっておっしゃってるからお連れしたの。
あっ…。
そうなんですか?
(世奈子)あなたたちにとっちゃ救いの神じゃない?地獄に仏様よ。
ぼけっとしてないでご挨拶なさいよ。
ああ。
それはどうも。
小日向でございます。
よろしくお願いします。
いやいやいや。
どうも。
こちらのママさんとは以前から存じ上げておりましてな。
小日向社長とも生前親しゅうにしていただきまして。
そうなんですか。
(大隈)ほう。
こんなに美しいお嬢さま方がおいでやとはちっとも知りませんだった。
(世奈子)その話は後にしましょう。
(大隈)あっそう?
(世奈子)はい。
眞澄さん。
ぼんやりしてないで家の中を案内してさしあげてよ。
あっ。
はい。
ではどうぞこちらへ。
(大隈)ああ。
はい。
こちらです。
何なのあれ?ホントに買うつもりなのかしら?あいつママがローズカフェにも連れてきてたわ。
嫌なじじい!この家でたった一つの和室なんですけれど。
(大隈)凝った造りやなぁ。
(大隈)床柱はエンジュの木。
障子は秋田杉か。
はあ。
築20年にしちゃびくともしてないわ。
社長。
これで8億で購入できればお買い物ですよ。
そやな。
うん。
1年前にこの家を購入したときも8億でしたので同じお値段で買っていただければ…。
(世奈子)あなたが余計なこと言わなくていいの。
8億以下じゃ売らないって社長も承知なんだから。
そう。
それならば…。
よし!決めた。
8億で購入しようじゃないか。
うわ。
さすが社長。
太っ腹でいらっしゃる。
本当ですか?ありがとうございます。
おかげさまで助かりましたわ。
美輪子。
これでローズガーデンを売らずに済むのよ。
本当?本当に?あなたたちも大隈社長にお礼を言いなさい。
ありがとうございます。
どうも。
どうぞ。
お紅茶冷めないうちに。
(大隈)ああ。
(世奈子)ところでね購入に関しては一つだけ条件があるのよ。
条件?何でしょう?社長はこう見えて独身でいらっしゃるの。
離婚経験はおありのようだけど。
別れた妻は外国人で今はシンガポールにいてます。
社長はね美輪ちゃんに一目ぼれなさったのよ。
ぜひ結婚してこの家に一緒に暮らしてほしいとそうおっしゃってるの。
えっ!?
(落ちる音)キャッ!?キャッ!?キャッ!?大丈夫?もともと社長はあちこちに不動産をお持ちで何も今すぐにこの家を買う必要に駆られてるわけじゃないの。
でも小日向家の窮状を見るに見かねて購入に踏み切ってもいい。
ついては小日向家のお嬢さんをもらい受けたいとそうおっしゃってるのよ。
でもそれは…。
駄目なら駄目で一向に構わないのよ。
その代わりあなたたちは銀行の言うとおりにローズガーデンの方を処分するしかないわね。
そうでしょ?そんなこと。
そんなことまであなたに…。
(世奈子)私はね死ぬ前に崑一から眞澄を離縁して籍を戻すって言われてたのよ。
だからこの家のこともちゃんと調べてあるの。
体裁ぶったって飢え死にするかしないかの瀬戸際じゃないの。
こんないい条件ありゃしないわよ。
めかけや二号って話じゃあるまいし。
この家を買っていただいた上に大富豪の正妻にしていただけるっていう玉のこしのお話なんだから。
これほどいい縁談はないじゃないの。
わしもな相当無茶な話やとは分かってますねん。
そやけどわしが死んだら財産は親戚のやつらの手に渡ってしまう。
それやったら若い人と結婚して愛し合うて財産を譲りたい。
そう思てますねん。
(世奈子)どうなのよ?美輪ちゃん。
大隈さんもこうおっしゃってるんだからよく考えた方がいいわよ。
結婚するか?ローズガーデンを売り飛ばすか?二つに一つしかないんだから。
うん?人をバカにしないでください!これじゃまるで人身売買じゃないの。
ひどいわ。
あんまりだわ。
美輪ちゃん!いくらお金があるからって何でも思いどおりになると思ったら大間違いです。
人の弱みに付け込むのもいいかげんにしてください。
(世奈子)偉そうに。
(大隈)あのお嬢さんは?姉ですよ。
父親違いだけど。
なるほど。
奥さん。
なかなかの美人やな。
お助けください。
何とかお力を。
美輪ちゃん!ちょっとやめなさい!やめてよ!やめて!やめてって!大丈夫よ。
美輪ちゃん。
大丈夫よ。
でもこのままだとローズガーデンが。
嫌だ。
死んだ方がまし!そうね。
あの薔薇園は美輪ちゃんの魂。
命そのものですものね。
お姉ちゃまが?ええ。
何とかするわ。
何とかって?大丈夫よ。
心配しなくたって。
じゃあ…。
じゃあ…。
私たちはただの姉妹じゃないわ。
世に選ばれてある牡丹と薔薇の姉妹よ。
これくらいの苦難に立ち向かえないでどうするっていうの?お姉ちゃま。
美輪子。
2016/01/22(金) 13:25〜13:55
関西テレビ1
新・牡丹と薔薇 #36[字][デ]【姉妹狙う!?謎の大富豪】
我慢の限界に達した富貴子(黛英里佳)は、美輪子(逢沢りな)をある場所へ連れ出す。美輪子にとっては忌まわしい思い出しかない場所。ついに美輪子に衝撃の事実を告げる!
詳細情報
番組内容
世奈子(田中美奈子)と男女の仲に戻った崑一(岡田浩暉)が、情事の最中に亡くなり、誰もが衝撃を受ける。眞澄(伊藤かずえ)は、やつれるほどに泣き疲れ、富貴子(黛英里佳)は美輪子(逢沢りな)から助けて欲しいと懇願される。しかし、崑一から絶縁された以上、でしゃばるわけにもいかず、事態を見守るしかなかった。
やがて、崑一にばく大な借金が残っていることが判明する。
番組内容2
眞澄や美輪子がどう頑張っても返済できる額ではなかった。このままではローズガーデンを売却するしかない。自分がローズガーデンの申し子だと思っている美輪子は悲壮な思いを抱き、話を聞いた富貴子も何とか母や妹を励ましたいと思うのだが…。
そんな中、世奈子が金融会社を経営する、大隈(大和田伸也)を富貴子たちに紹介してくる。60代だというのに、どこかギラつく大隈に、富貴子も美輪子も嫌悪感を抱くのだった。
出演者
吉田富貴子:黛英里佳
小日向美輪子:逢沢りな
牧原世奈子:田中美奈子
小日向崑一:岡田浩暉
浅黄萌子:山口いづみ
瀬尾綱輝:片岡信和
・
大隈春馬:大和田伸也
小日向眞澄:伊藤かずえ ほか
スタッフ
【企画】
横田誠(東海テレビ)
【原作・脚本】
中島丈博
【演出】
西本淳一
【音楽】
中川幸太郎
【主題歌】
サラ・オレイン「涙のアリア」(ユニバーサルミュージック)
【プロデュース】
西本淳一(東海テレビ)
大久保直実(ビデオフォーカス)
坪ノ内俊也(ビデオフォーカス)
【制作著作】
ビデオフォーカス
【制作】
東海テレビ
ご案内
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【公式サイトURL】
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【公式ツイッター】
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ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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