<木曜劇場>ナオミとカナコ #02【いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那……】 2016.01.21


(加奈子)これからも私たちは親友だよね?
(直美)そして共犯者。
(直美)加奈子。
嘘ついた。
こんないいマンション住んでエリート銀行マンの旦那がいて。
しかもあんなに優しくて。
どこが普通よ?
(陽子)小田さんって葵百貨店の外商部で働いてらっしゃるんでしょ?ホントはやりたくもない仕事で毎日頭下げて振り回されてるのが現実。
夢をかなえた加奈子がうらやましくて。
(加奈子)夢なんかかなってないよ。
加奈子。
ちょっとそれどうしたの?そのケガ達郎さんに?すぐ別れなきゃ駄目。
女を殴る男と暮らして幸せになれるわけがない。
結婚してない直美に何が分かるの?分かるんだよ。
女に暴力振るう男のこと。
私の父親DVの人だったんだよね。
私が子供のころからよく母を殴ってた。
解決するには加奈子が断ち切るしかない。
ホントに大丈夫だから。
あの男の人って?
(朱美)うちで働いている林さん。
病気のお母さんがいて手術受けさせるために日本に来たとのことですね。
(達郎)俺の子供欲しくないの?実は今大学時代からの親友が旦那さんから暴力を受けていて。
(朱美)殺しなさい。
自分の人生守るための嘘や策略全て正当防衛。
また殴られたんだね?今すぐ病院行って診断書もらって警察行って。
できるならとっくにやってる。
ほっといて。
もう私に関わらないで。
私が加奈子を守る。
加奈子が今望むことは何?苦いの水が。
おいしい水が飲めたらそれでいい。
いっそ2人で殺そうか?あんたの旦那。
(目覚まし時計の音)おはよう。
何であんなこと言ったんだろう?《いっそ2人で殺そうか?あんたの旦那》《何言ってるの?》《それしか方法ないから》《そんな…。
そんなことしたら警察に》《もし…》《もし捕まらない方法があるとしたら?》・
(ドアの開く音)
(達郎)おはよう。
おはよう。
(達郎)加奈子さあ。
うん?何?
(達郎)ここ。
うん?
(達郎)今度一緒に行ってみよう。
そこの医者。
評判がよくて結構な確率でうまくいくらしい。
(達郎)いただきます。
あのう。
でも…。
(達郎)最初は男の子と女の子どっちがいいかなぁ?スーツ用意してくるね。
(達郎)うん。

(手塚)おはようございます。
お世話になっております。
ああ。
はい。
もしもし。
(達郎)お世話になってます。
ことぶき銀行の服部です。
(達郎)昨日お話しした外商のお客さまを紹介していただく件ですが詳しい投資プランの資料をまとめましたのでお送りいたします。
ありがとうございます。
私もお引き合わせしたいお客さまがいらっしゃいますので検討させていただきます。
(達郎)小田さん。
ぜひまたうちに遊びにいらしてくださいね。
加奈子も喜びますから。
ええ。
ぜひ。
ではまた。

(浅井)小田君。
ちょっと。
はい。
(浅井)ああ。
内藤君が担当してる顧客を一人君が引き継いでくれ。
えっ?
(内藤)代々木にお住まいの斎藤順子さま。
76歳でご主人は医師会の元理事で…。
ちょっと待ってください。
この時期に新しいお客さまを持つということは人事異動は完全にないということでしょうか?葵美術館への異動の件…。
(浅井)まだそんなこと言ってんのか?
(浅井)やりたいことをやるだけが仕事じゃないよ。
自分の希望を口にするならいっぱしの外商員になってからだ。
(手塚)部長。
(浅井)はい。
(手塚)あのう。
そろそろ会議の時間なんでお願いします。
(浅井)はい。
(内藤)斎藤さまには伝えてあるからご挨拶に伺っておいて。
部長。
お待ちください。
部長。
部長。
(チャイム)
(順子)は…はい。
葵百貨店外商小田でございます。
このたび内藤から担当を引き継ぎまして…。
(順子)ちょうどいい…。
いいところへ来てくだすったわ。
(順子)主人が…。
主人が…。
(順子)主人を早く捜してちょうだい。
奥さま。
落ち着いてください。
ご主人はいつから?
(順子)昨日から帰ってこないの。
(順子)どこかで事故に遭ったのかもしれない。
お願い。
警察で聞いてきて。
(署員)該当する年齢の男性が事故に遭った報告はないそうだよ。
それじゃ捜してください。
(署員)捜すっていってもね。
ただいなくなったっていうだけじゃ警察は動けないよ。
えっ…。
(署員)行方不明者は年間8万人以上。
物理的に不可能なんですよ。
そんな…。
(署員)はっきりとした事件性でもあれば別だけどね。
事件性?
(署員)例えば死体が見つかるとか。
死体って…。
警察は死体が見つからないと人一人いなくなっても捜索もしてくれないんですか?
(署員)本人の意思で家出ってことも多いですから。
そこはご理解を。
あっ…。

(翔太)パパ。
ママ。
早く早く!
(真也・恵美)やる?やるか?よし。
1・2の3。
(真也)おっ?どうだ。
どうだ?すごい飛んだだろ?
(翔太)もう1回。
もう1回。
(真也・恵美)もう1回?よし。
現時点で事件や事故に巻き込まれた可能性はないそうです。
きっとご主人から連絡が…。
(順子)あら。
いけない。
私小田さんにお茶も出してなかったわ。
いえ。
結構です。
座ってらして。
あっ…。
でも。
ごめんなさいね。
せっかく来ていただいたのに。
いえ。
これすてきなカップでしょう?ロイヤルドルトンの品物ですね。
さすがは外商さん。
若いのによくご存じで。
これは頂き物なんだけどロイヤルドルトンは葵さんで揃えてるのよ。
いつもありがとうございます。
今日は何を持ってきてくれたのかしら?あっ。
備前焼の陶器をお持ちしました。
でもまたあらためてお伺いした方が…。
何言ってるのよ。
あっ。
ここじゃ狭いわよね?あっちのテーブルで見せてくださる?はい。
(順子)わあ。
どれもすてきねぇ。
あなた。
2つ3つ選んでよ。
あっ。
それでしたらこちらの有田焼の小鉢とあちらの桜家文の盛り皿はいかがでしょうか?じゃあそれを頂くわ。
ありがとうございます。
あら。
どうしましょう。
私としたことがおしゃべりに夢中になってお茶も出さなかった。
すぐ用意するわね。
あっ。
いえ…。
もう大丈夫ですので。
お紅茶にしましょうね。
奥さま。
あのう。
そちらのお写真は?あっ。
主人よ。
若いころからずいぶん女の人のことで泣かされてね。
小田さん。
これすてきなカップでしょ?ロイヤルドルトンの品物ですよね?よくご存じで。
さすが葵の外商さんね。
これは頂き物なんだけどロイヤルドルトンは葵さんで揃えてるのよ。
いつもありがとうございます。
(内藤)斎藤さまはどうだった?最近お会いしてないんだけどお元気そうだった?ええ。
(内藤)そう。
あっ。
斎藤さまのご主人って…。
(内藤)ああ。
3年前脳梗塞で亡くなられてね。
《お願い。
主人を早く捜してちょうだい》お子さんは?
(内藤)娘さんはご主人の仕事でシンガポールへ行っていて息子さんは病院の経営が忙しくて親の面倒どころじゃないらしい。
そうですか。
(内藤)老人の一人暮らしだ。
たちの悪い出入り業者がいたらだまされかねない。
気に掛けて親身になってあげてよ。
(達郎)あしたさ小田さんからお客さん紹介してもらえることになったよ。
小田さんから聞いてた?ああ。
うん。
はい。
(達郎)ありがとう。
そうだ。
結婚記念日さどこか行きたいとこある?落ち着いて話せるところならどこでもいいよ。
(達郎)うん。
そうか。
分かった。
じゃあいいとこ探しとく。
うん。
(達郎)今日はわざわざすいません。
九条物産の専務の奥さまをご紹介いただけるんですよね?ええ。
(達郎)小田さんにとっても大切なお客さまでしょうから誠心誠意対応させていただきます。
《いっそ2人で殺そうか?あんたの旦那》
(従業員)お待たせしました。
ホットコーヒーでございます。
(達郎)俺アイス頼んだんだけど?
(従業員)えっ?あっ。
ちょっと。
(達郎)いや。
「えっ?」じゃなくて。
(達郎)さっき「ご注文繰り返します」って自分で確認してたでしょ?
(従業員)すいません。
すぐ新しいものをお持ちしますので。
(達郎)もういいよ。
(従業員)えっ?いやそのう…。
(達郎)いいって。
(従業員)申し訳ありませんでした。
小田さんはゆっくり飲んでくださいね。
もしもし。
もしもし。
私。
達郎さんから聞いた。
今日外商のお客さん紹介してくれたって。
数カ月分のノルマがクリアになったってすごく喜んでた。
ありがとう。
(電子音)あの人のためにやったわけじゃないから。
分かってるよ。
加奈子。
今日そっち行ってもいい?えっ?渡したいものもあるの。
あっ…。
うん。
分かった。
うーん。
おいしい。
お客さまに連れてってもらった三つ星レストランよりイケてるかも。
そんなことないでしょう。
そんなことあるの。
えーっ?私こう見えて仕事で高級店連れてってもらうこと多いんだから。
こないだなんて1本30万のワインごちそうになっちゃった。
嘘!?んっ。
これもおいしい。
あっ。
もしかしていいの出してくれちゃった?さすが直美。
味が分かるね。
これね確か1本1,300円だよ。
ねえ。
加奈子。
飲まないの?あっ。
いい。
私はやめておく。
そういえばこれ。
色々調べてみたんだけど公的シェルターだと滞在期間が限られてるみたいだから民間シェルター使って…。
知ってる。
私も前に詳しく調べたから。
でも駄目なんだよ。
どこに逃げようが隠れようがきっと私を見つけだす。
興信所使ってでも実家に張り付いてでも。
じゃあどうしたらいいの?暴力におびえ続ける一生でいいの?ずっと水が苦く感じるんだよ。
それでいいの?よくないよ。
でも私のことじゃない。
どうして直美がそんな…。
親友だからだよ。
困ったときに助けるのが友達でしょ。
早く手を打たないともし子供ができたりなんかしたらますます泥沼だよ。
何これ?達郎さんに一緒に行くように言われた。
えっ?でも実は暴力が始まってから私ずっと隠れてピル飲んでるの。
なかなか子供ができないことがふに落ちなくて言いだしたんだと思う。
どうするつもり?もし子供ができたりなんかしたら加奈子だけの問題じゃなくなるんだよ?話し合ってみる。
この期に及んで何言ってんの?話が通じる相手じゃないでしょ。
4日後の1月20日。
結婚記念日なの。
そのときなら落ち着いて話せると思う。
加奈子の思いが通じるとは私には思えないな。
一緒に達郎さんを殺そうって。
直美。
そこまで言ってくれたでしょ?だから私もちゃんと達郎さんと向き合おうって。
そんな気持ちになれたの。
また暴力振るわれるかもしれないんだよ。
一度だけ…。
一度だけ言ってみる。
大丈夫だよ。
何かあったら必ず連絡するから。
直美にはもう二度と隠さない。
ねっ?分かった。
ほら。
冷めちゃうから食べてよ。
もしもし。
(陽子)仕事中?ああ。
(陽子)やっぱり。
まだ働いてるだろうなと思った。
(達郎)何それ?どうせ姉貴もまだ仕事だろ?
(陽子)フフフ。
ねえ。
ちょっと聞きたいことがあるんだけど軽く飲まない?
(陽子)達郎から見て小田さんってどう?
(達郎)うん。
九条物産の専務の奥さまを紹介してもらったんだけどさ。
(陽子)うん。
(達郎)顧客が何を求めてるか的確に伝えてくれておかげで完璧な資産運用プランを提示できたよ。
(陽子)ふーん。
(達郎)それに顧客からかなり信頼されてる。
あれだけの信用を得るにはしっかりとした顧客対応を積み上げてるはずだ。
うん。
姉貴が言ってたとおり優秀だよ。
(陽子)やっぱり組んでみる価値はありそうね。
これから忙しくなるわ。
(達郎)俺もこれから今まで以上に死に物狂いでやらないとな。
(陽子)うん?
(達郎)あともう一歩。
次の異動で昇進できるかもしれないんだ。
(陽子)えっ?頑張んなさいよ。
(達郎)ああ。
(従業員)お待たせしました。
(2人)ありがとうございます。
(達郎)あっそうそう。
加奈子もさ。
(陽子)うん。
(達郎)本気で子供欲しがってて評判のいいクリニックに通うことにしたよ。
(陽子)ふーん。
子供が生まれたらまた忙しくなるんだろうな。
(達郎)これで姉貴も正真正銘の伯母さんだな。
(陽子)うるさいよ。
あんたまた太ったんじゃない?
(達郎)えっ?
(達郎)今度の結婚記念日だけどさレドモンドホテルのレストラン取っといたよ。
ありがとう。
病院の方は?あさって予約したから。
はっ?俺仕事だけど。
あっ。
初めは私一人で行くから。
大丈夫。
そうか。
結婚してる俺の同期はみんな子供いるから俺も早く欲しいよ。
ちょっちょっちょっ。
ちょっちょっ。
ちょっと。
休憩。
待って待って。
休憩してよ。
加奈子は大丈夫かね?はい。
(朱美)頼みたいことがあるので今から来てほしいのことですね。
あのう。
私今日久しぶりの休みなんですけど。
(朱美)休み。
ちょうどいい。
すぐに来るのことです。
(朱美)お昼においしいヤムチャ食べましょう。
(朱美)30分以内に来るのことですね。
(朱美)私もうおなかすいてるね。
分かりました。
連帯保証人?
(朱美)従業員の寮で借りてたアパート古くなって壊すので出ていかなければならなくなったのことですね。
(朱美)新しいアパート池袋で見つけたけど不動産屋連帯保証人2人つけうち1人日本人にしろと言ってきました。
一人陳会長ね。
でもう一人日本人のあなたです。
社長。
日本では連帯保証人になると契約者と同じ責任を負わされるんですよ。
(朱美)分かってるのことよ。
私理解に苦しむね。
誰かの支払い保証するなんて私なら絶対引き受けないよ。
それを私に頼むんですか?
(朱美)あっ。
間違えた。
小田さん頼んできたら私喜んで引き受けるのことよ。
ホントですか?
(朱美)小田さんのこと信頼してるね。
どうせなら私の妹になりなさいよ。
えっ?
(朱美)家族の頼みです。
引き受けてください。
うまいこと言って。
では私の願いも聞いてもらえますか?来月葵百貨店では骨董品展が開かれますが外商にもノルマが課せられています。
少しご協力いただけると幸いです。
仕方ないのことね。
ありがとうございます。
私も保証人の件了解しました。
あっ。
(朱美)はい。
もらった。
印鑑。
三文判買って押しておきますね。
(中国語)
(朱美)知り合いにそんなに似てる?はい。
(朱美)同じ東アジア人だから似ている人がいても不思議ではないですね。
林さん。
こっち来て。
(朱美)アパートの保証人この人に頼みました。
葵百貨店の小田さんです。
あなたもお礼を言うのことですね。
(林)ありがとうございます。
あっ。
いえ。
(朱美)林さん。
真面目で働き者のことですね。
日本語まだまだだけどうまくなったら営業の仕事も頼みたいと思てる。
私とても期待してるね。
(朱美)そういえば友達どうなりましたか?えっ?
(朱美)DVの友達。
色々説得はしてるんですけどまだ。
まだ殺してないですか?日本の警察は優秀なんです。
すぐ捕まっちゃいますよ。
(朱美)だから捕まらない方法考えるのことですよ。
警察は失踪しても死体が出てこないと動かないって言ってました。
(朱美)死体は海に捨てたら魚が全部食べるよ。
いや。
でも…。
(朱美)失踪に見せ掛ける。
悪くないね。
(看護師)服部さん。
普段月経は周期的に来ますか?はい。
(看護師)それと現在ピルなどを服用されてませんよね?はい。
(看護師)分かりました。
(医師)来週には今日の検査の結果から排卵の状況が分かるのでそれを基に今後の治療方針を考えていきましょう。
はい。
(医師)身内の方の承諾も必要な検査を行う場合もありますから次回はご主人と一緒に来てください。
(手塚)小田さん。
うん?
(手塚)これから東央不動産の企画開発の方々がいらっしゃるそうっすよ。
東央不動産?
(手塚)はい。
何か部長が話してんの聞いちゃったんすけどうちと共同で進めたいプロジェクトがあるとか。
(陽子)近年郊外で暮らす富裕層の高齢者が都心のマンションへの住み替えを希望するケースが増えています。
(陽子)彼らが求めているのは利便性の高い地域でコンシェルジュが常駐するなどホテル並みのサービスを提供する高級マンションです。
今後私たちが売り出したい超高級マンションシリーズのターゲットは御社の顧客と合致すると考えています。
(浅井)うちの顧客を紹介してほしいと?
(陽子)はい。
このプロジェクトはわれわれにとっても御社にとっても大変有意義だと考えています。
(陽子)マンションを購入し新しい生活を始めるとなるとステータスを住まいに求める外商のお客さまは数多くの調度品を御社にて購入されるでしょう。
(陽子)さらにマンションの共有スペースには質のいい美術品を揃えそれをマンション販売の際の目玉にします。
もちろん販売管理は美術館を持ち独自のルートを持つ御社にお任せします。
(浅井)実に魅力的なご提案です。
ぜひ前向きに検討させてください。
(陽子)ありがとうございます。
(陽子)小田さん。
ちょっと時間ある?はい。
(陽子)今回のプロジェクトが動きだしたらあなたにも加わってもらいたいの。
あっ。
私ですか?
(陽子)あなたは外商にいるけどホントは美術関係の仕事がしたいんでしょ?キュレーターの資格も持ってるって加奈子さんから聞いたわ。
(陽子)仕事はお金を稼ぐ手段だから我慢するのは当然?えっ?私はそうは思わない。
自分のやりたい仕事は自分の力で勝ち取っていく。
私はそうやって生きてきた。
(陽子)今回のプロジェクトは外商の顧客の雑用係をするよりあなたのスキルを生かせると思うの。
でも大きなプロジェクトになるのであればもっと責任ある立場の人間の…。
立場と能力は関係ない。
能力のある人間は能力のある人間のことが分かるのよ。

(翔太)ぶいーん。

(恵美)ほら。
ちょっと待ちなさい。
帰るよ。
あっ。
先ほど病院で。
同じマンションの方ですよね?ええ。
服部です。
(恵美)橘です。
こんにちは。
(翔太)こんにちは。
(恵美)あっ。
すみません。
いえ。
(恵美)あの病院へは前から?今日が初めてなんです。
(恵美)そうですか。
私は半年ほど。
あの子が生まれてもう一人欲しいって思ってたんですけどなかなかできなくて。
でも今日病院で妊娠してるって分かったんです。
えっ?おめでとうございます。
(恵美)ありがとうございます。
あの病院ホント評判どおり。
先生の指示どおり進めれば大丈夫ですよ。
あっ。
はい。
(恵美)あっ。
転ぶわよ。
ほら。
待って。
翔太。
病院どうだった?うん。
いい先生だったよ。
ホントに俺一緒に行かなくていいの?うん。
大丈夫。
まずは来月から先生の指導で進めましょうって。
分かった。
じゃあよろしくね。
うん。
今日雨降るみたいだから。
(達郎)ああ。
ありがとう。
じゃあ今夜6時にレドモンドホテルで。
うん。
楽しみにしてる。
いってらっしゃい。
いってきます。
《1月20日。
結婚記念日なの》《そのときなら落ち着いて話せると思う》もしもし。
(男性)小田直美さんですか?はい。
(男性)賃貸アパートの連帯保証人になられてますよね?ええ。
(男性)居住する方の身分証明書をいつになったら出してくれるんですかね?あなたから聞いてもらえますか?
(朱美)実は一人パスポート持っていない従業員がいたのことですね。
林さんです。
えっ?
(朱美)林さん。
密入国者でした。
密入国者って。
社長は雇うときに身元確認しないんですか?
(朱美)聞き取りはしますがパスポートの提出までは求めないのことですね。
密入国だと分かると雇えないから曖昧にしておくということですか?
(朱美)世の中には知らない方がいいこともあるのことですね。
アパートの契約はどうするんですか?
(朱美)2人住まわせる予定だったのでもったいないのことですね。
あっそうだ。
小田さん。
引っ越してきなさい。
えっ?
(朱美)家賃安くしておきますね。
それなら不動産屋文句言わない。
私も小田さん近くにいると便利ね。
ぜひそうしてください。
えっ?いやいや。
引っ越さないですよ。
それよりこれから林さんは?
(朱美)首にしました。
えっ?
(朱美)密入国者と分かって雇い続けると入管の調査来たとき今度私捕まるよ。
でも社長は林さんのこと見込んでたんですよね。
この会社私にとって大事なもの。
大事なもの守るためなら私容赦しない。
決断遅れたら大事なもの守れないのことよ。
「これから達郎さんと食事に行ってくる」「また連絡するね」《加奈子の思いが通じるとは私には思えないな》《また暴力振るわれるかもしれないんだよ》
(従業員)いらっしゃいませ。
服部です。
(従業員)お連れさま。
おみえになってます。

(達郎)今月新宿ブロックどころか都内全ブロックの中で営業成績トップだよ。
本店の法人営業部の課長のポスト。
間違いなく頭一つ抜け出た。
達郎さんの努力の結果だよ。
(達郎)ああ。
でも小田さんにはまたお客紹介してもらいたいな。
(達郎)すいません。
これ下げて。
(従業員)少々お待ちください。
達郎さん。
(達郎)うん?あのね…。
あのう。
何?このままじゃ…。
子供つくるなら…。
「このままじゃ」?うん?何だよ?もう暴力は…。
(当たる音)やめてください。
(当たる音)
(従業員)お待たせしました。
分かった。
分かったよ。
ホント?
(達郎)ああ。
もうしない。
約束する。
おいしそう。
(順子)知り合いから新鮮なお野菜をいっぱい送っていただいて。
せっかくだからあれこれ作ってたらもう作り過ぎちゃって。
どうぞ。
召し上がって。
あっ。
いただきます。
どうぞ。
おいしい。
よかった。
私一人暮らしなので夜はつい出来合いのものを買ってしまうことが多くて。
こんな家庭料理めったに食べる機会ないんです。
だったらいつでもいらして。
私いつも一人で食べてるから作っても張り合いがないの。
ホントに小田さんが担当になってくれてよかった。
いえ。
こちらこそありがとうございます。
ホントにおいしいです。
あっ。
そうだ。
忘れるとこだったわ。
小田さんにお願いがあったの。
この間送られてきた請求書なんだけどまだ振り込んでないのよ。
通帳と印鑑預けるからあしたにでもかもめ銀行に行って振り込んでおいてくれない?いかなる場合があろうともお客さまの通帳や印鑑をお預かりするわけにはいかないんです。
私銀行嫌なの。
支店長が代わったら急に不親切になっちゃって。
でしたらインターネットバンキングを始められてはいかがでしょうか?それでしたらご自宅にいながらも振り込みはできますが。
小田さんがやってくれるならいいわ。
あなたなら信用できるから。
ねっ。
お願い。
分かりました。

(翔太)ママ。
早く早く。
(真也)翔太。
危ないぞ。
(翔太)あっ。
お姉ちゃん。
こんばんは。
(一同)こんばんは。
夫です。
こちら橘さん。
(達郎)服部です。
(真也)橘です。
(達郎)僕幾つ?
(翔太)今日5歳になったんだよ。
(達郎)えっ?今日誕生日だったの?
(翔太)うん。
(達郎・加奈子)おめでとう。
おめでとうございます。
(2人)ありがとうございます。
(達郎)何プレゼントもらったの?
(翔太)自転車だよ。
あしたパパが早く帰ってきてくれるから一緒に練習すんだ。
(達郎)へえ。
そっか。
よかったね?
(翔太)うん。
橘さんたちねいっつも仲良さそうにしてるの。
3人で一緒に手をつないで歩いてたり。
ああいう家族っていいなって思ってて。
達郎さん?
(達郎)お前それ本気で言ってんのか?えっ?ああいう家族がいいだ?ふざけんなよ。
お前ホントに何も分かってないな。
あの旦那は橘製薬の二代目だ。
あっ?努力もせず与えられたポストにあぐらかいてるようなやつだよ。
仕事もしないで時間にゆとりがあるから子供と遊びほうけてられるんだ。
どうせこのマンションだって親に買ってもらったに決まってる。
いいか?俺はあいつとは違う。
必死に働いて自分の力でここを買った。
努力してるから出世コースにも乗ってる。
俺がどれだけのプレッシャーの中で毎日働いてるかお前は分からないのか!ごめん…。
ごめんなさい。
ごめんなさい!あっ。
俺がどれだけお前のことを考えてやってるか分かってるか?俺は結婚記念日に時間を割くために連日残業して仕事を片付けておいたんだぞ。
痛い。
痛い!?やめて!やめて!嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
ほら!やめて…。
ああ!?ああっ!?あっ。
達郎さん。
(窓鍵を締める音)開けて!お願い。
達郎さん。
お願い!
(署員)《捜すっていってもね》《ただいなくなったっていうだけじゃ警察は動けないよ》
(署員)《はっきりとした事件性でもあれば別だけどね》《事件性?》
(署員)《例えば死体が見つかるとか》
(順子)《お願い。
主人を早く捜してちょうだい》《そちらのお写真は?》
(順子)《主人よ》
(順子)《通帳と印鑑預けるから振り込んでおいてくれない?》《インターネットバンキングを始められてはいかがでしょうか?》
(順子)《小田さんがやってくれるならいいわ》《あなたなら信用できるから》
(朱美)《知り合いにそんなに似てる?》
(警察官)誰かいるのか?
(警察官)おい。
待て。
(朱美)《実は一人パスポート持っていない従業員がいたのことですね。
林さん。
密入国者でした》
(窓鍵を開ける音)ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
早く飯作って。

(達郎)じゃあ行ってくるから。
いってらっしゃい。

(呼び出し音)加奈子?加奈子?加奈子!何があったの?加奈子?直美。
助けて…。
だいぶ熱も下がったみたい。
直美。
うん?やっぱり…。
直美の言うとおりだった。
もういいから。
もうちょっと寝な。
《困ったときに助けなくてどうして友達ですか?》《決断遅れたら大事なもの守れないのことよ》
(署員)《例えば死体が見つかるとか》《ただいなくなったっていうだけじゃ警察は動けないよ》
(順子)《小田さんがやってくれるならいいわ》《あなたなら信用できるから》
(朱美)《失踪に見せ掛ける。
悪くないね》
(朱美)《林さん。
密入国者でした》
(呼び出し音)
(朱美)もしもし。
李社長。
林さんは今どこで何してるか分かりますか?
(朱美)さては小田さん。
林さんのこと好きになったのことね?上海の男は日本の女の人好きですよ。
いいから教えてください。
林さんなら身分を隠して別の店で働いていると思いますね。
(朱美)おそらくこの池袋のチャイナタウンです。
どのみちパスポートないのだから目立たない場所で隠れて暮らすことと思いますね。
連絡取れますか?彼自分の携帯持ってるよ。
その番号を教えてください。
直美?私見つけたよ。
えっ?あんたの旦那殺しても捕まらない方法。
2016/01/21(木) 22:00〜23:09
関西テレビ1
<木曜劇場>ナオミとカナコ #02[字][デ]【いっそ二人で殺そうか、あんたの旦那……】

私、見つけたよ。あんたの旦那殺しても捕まらない方法—運命の点と点が線に。DV夫を排除すべく完全犯罪が動き出す。加速する加奈子へのDVに、慟哭の直美!

詳細情報
番組内容
小田直美(広末涼子)は、服部加奈子(内田有紀)に暴力をふるう彼女の夫・服部達郎(佐藤隆太)を、いっそ二人で殺そうか、と口走った自分に困惑していた。
そんな朝、加奈子は、達郎から一緒に産婦人科に行こうと言われ凍りつく。自分も早く子供が欲しいと言うのだ。実は達郎の暴力が始まってから妊娠するのが怖くてピルを飲んでいる加奈子は、まずはひとりで行ってみる、とごまかした。
後日、直美は加奈子のマンションに
番組内容2
立ち寄った。達郎は残業で留守のため、加奈子は直美に手料理を振る舞う。その際、話が達郎の暴力に及び、離婚を勧める直美に対して加奈子は、達郎と話し合ってみると言った。話が通じる相手ではない、と直美が語気を強めると、加奈子は、近く結婚記念日があるから、そこでもう一度だけ話し合ってみる、と直美を見据えた。
翌日、直美は李朱美(高畑淳子)に呼び出された。やってきた直美に朱美は、従業員の林竜輝(佐藤隆太)が
番組内容3
借りるアパートの連帯保証人になってくれ、と頼む。直美は朱美に交換条件を突きつけ、それを引き受ける。
加奈子と達郎の結婚記念日。レストランに現れた達郎は上機嫌だった。直美に客を紹介してもらったこともあり、営業成績がトップに躍り出たという。そんな達郎に加奈子は、今後子供を持つこともあるのだから暴力は止めてほしい、と懇願した。しばし固まった達郎だったが、震える加奈子の手を握ると、もうしないと約束する…。
出演者
広末涼子 
内田有紀 
吉田羊
 ○ 
宮川一朗太 
山路和弘 
犬飼貴丈
 ○ 
富司純子
 ○ 
高畑淳子 
佐藤隆太
スタッフ
【原作】
奥田英朗「ナオミとカナコ」(幻冬舎刊) 

【脚本】
浜田秀哉 

【音楽】
ガブリエル・ロベルト 

【主題歌】
EXILE ATSUSHI + AI 「No more」(rhythm zone) 

【プロデュース】
長部聡介 
大木綾子 

【演出】
金井紘 
葉山浩樹 
品田俊介 

【制作】
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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