「3年間ほぼ留守」 甘利氏、地元目配り不十分

 「ここ3年間はほとんど(地元の)事務所を留守にしていた。私の不徳の致すところだが、秘書の件は正直、全く知らなかった」。甘利明経済再生担当相は22日の閣議後会見で、国政に集中するあまり、地元への目配りが十分でなかったとの認識を示した。

 甘利氏の地元対応について、複数の関係者は「秘書への教育は徹底していた」「金銭絡みの不祥事を何より嫌う」と話す。だが、地元事務所長を務める秘書の金銭授受疑惑に絡み、甘利氏は会見で、2012年末の第2次安倍政権発足から入閣して以降は「地元秘書のミーティングに一度も出ることができなかった」とも説明した。

 神奈川県内選出の自民党議員は甘利氏を「今失うわけにはいかない閣僚」と口をそろえる。環太平洋連携協定(TPP)が重要議題となる今国会で、交渉を大筋合意に導いた甘利氏の存在は大きいが、野党の集中砲火を浴びることで審議への影響は避けられない。「ノーコメントだ」。甘利氏を慕う議員は緊張感を漂わせた。

 22日の衆院本会議で甘利氏の経済演説前に退席した野党議員の1人は「金銭授受を明確に否定しておらず、国民の政治不信が広がりかねない」と、疑惑の全容を早期に説明するよう求めた。

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