篠塚健一、松本紗知
2016年1月26日11時25分
戦後の上方落語復興を支えた四天王の最後の一人で9日に85歳で亡くなった落語家、三代目桂春団治さんの「お別れの会」が26日、上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)で開かれた。
2006年開場の繁昌亭で落語家のお別れの会が開かれるのは初めて。舞台上の祭壇には柔らかな笑みを浮かべる高座姿と得意の踊りを見せるりりしい姿の2枚の遺影が飾られ、代名詞の出囃子(でばやし)「野崎」を奏で開会した。
実行委員長を務めた桂文枝・上方落語協会会長は「師匠の落語と向かい合う真摯(しんし)な姿、美しい高座はいつまでもみんなの心に刻まれます。私はこれから戦後復活上方落語の『第二章』が始まると思っています。どうか、お見守りください」とお別れの言葉を述べた。桂ざこばさんは「なんで泣くんやろ。好きや。大好きや!」と号泣。笑福亭鶴瓶さんは「四天王の思いを少しでも持ってこれからもがんばっていきます。何とか、がんばります。時々この繁昌亭に来て僕らを見といてください。本当に本当に、お疲れさまでございました」と話した。
落語協会(東京)の柳亭市馬会長らも参列。献花の際には春団治さんの「親子茶屋」などの映像が映しだされた。主催の上方落語協会によると、一般もあわせて約1千人が別れを惜しんだという。(篠塚健一、松本紗知)