昨日、ニンジャスレイヤーTwitter連載の最新エピソード「アンエクスペクテッド・ゲスト」がついに完結しました! 終盤セクションでは「ヤクザ天狗」というキーワードが夜と朝とにTwitterトレンド入りし、「ヤクザ天狗とは?」などの声が飛び交ったようです。いよいよ、一般市民もニンジャやヤクザ天狗の存在から目を背けるわけにはいかなくなってきたのだな、と思います。
「神々の使者、ヤクザ天狗参上!」
今回の登場人物紹介は、作中屈指の強烈なインパクトと存在感を放つキャラクター、ヤクザ天狗に焦点を当ててみたいと思います!
◆ヤクザ天狗◆
全身をサイバネ強化した非ニンジャ。正体や本名は不明(ヤクザである事しかわかっていない)。ジェットパック噴射で出現し、二挺拳銃でニンジャを撃ち、蜂の巣にして殺す。ニンジャスレイヤー誕生前から、ニンジャハンターとしてソウカイヤと孤独な闘いを続けていたとされる。彼はヤクザが窮地に陥った時に颯爽と現れ、ニンジャハントを行い、高額な報酬を受け取り、ジェットパックでまた何処かへと去って行く。
「ムハハハハ! 素晴らしい!」ラオモトは交差する二本のカタナが描かれた軍配を掲げ、高笑いしながら自らの顔を扇いだ。しかしすぐに目元から笑みは消え、鋭いカタナのような目つきに戻る「だが油断はならん。ドラゴン・ドージョー、罪罰影業組合、ヤクザ天狗……ワシの邪魔をする目障りな敵は多い」
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2010, 10月 31
あのソウカイヤ首領ラオモト・カンでさえ、彼を目障りな敵として認識している。
◆外見的特徴◆
身長約187センチ。黒のヤクザスーツ上下にヤクザシューズ、天狗面、背負い式小型ジェットジェットパック、そしてLAN直結式の赤漆塗りオートマチック・ヤクザガン二挺拳銃という出で立ちで現れる。この特注品と思しき二挺拳銃には、それぞれ「アブソリューション(赦罪)」と「リデンプション(贖罪)」という名が付けられている。身体は相当な部分が戦闘サイバネ化されていると思われ、天狗面の穴からはサイバネ・アイの冷たい光が覗く。
◆戦闘スタイル◆
ジツ:カラテ比率=0:10 (彼はニンジャではない)
ヤクザ天狗はニンジャソウル憑依者ではないため、ジツを使った戦闘スタイルは取れない。また、いかにサイバネ強化されているといえども、ネオサイタマにおいては「常人(モータル)」と「ニンジャ」の戦闘能力の間には超えられない壁が存在する。ニンジャソウル無しでその壁を越えるために、彼は身体を戦闘サイバネ化し、対ニンジャ用に戦闘スタイルを研ぎ澄ましていったのだ。
では具体的にどのように彼はニンジャを狩るのか? ヤクザ天狗はニンジャのような超人的筋力や回復力を持たないため、ニンジャに対して一方的に先制攻撃を仕掛け、反撃を許さず即座に勝利を得る、という戦法を取らざるを得ない。そのために彼はジェットパックで高速飛翔し、サイバネ・アイで敵の軌道を予測し、論理トリガ射撃で重金属弾の雨を浴びせるのだ。仮に先制攻撃が失敗し、長期戦に入ってしまった場合、その先には死が待っている。極めてリスキーかつ過酷だが、この方法でなければ、脆弱な常人がニンジャハンターとして生き延びることは不可能だっただろう。
仮にニンジャハントが成功した場合、瀕死の敵、または敵ニンジャの生首などに対して、浄化の儀式を行う。2枚のセンベイを両目に当て、己の小便とスピリタスを秘密の割合で混ぜた聖水を振りかけ、「ブッダエイメン!」の言葉とともに火を放つのだ。
— njslyr_ukiyoe (@njslyr_ukiyoe) 2014, 9月 7
ニンジャに真の死を与えるためには、浄化の儀式が必要だという。
◆オリジン・エピソード◆
アトロシティ・イン・ネオサイタマ・シティ
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キルエレファント・ヤクザクランを率いるグレーターヤクザのヤマヒロは、ソウカイヤの邪悪なニンジャ「バーグラー」から途方もない上納金を強いられ、窮地に陥る。たまりかね、反抗的態度を取るヤマヒロの前で、バーグラーはクランの構成員たちを見せしめ虐殺してゆく。もはやこれまでと思われた時……神々の使者が降臨した。
物理書籍の中でヤクザ天狗が初めて活躍するのは、「ネオサイタマ炎上3」の「アトロシティ・イン・ネオサイタマ・シティ」においてである。なお連載時期的にも「非ニンジャは絶対にニンジャには勝てない」という固定観念が読者の中に定着しきっていた時期にヤクザ天狗が颯爽と現れ、ニンジャハントを成し遂げたため、シーンに多大なショックを与えた。
ニンジャスレイヤー (4) ?アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ? (カドカワコミックス・エース)
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コミカライズ版も存在(これ単体で読み切れる)。これがヤクザ天狗の人気を決定づけた。
ニンジャスレイヤー(4) ?アトロシティ・イン・ネオサイタマシティ?<ニンジャスレイヤー> (角川コミックス・エース)
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◆重要エピソード◆
2016年4月に発売予定の最新刊「マグロ・サンダーボルト(仮)」には、「ギルティ・オブ・ビーイング・ニンジャ」が収録されている。カッパドキアめいた陰鬱な岡山県の山岳地帯で、ニンジャ修道会との熾烈な戦いが繰り広げられるのだ。これもまた、ヤクザ天狗ファンならば絶対にチェックしたい重要エピソードといえよう。
◆NINJA FACTS◆
ヤクザ天狗行動フローチャート
以下は、現在までのヤクザ天狗の行動をもとに分析した、彼の行動フローチャートである。
念密な事前調査(主に盗聴など)
↓
ヤクザからニンジャハントの依頼を受ける
↓
勝てそうか?
↓→(ノー)→***データ不足により不明***
↓(イエス)ニンジャハントを実行し先制攻撃
↓
勝てそうか?
↓→(ノー)→逃げる
↓(イエス)
仕留め、浄化の儀式を行う
↓
報酬を受け取る
↓
相手はカネを支払えたか?
↓→(ノー)→天狗の国へ連れて行く
↓(イエス)
カネを受け取り、「ニンジャが出たらまた私を呼べ」と言って去る(相手に盗聴器を仕掛ける場合もある)
狂人といえば常に支離滅裂な行動を取るものと考えられがちだが、ヤクザ天狗は常に何らかの一貫したルーチン、哲学、スタイルに基づいて、規則的かつ理性的に行動していることがよくわかる。これには何の不思議もない。そうでなければ、過酷なネオサイタマでニンジャハンターとして生き延びることは不可能だっただろう。なお「天狗の国へ連れて行く」とは何を意味しているのか、未だ明らかになっていない。
天狗にしてヤクザ、その哀しき定め……
— njslyr_ukiyoe (@njslyr_ukiyoe) 2014, 12月 7
虐げられた弱者が助けを求めた時にジェットパックで颯爽と現れ、ミステリアスな呪文を唱えながら二挺拳銃で敵を滅ぼし、浄化の儀式を執り行って去ってゆく。時には、ニンジャとの遭遇でNRSに陥ってしまった哀れな被害者に対して、ニンジャの悪夢を浄化するための儀式すらも行う。……ヤクザ天狗はまるで、多くの人々が思い描く正義のヒーローを体現したかのような存在だ。だが、ここで皆さんの頭にはひとつの疑問が浮かぶだろう。ヤクザ天狗はそもそも何のために戦っているのだろうか?
「…すまんな、本当にすまん」ヤクザ天狗は黒い焦げ跡に変わったグリーンエレファントを無表情に見下ろしていた。その低い声は、誰にも聞こえぬほど小さく厳かだった。「私は、お前達全員をジゴクへ送り返す。私があの日、お前達を解き放ったのだから…」そして彼は胸元の聖水瓶へと手を伸ばす。 65
— Ninja Slayer (@NJSLYR) 2012, 1月 19
ヤクザ天狗自身の言葉から推測できるのは、彼自身がかつて全てのニンジャソウルをジゴクから地上に解き放ってしまったこと、そしてニンジャソウル憑依者たちは自分の行動の結果として生まれた哀れな犠牲者であると考えているらしい事だ。全ては自分に原因があると考えている。そしてニンジャハントを続ける事が、彼の贖罪にして聖戦なのだという。
それゆえか、彼はしばしば己の過去の罪業や聖戦の犠牲となって苦しんだ者たちのために、天狗面の奥で人知れず涙を流している。しかし残念ながら、Twitter連載分最新話までを読む限り、ニンジャソウル憑依現象がヤクザ天狗によって引き起こされたという事実はない(それ以前の時代から発生している)。これらは全て、ヤクザ天狗の妄想なのではないだろうか?
遭遇時の対応マニュアル
関わらないのが一番です!
あなたが邪悪なソウカイヤのニンジャである場合、ヤクザ天狗との遭遇はあなたの死を意味します。確かに彼はニンジャではないため身体能力ではあなたの相手ではないでしょうが、ヤクザ天狗は極めて用意周到なニンジャハンターであり、勝てる見込みのある相手の前にしか姿を現さないと考えられるからです。ヤクザ天狗出現の気配を感じたら、今すぐにヤクザへの暴虐を止め、その場から立ち去ってください。
一方、もしあなたがネオサイタマに生きるヤクザであるならば、ヤクザ天狗との接触は狂気の始まりを意味します。ヤクザ天狗はニンジャによって搾取されているヤクザ(つまりあなた)に接近し、ニンジャハントの依頼を取り付けるかもしれません。彼は何故かあなたの現在の状況や苦しみについて事前に詳しく知っており、思わず頼りたくなってしまうかもしれませんが、関わらないほうがいいでしょう。彼は狂っているからです。
◆未来へ◆
ヤクザ天狗は極めて奥深いキャラクターであり、さらにその言動の多くが理解不能の狂気に包まれているため、1回のキャラ紹介エントリーではとてもその全てを語り尽くすことはできません。02では、彼の狂気についてさらに深く掘り下げてみようと思います。
(Tantou)