「キンプリ」こと、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』を観に行った。というより「初見での感想が聞きたい」という某氏によって観賞に誘われた。半ば拉致、そして人体実験である。
その感想だが、
ヤバい。
ヤバいヤバいヤバい。
とにかくヤバい。そしてすごい。
とりあえずプリリズ知識はほぼ皆無であり、「フィギュアスケートだけど飛んで光って技をキメる」みたいなものという認識しかなかった。男のユニットもいたかな、という程度の認識。ズブの素人状態だった。
その状態で観に行ったら、イケメン3人が氷の上で踊り(うち一人はギターを弾いている)、「これがプリズムショーかー」と思っていたら、突然ハグされ、燃やされた。そしてママチャリが全力疾走を始めて、E.T.になった。もうなにがなんだかわからない。わからないけど僕の心は告げていた。「これはとんでもないことになっちゃったぞ」と。
その後は主人公とおぼしき少年が学院に入学して、なるほど男性プリズムショーがこの世界では人気なんだと思っていたら、路地裏でヘッドスピンが始まり、剣とドラゴンが召喚されていた。と思っていたら、美尻からミツバチが放たれ、ハグされていた。
もうどうすりゃいいんだ。僕の顔は泣き笑いでぐしゃぐしゃ。理性はとっくに過呼吸を迎え、脳内でエレクトリカル・パレードが峠をドリフト走行していた。
しかしプリズムショーは終わらない。Over The Rainbowという3人ユニットが、なぜか古代ギリシャの格好になったと思ったら、天から電車が舞い降りた。「For Hollywood」って。どうしたらいいのこれ。そして旅立っていった。Hollywoodに。すげえって。それでステージが終わっちゃうの。
でも終わらない。主人公が颯爽と現れ、観客の間を華麗に滑走。消えていた客のサイリウムが灯った直後、未成年の主張が始まる。そして主人公の心の服が脱げると同時に全裸になり、太陽を抱き、Over The Sunshineになった。そう、Over The Sunshineに、なっていたのだ……
そして最後、全裸羽扇仮面三木眞一郎に、全裸の蒼井翔太が現れ、「グロリアス・シュワルツ!!」とチャントされ、本編が終わる。
以上で上映時間は70分。だが体感時間は分とかhourとかではない。もはや時間ですらない。Over The Rainbowで、Over The Sunshine。時空を超えた世界がそこにあったのだ。
全身の穴という穴からウランを流し込まれ、落雷を頭に落とされたような体験で、観賞直後は言葉が発せず、帰りの電車は立っているのがやっとの状態だった。うわごとのように新宿線の中で「キンプリ……すげえ……」とつぶやいている人を見かけたのなら、それは僕です。
とにかく、言語化するのも困難な状態で、今でも軽く息が上がっている。理解がおっつかないが、脊髄は確かに幸福信号を返している。一日寝て咀嚼したいし、可能ならもう一度足を運びたい。
一言だけ言えるのは、「キンプリ、すごいよ」です。絶対観に行った方がいいです。マジで。