情報をどのように収集・整理するべきか――就職・転職活動に役立つ Evernote の使い方

使い方と事例

情報をどのように収集・整理するべきか――就職・転職活動に役立つ Evernote の使い方

2016/1/26 by 山田井ユウキ

2016/1/26 by 山田井ユウキ

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Evernote は 1 月 13 日、NTT ドコモと共同で『「ジョブチェンジ」がうまくいく!モバイル& Evernote 活用術』と題したセミナーを開催しました。

本セミナーは就職・転職活動中の方々を対象にしたもので、株式会社ハタプロ代表取締役 CEO 伊澤諒太さん、株式会社 NTT ドコモ 法人ビジネス本部 花木悠佑さんにご登壇いただき、モバイルと Evernote を使って効率的に「仕事」を進めるためのコツをお話いただきました。また、日本経済新聞社 デジタル編成局編成部 関根晋作さんにもご登壇いただき、「ビジネスに役立つ、日経電子版の読み方」についてもご講演いただきました。

セミナーをレポートすると共に、そこでご紹介いただいた Evernote 活用術をご紹介します。

Evernote をシンプルに使って情報収集の効率をアップ

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最初にご登壇いただいた株式会社ハタプロ代表取締役 CEO の伊澤諒太さんは、4 つの顔を持つ起業家です。「大企業の新商品開発支援者」「電子機器メーカーの経営者」「大学の講師」「政府の国際大使」など、その活動は多岐にわたり、一方で Evernote のアンバサダーとしても活躍されています。

伊澤さんは「すべての仕事の本質とは情報収集、整理、プレゼンである」と述べ、「Evernote をシンプルに使うこと」を提案。次の 3 つの Tips に分けて解説しました。

・情報収集に役立つ Tips
・整理に役立つ Tips
・アウトプットに役立つ Tips

情報収集について、伊澤さんがおすすめするのは Web クリッパー機能。さらに「オプション設定によるタグ付けの自動化」と「キーボードショートカット」を設定しておくことで劇的に情報収集のスピードが上がるとアドバイスします。

Web クリッパーでウェブページをクリッピングする際、先に「情報収集」や「IoT」といったタグが自動で付けられるようにしておき、ページの内容に応じてクリッピングのときに不要なタグを消すのが伊澤さん流。なぜこのやり方なのかというと、「クリッピングの際にタグをテキストで打ち込むのは面倒」だから。

「タグはそんなに多くないはずなので、先に入れておいて不要なものを消す方が速い」のだそうです。

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伊澤さんはまた、カメラでメモなどを撮影し Evernote に入れておくやり方もおすすめします。Evernote の強力な文字認識機能を生かし、画像の中の文字も後から検索できるからです。

その際、伊澤さんは「検索オプション」を使って効率よく検索しているといいます。検索オプションでは、たとえば添付ファイルつきのノートだけとか、音声ファイルだけといった詳細な検索を行うことができます。たくさんのノートが保存されていても、この検索オプションを使いこなすことで、短時間で効率よく目的の情報にアクセスできるのです。

続いて伊澤さんが提案するのが「目次ノート」の作成。複数のノートがバラバラで存在していても、目次ノートを活用すると各ノートへのリンクをまとめることができるので、誰かと共有するときにもわかりやすくなります。

また、共有するときには PDF への書き込み機能(Evernote プレミアム機能)を使って、テキストや矢印でわかりやすくしておくのもポイント。伊澤さんは、「これらの使い勝手のよさが Evernote の長所。他のオンラインストレージではここまでスムーズにはできない」といいます。

最後に伊澤さんから、Evernote と相性のいい情報収集アプリをご紹介いただきました。

一つは「カメリオ」。ユーザーが興味あるキーワードをあらかじめ設定しておくことで、関係する情報がどんどん届くキュレーションアプリです。就活中であれば、目指す企業の名前を登録しておき、情報を集めるといいでしょう。

もう一つは「日経新聞」。伊澤さんは日経について「ビジネス界の回覧板。常識としておさえておくべき」と述べ、それにプラスアルファとして前述のカメリオを使うというやり方を提案されました。

就職・転職活動で大事なのは自分と相手を知ること

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続いて株式会社 NTT ドコモ 法人ビジネス本部 花木悠佑さんより、「Evernote × モバイルで実現するおすすめビジネスハック術」と題してご講演いただきました。

花木さんは同志社大学を卒業後、大学院で心理学を学び、NTT ドコモへ就職されたという経歴の持ち主。もともと大学卒業後に別の企業へ就職が決まっていたそうですが、「自分は本当は何がしたいのか」ということを悩んだ結果、一度は内定を辞退して大学院心理学研究科へ進学を決めます。

しかし、再び将来に迷いを感じた花木さんは 2 つのことに取り組みました。

それは「記録をつける」ことと「情報収集をする」こと。

自分はどんな企業に興味があるのか、新聞のどのニュースに興味を持ったのかといった記録をつけることで、自分の行動や思考プロセスを明確にすることができたと花木さん。さらにニュースサイトや四季報を読み、いろいろな業界の情報を収集した結果、NTT ドコモへの就職を決めることができたといいます。

この経験から花木さんは、「就職・転職活動においても相手を知ることが大事」だと語ります。自社、競合他社、他業界などの情報を十分にインプットすることで、納得の判断をすることができたのだそうです。

その情報収集のためのツールとして花木さんがおすすめするのが Evernote を日記として使うこと。花木さんはサードパーティーのアプリ「Grid Diary」を使って、毎日 6 つの質問を自分に投げかけています。

  • 今日の目標は何か?
  • 達成できた(できなかった)理由は?
  • 本日の良かった点は?(3 つ)
  • 良かった点を踏まえて今後何をする?
  • 本日の反省点・課題は?
  • 反省点・課題の改善に向けて何をする?

このときのポイントは「自分を褒めること」だと花木さん。さらに、抽象的ではなく「具体的に書くこと、アクションを考え」て、それを Evernote に書き残していくのだそうです。

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また、Evernote を続けられないという方へのアドバイスとしては、「内容別に整理せず、ひとまず情報を突っ込む」「慣れないうちは整理も Evernote に任せる」「情報の終着点を Evernote にする」ことが大事だといいます。

手間をかけないという点で花木さんがおすすめするのが、インプットを自動化するための「IFTTT(イフト)」というアプリ。これはサービスとサービスを結びつけるアプリで、たとえば Facebook で「いいね!」した投稿や、Feedly で「後で読む」にした記事を Evernote に自動で保存するなどの設定が可能です。

メモについても花木さんは連携アプリをおすすめしています。アプリ選択のポイントは起動の速さで、位置情報を付与するなら PostEver 2、しないなら FastEver 2 もおすすめとのことです。

日経電子版と Evernote を活用して正確で信頼できる情報を

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最後にご登壇いただいたのは、日本経済新聞社 デジタル編成局編成部 関根晋作さん。Evernote とも連携している日経電子版についてご紹介をいただきました。

関根さんはまず「ビジネスで成功する秘訣は?」と会場に問いかけ、ヒントとしてウォーレン・バフェットの言葉「自分のやっていることをきちんと理解していなければ、それ自体がリスクになる」を引用します。

「自分のやっていることをきちんと理解する」ためには「正確で信頼できる情報」が必要だと関根さん。ではその情報とは何なのか。

関根さんは、日経とインターネットの無料ニュースの違いを次のように説明します。

    • 日経

記者 1,300 人、海外 36 支局で取材したオリジナルの情報。記者、編集者が複数人でウラ取り。ニュース・分析の品質は保証付き

    • 無料ニュース

ネット上の記事のコピー。自分たちは取材しない。クオリティは保証されない

では日経をどのように活用すればいいのでしょうか。関根さんによると、「世の中をざっくり」「企業・業界を詳しく」が日経の読むとき 2 つのテーマなのだとか。

「日経にはビジネスパーソンの共通言語が書かれています。世の中全体の動きをざっくり知っておくと、専門分野以外の人とも話ができます」(関根さん)

そのために重要なのがトップページだといいます。なぜなら、日経のトップページを眺めているだけでも、何となく世の中で起きていることがわかるから。その後、興味のある記事だけを読むといった使い方がおすすめなのだそうです。

ちなみに記事によっては有料会員限定公開のものもありますが、無料会員でも月に 10 本までなら読めるとのことで、さらに「記事のエッセンスは見出しと最初のパラグラフで完結している」と関根さん。つまり、記事の最初でざっくりと概要をつかみ、さらに詳細が知りたければ記事の続きを読めばいいということです。

トップページ以外では、「マーケット」と「マネー」を読んでほしいと関根さんは言います。この 2 つのカテゴリを読むことで、企業・業界をシビアに見るという「投資家目線」を身につけることができるからです。

また「記者の目」というコラムでは、紙では書けなかった話なども掲載されており、こちらもおすすめだそうです。

そんな日経電子版ですが、一日に配信される記事は約 900 本もあり、分量にして新書 2~3 冊にも上ります。当然、すべてを読むのは不可能。そこで関根さんがおすすめするのは「My ニュース機能」でカスタマイズする方法。

キーワードを登録しておけば、それに関する情報を優先して表示してくれるという機能です。さらに、日経電子版は Evernote とも連携しており、ウェブクリップも非常に綺麗な形で行えます。

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また、自分の Evernote から記事に関連するノートが表示されるため、記事がきっかけとなって発想がどんどん広がることも。

「なんでも Evernote に入れておいて一旦忘れましょう。興味ある記事を読んでいるときにその情報が出てきます」(関根さん)

日経電子版と Evernote の連携で、思わぬアイデアが生まれるかもしれませんね。

『「ジョブチェンジ」がうまくいく!モバイル& Evernote 活用術』でご紹介いただいた使い方はどれも目から鱗が落ちる便利なものばかり。ぜひ就職・転職活動にご活用ください。

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