旧聞に属することですが、先週、欧州中央銀行(ECB)の政策金利会合があり、またぞろドラギ総裁が「3月の理事会で金融政策をおそらく再検討する」、「景気のためならECBのやれることに制限は無い」と甘い言葉を囁きました。

12月のミーティングで裏切られたばかりなのに、市場参加者はそんなむかしのコトはすっかり忘れて、またまたウットリ。

その様子は、まるで幾度騙されても夢を捨てきれない「遊ばれオンナ」ですな(笑)

この調子で行くと、3月もまたフラれる可能性大でしょうね。

なぜかといえば、欧州経済はギリシャ危機以降の長くて暗いトンネルから今、ようやく抜け出そうとしているからです。もっと言えば、そもそも追加緩和は必要ないということ。

具体的にデータを見て行きましょう。

ユーロ圏の失業率は11%台に張り付いていたのですが、最近、いい感じで下がり始めています。

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特に失業者が多かったスペインでも失業率が着実に下がり始めています。

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欧州大陸の北の方の国の中で、いちばん経済がモタモタしていた国のひとつ、フランスでも、ようやく失業率は下がり始めています。

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イタリアは構造的に経済の活力に欠けている国で、ギリシャ、スペインとならんで問題国だと見做されてきましたが、こちらでも失業率は改善しはじめています。

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ドイツは既に歴史的に低い失業率に達しています。

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ユーロ圏の鉱工業生産高をみると低迷していた南欧諸国の改善が著しいです。

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ドイツの製造業購買担当者指数は高いです。

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ユーロ圏製造業購買担当者指数も高いです。

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これに対して、本当に中身の悪い国のPMIは、下のようなカタチをしています。これは中国の製造業購買担当者指数です。

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