2015年12月、夫婦の闘病エッセイコミック『はっちゃん、またね 多発性骨髄腫とともに生きた夫婦の1094日』が発売された。最愛の夫はっちゃんを見送った漫画家・池沢理美さんにお話を伺った。
美化せず本当のことを描きたかった。
---八郎さんの最後はあまりに壮絶で、とても「安らか」とはいえない表現でした。亡くなったお顔も目と口が開いたままでリアルというか。作中でも池沢さんご自身が「安らかなお顔で良かったって言ってもらえないよ」と話しかけていましたよね。
映画で見るようなきれいなシーンではなく、素直に本当のことを描こうと思っていたんです。加賀八郎の生き様を美化したくなかったといいますか、ありのままを表現したかったんです。とくに、生きているときと亡くなったときの境目を漫画でも分かるように、“目の光”で表現しました。
---光がなくなることで死が決定するという?
飼い犬のガッツ(第8話「いのち」にて死亡)でも同じでした。呼吸がなくなって、目の光がなくなって。
看取る側であることを覚悟したときは?
---八郎さんと池沢さんは本当にラブラブなご夫婦でしたよね。池沢さんも八郎さんが病気になる前に、「はっちゃんが先に死んだら、あたし生きていけない」とおっしゃっていたそうですが。
はっちゃんが元気なうちから、そんなことを考えて泣いたりしていたんです(笑)。本人にもよく言っていました。そしたら「そうなったらキミは生きていけそうにないね」って。どうしてバラバラに死ななければいけないのかと思うだけで悲しくて。死ぬときは一緒がいいのにと思っていたんです。
---そんなに仲のいいご夫婦で、池沢さんが自分が看取る側になると自覚したタイミングっていつだったのでしょうか。
はっきり意識した瞬間はないんですよ。宣告されたときも、余命について説明されたりしてとにかく動揺してしまっていて。
-
過眠症、過食症、そして虐待・・・話題コミック『放課後カルテ』が教えてくれる、親にも分からない「子どもたちのSOS」(2016.01.15)
-
家族が死んだ時の「手続き一覧」 〜トラブル急増、知らないと痛い目にあいます(2016.01.24)
-
妊婦死亡、流産、14歳の母親……知られざる産婦人科の現場から ~大反響漫画『透明なゆりかご』作者・沖田×華さんに聞く(2015.10.14)
-
なぜ能力の低い人ほど自分を「過大評価」するのか(2016.01.19)
-
役所に申請すれば「もらえるおカネ」「戻ってくるおカネ」【2016年最新版】(2016.01.09)
- 夫が突然、難病になったら? 死に際までリアルに描いた夫婦の闘病マンガが教えてくれる「大事な人との時間の過ごしかた」 (2016.01.26)
- 構想執筆20年、今年最大の収穫本『日本精神史』はこうして生まれた。西洋哲学徒にとって「日本」とは何だったのか?(2015.12.02)
- 妊婦死亡、流産、14歳の母親……知られざる産婦人科の現場から ~大反響漫画『透明なゆりかご』作者・沖田×華さんに聞く(2015.10.14)
- 一人の少女にとって、戦争とは、空襲とは、焼夷弾の雨とは何だったか。母親の証言から戦争の"リアリティ"を描く傑作マンガ(2015.08.04)
- 8月15日に戦争は終わっていなかった! 両親の体験をもとに“感覚”として戦争を写し取るマンガ(2015.07.27)
- 日本の死因第1位はガンじゃない!? 産婦人科実録コミック『透明なゆりかご』作者・沖田×華インタビュー(2015.05.13)