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 中国政府が昨年廃止した「一人っ子政策」をめぐり、一人っ子を亡くした親たち約180人が昨年5月、「2人目の出産が認められなかったために、老後の介護などで子供から得られる利益を失った」などとして、国に補償を求めて一斉提訴していたことがわかった。

 「今でもつらくて、写真を目に届く場所に置いていられないのです」

 一人っ子を亡くしたことによる損失補償を求めて国を提訴した遼寧省の50代の男性が住む古びたアパートに、一人息子の遺影は見当たらなかった。息子の写真は、本の間にはさんで隠してあった。カメラに向かって屈託のない笑顔を浮かべる少年が写っていた。