「みのり」事件発覚後、領収書写し廃棄
「カレーハウスCoCo壱番屋」が廃棄した冷凍カツを産廃業者「ダイコー」(愛知県稲沢市)が横流しした事件で、カツなどを仕入れていた食品関連会社「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)が事件発覚後、転売先に発行した領収書の写しを廃棄していたことが25日分かった。みのりの実質的経営者の男性(78)は「ダイコーの指示だった」と話している。
みのりは岐阜県の調査に、愛知県の6業者と岐阜県の1業者にカツやみそを転売したと説明している。男性は業者に領収書を出していたが、今月13日の問題発覚後、写しをごみ箱に捨てたという。毎日新聞などの取材に対し、「ダイコー会長に『隠せ』と指示された」と話した。
領収書とは別に発行した納品書の控えも保存していたが、事件発覚後にダイコー会長に転売の実態を聴かれ、渡したという。
一方、冷凍カツのうちビーフカツについて、ダイコーが愛知県に提出した報告書で「5トンを80万円で転売した」と記載していたことが、会長の代理人への取材で分かった。
ダイコーは壱番屋からビーフカツ4万枚(約5・6トン)の廃棄を委託され、うち3万3000枚をみのりに横流しした。代理人によると、会長は「カツ5トンを1枚30円で売った」と説明しているという。
みのりの実質的経営者はこれまでの取材に、ダイコーとの取引について「会長の指示で伝票類は残さなかった」と話しており、会長も同趣旨の説明をしているという。【野村阿悠子、金寿英】